「ネット君臨」という、インターネットの功罪を追う同紙の企画が賛否両論だったことを覚えている人も多いでしょうが、それを締めくくる座談会が昨日、見開きで掲載されました。佐々木俊尚氏、柳田邦男氏らが出席しています。
結構柳田氏が昔かたぎで、ネットに対して否定的でした。
まだ図書館などで読むことができるでしょう、一読を。
おっと早速、ネット上で読めるよ。
テキストは現在、前半のみだが
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/kunrin/news/20070219org00m040025000c.html
こちらからはpdfで全部読める
https://my-mai.mainichi.co.jp/mymai/modules/itsociety7/
司会 例えば匿名の内部告発による権力や大組織の批判などプラス面はいろいろありますが、市井の人の生活に被害を及ぼすような議論も匿名発信でいいのかと感じます。
佐々木氏 客観的にひどい誹謗中傷があるのは事実だが、受け手の「困った」というのはかなり主観的なものだ。ネット君臨の1回目の話もあいまいだと思う。書かれる方はすごい誹謗中傷と感じているが、書いている方は正当な批判と思っている例は非常に多い。
柳田氏 中傷での心の傷の受け止め方は、被害者と加害者では1万対1ぐらいの開きがある。受け手には一生ついて回ることでも、加害者は1回限りの「祭り」の楽しみで終わる。そこの差が認識されないと本質に迫れない。
司会 正当な議論と認識している人がなぜ名前を明かさずに発言するのでしょう。
佐々木氏 普通の会社員やフリーターの青年が実名で書く意味があるのだろうか。
柳田氏 名前があるからその社会の一員であるわけで、匿名で新しい言論空間が生まれたとしても、究極において人々の福利に貢献するとは思えない。
佐々木氏 たとえブログや投稿の内容が守秘義務に触れない範囲だとしても、それが上司の目に留まって何か言われるケースはあり得る。日本社会の閉塞(へいそく)感を打破するために匿名による言論が登場してきた背景を考えると、一方的にたたきつぶすのはいかがなものかと思う。
いまキーワードを作ってみたのだが、弁護士のかたが論評している
奥村弁護士の見解
■[児童ポルノ・児童買春]単純所持の禁止へ(毎日新聞2007年2月19日)
http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20070220