ビガロは、「昭和的ハッタリ」が聞く中での末期に「アントニオ猪木を脅かす怪物」として登場した。
ブルーザー・ブロディが再三のトラブルで離脱し、アンドレなどもWWFとの関係悪化で来日が難しくなっていく中で、なんかいきなりメインイベンターとして抜擢されたな、という感が強かった。
まだ子供だったのでそういう大人の事情は見抜けなかった自分が、初めてそういう違和感を抱いたのだよ(笑)。
だが、当時的には荒業の「リフトアップした選手をそのままリング外に投げ捨てる」「側転する(意味なし)」などのギミックで、それなりにメインを努めたのだから当時の新日本ブッカーはやはり慧眼なのだろう。
その後は「うまさ」がどんどん評価され、北尾光司やらアメリカのフットボーラーのデビュー戦相手を見事勤めたりしたことで、職人としての評価は不動のものとなった。
ただ、同じ巨漢タイプで、「最後の昭和的ハッタリ」が効くさらなる大物ビッグバン・ベイダーがWWFに一回ビガロが行っている間に新日で不動の地位を占めたこともあり、そこからは二番手的位置に甘んじたようにも見えるのが惜しまれる。
みのもけんじの「プロレススターウォーズ」でも扱いがよかった、そういう点でも印象に深い人であった。
「暖冬や 金曜八時は 遠くなり」
(ビガロ登場時代、まだ金曜8時であったかは曖昧だが、ゴールデンタイム放送だったことは間違いない)