【トンガ噴火お見舞】INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

近藤と郷野、その奇妙で美しきライバル・ストーリー

はじめに

昨日の続きとなる・・・がひとつ残念な報告。その前回エントリで「再戦」と「賽銭」を引っ掛けた小粋なアメリカン・ジョークを披露したが、なんとそれは郷野聡寛レベルだったことが判明した。

「“再戦”だけに最高の勝ち方で勝って、初詣に行って“お賽銭”を投げたいと思います」

・・・・いやだな。すっげーやだ。


それはともかく、気を取り直して続けます。
その駄洒落も出てくる、二つのPRIDE公式ページをあらためて読んでみよう。

相思相愛

12・31郷野聡寛VS近藤有己、お互いが好敵手と認める
「近藤は俺の中で一番評価が高い選手」(郷野)
http://www.prideofficial.com/free/news/details.php?id=1166434864



「相手が近藤だからシリアスになる」(郷野)
「今回は凄く勝ちたい、三崎ともやる」(近藤)
http://www.prideofficial.com/free/news/details.php?id=1166435003


♪吾はたたえつ 彼の防備
 彼はたたえし わが武勇

というぐらいに高い評価をしている彼らですが、最初の試合直後はそーでもありませんでした。

「相手を舐めてただけ」

時は遡り2002年。01年12月に近藤に敗れて入院、手術し復帰戦に臨む郷野は・・・

http://www.pancrase.co.jp/data/news/2002/0511/001.html

あの近藤戦は、振り返って郷野さんの中ではどんな試合だったんですか。
郷野:「やっちゃったな」っていう。ま、油断ですね。俺の言葉に乗って周りが盛り上がったけど、いま思うと自分で自分の言葉に乗せられて、最後に救急車にまで乗せられちゃった(笑い)。

●菊田さんからはどんな話を?
郷野:「自爆だね」って感じで。結局、相手が強いとかじゃなくて俺のほうに気のゆるみがあったということで、うん。

●えー、そうですか?僕はあれだけのことを言ってたんだから、相当の心構えも覚悟もあったと思いますけどね。
郷野:いやあ、心の底からナメちゃいましたからねえ(笑い)。悔やんでも悔やみ切れないですね。

(略)

●なるほど。この試合のリベンジっていうのは、いまの目標にはなってるんですか。
郷野:そういうふうには思ってなくても、いつかまたやるだろうから。自分としてはあと3回くらいやりたいですけどね。3回全部やっつけて、溜飲を下げるというか、気持ちよく。

軽視から尊敬へ

しかし、これがGRABAKA勢に6戦無敗、そのうち郷野を含め5試合で相手を試合直後に病院送りにしたという直接対決の戦績、そしてその試合やパンクラスの中で交流していく(一緒にテレビ出演してお花見したことも)中で、見る目がどんどん変わってきているわけですな。


今までのエントリの中でも
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20040925#p2
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20041123#p1

再録。

最新のゴン格で、近藤有己のことを

「負けた直後は『俺の油断に乗じておいしい勝ち方していい目を見やがって!』と思ってたけど、その後の彼の戦いを見続けて考えが変わった。今では、近藤がいるからパンクラスに誇りを持てる、とまで思っている」(大意)

と少年ジャンプの登場人物のようなセリフを。

今年3月の近藤有己vsスティーブ・ヒース戦では郷野が解説に入っていたが

近藤はやっぱりチャンピオンで、
俺はやっぱり(ランキング)3位だな、と。
そう感じましたね

しまいには、近藤がPRIDEに頻繁に出るようになったとき、メインを負かされた郷野は
「俺が言うのもなんだけど、近藤の留守は俺が守る」と見得を切ったのでした。・・・そこで桜木裕司にKO負けしたんだけどな(笑)。

そして再戦へ

そんなこんなをしているうちに、めぐる因果の糸車が、再び彼らを引き寄せる。
郷野の場合、かつて”KING OR ACE”と銘打たれて近藤との試合で大会場を盛り上げたボス・菊田早苗との見えざる対抗という部分もある。
今回は菊田と近藤が、
パンクラスで三度目の対戦決定〜菊田の怪我でお流れ〜近藤、PRIDEで不調〜菊田「近藤と自分が上がり調子のときに」と自分の怪我が流れた理由なことをうやむやに〜レノグさん〜


なんてことがあった後にこの試合だから

「本当に5年前の借りを返すという気持ちは全くない。ただ、近藤有己という相手とまた闘えるのが嬉しい。いま近藤の方から一番の好敵手と言ってくれて、凄く嬉しい。5年前に負けた後、ファンも周りも近藤の好敵手は菊田さんだって言っていて、正直ムッとしていた。だから言ってもらえて凄く嬉しい。大晦日はこの日本人二人で最高の試合をしたい」といつになく・・・

という思いもあるのですね。
しかし、これを少女漫画風の恋愛に例えるなら、一人の魅力的なボーイフレンドをめぐって、普段は親友の女性2人が時に譲ったり時に葛藤してるというようなハナシに近いかもしれん。
そんな70年代な少女漫画、今どきねえよ。

さて実際にあいまえたら??

俺は、実はさ2004年のNKホール最終戦でアピールしたときから、かなり厄介だと思ってたのよ。

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/live/200411/07/a03.html

「・・・パンフレットで9勝1敗2分けと出てるけど、そろそろ、その1敗の相手とやりたい」と近藤との再戦をアピール。さらに「8年で経験ばかり積んで、結果がほしい。近藤とやるというより、ベルトが欲しい。社長、テレルに勝って近藤への挑戦権を得たい。来年、全日本キックに出る。近藤とやる前に全日本キックのヘビー級ベルトを巻いて戦いたいと思います」とかねてから・・・

というのは、やっぱり「初戦は近藤を舐めすぎていた」というのは、それなりに本音を含んでいると思うのね。ただ油断という言葉は多少不適当で「ゲームプランの作成失敗」。

簡単なことで郷野は一応、ストライカーとしての近藤を警戒し「これなら寝起きでも勝てる」といっていたグラウンドに引きずり込もうとした。ただ、近藤は予想以上に「テイクダウンされてもそのまま立つ」という才能があり、これでスタミナをロスした・・・という面が強い。


もし、今では郷野の中で完全に確立された、ノーガードと足での回り込みとカウンターを使ってスタンドで対峙し続ける方法を近藤有己に使用したら?どうなるかはさっぱり分からん。
でも、基本的にはまったく別の選手と戦うようなものではないでしょうか?

あと、気になるのは近藤が松井大二郎戦で効果的に使った、懐に入らせない前蹴り。
あれをフィル・バローニ戦で使えれば(略)。
まあレノグ戦では鳴りを潜めたし、松井大二郎のように直線的に組み付く相手じゃないと使えないのかもしれないな。

もう一度、近藤vs郷野初戦を見てみよう。

DVDも「IsmvsGRABAKA」として出たんだよ。持っている。
本当にいい試合でした。
で、俺はチケットを買っていたのに仕事で行けなかった。この頃から「俺が行けないパンクラスの試合は名勝負が生まれる」とされてきたと(笑)。この頃から近藤は「テイクダウンされるんだけどすぐ立つ」と尻で立つって技術が目立ち始めた。、

最初の握手を拒むなど、郷野のヒールキャラづくりも面白いが、凄いのは菊田早苗セコンド。
近藤が郷野を滅多打ちにしているときに投げ入れたタオルは、広がり具合や色、高さなどで完璧な画面を作っていた。だから何べんもこの部分が映像として使われてしまうんだが(笑)
でもカウンターなど近藤は鋭いね。この時も。
ちなみにこの試合前に近藤が語った試合への自信のほどは、いかにも近藤らしい名言だった。


「勝つ自信はあります。
負ける自信もありますけど。」

この後

http://d.hatena.ne.jp/iippanashi/20061218#p1

・・・郷野対近藤は最初噂になったときは大晦日には正直地味かなと思った。正直な気持ちをいうと、田村対美濃輪をばらけて、近藤対美濃輪or田村、郷野対美濃輪or田村にしたら4人のリスクが多少近くなるし、マッチメークも新鮮なのでそっちのほうがいいかなと思う。

わたし考えたのデスが、おしゃべり郷野当たりを中心に「勝手にトーナメント」をやっちゃえば。
つまり、「これはミニ・ウェルターGP!! 二つ、日本人同士のウェルター級(無差別?)の日本人対決があるんだから、次のラスベガスで、この試合の勝者二人で対決しようじゃないか。異論のある奴、いないよな???」と突きつける。「望むところ」と田村潔司美濃輪育久が言えばよし、「いやだ」と言ったら彼らのファンが失望する。
どっちが先の試合になるかしらないが(多分郷野近藤だろう)、勝者はこの田村vs美濃輪のリングサイドに陣取り、勝者が決まったときにはエプロンに駆け上がって欲しい。
高田延彦が勝者に「お前、郷野or近藤とやるのか?」と迫ってくれればなおよろし。

最後に入場曲

当時の郷野聡寛の入場曲は効果音に銃声なども入る剣呑な「ピストレイロ」とかいう曲で、この喧騒と、癒しと聖なるものを感じさせる近藤のおなじみ「Book Of Days」がこの上ない対比的な音で迫ってきた。
で、今回試しにBook Of Daysと例の「アゲアゲEVERY騎士」(これ使うのかな?)を通しで流してみた。
結論から言うと、これも面白い対比になって悪くない。入場合戦になりそうだ。