この前ちょっと紹介した、朝日新書の第一弾
- 作者: 外岡秀俊
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2006/10
- メディア: 新書
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が、結構評判を呼んでいるそうだ。
もともと新聞記者は本を書くなら「憲法を論ず」とか「歴史教育を考える」とかより、「私の情報処理法・収集法」とかいうものを書くほうがよく売れて自身の小遣い稼ぎにもなる、とはよく知られる。これは本を買う大衆の、ある意味健全な投票結果かもしれない。いわば「財布の投票」。
ましてやこの人は小説家でもあり、沢木耕太郎とも親交があるような人だ。
ただ、情報整理法というのは結構、箇条書きにしてしまえば本を読まなくてもそれで済むという部分もある(笑)。ミリオンセラーの「超整理法」も結局「テーマごとではなく、資料は入手時期で区切って袋に入れて並べとけ。
人間、「いつごろの話だ」というのはよく覚えている。使ったら、右に入れ直せ。
そうすれば使わないもの=不要なものが左に押し出され、それを捨ててけばいい」
これさえ分かればいいといっちゃいいんだ。
さてこの本のそういうミソ部分は・・・・
この十数年、私が取っているのは、「備忘録」と「日記」を分離する方法です。
基本原則3 膨大な情報を管理するコツは、情報管理の方法をできるだけ簡単にすることである。
具体的にご説明しましょう。
私は毎日、バインダーに挟んだルーズリーフに、自分の行動記録を一行に要約しています。たとえばロンドンに住んでいたころのある一日はこうなっています「2/17 8:00気象 朝食麺 出社 Aにtel K氏来社 昼食セルフリッジ BBC出稿 8:00帰宅 DVD独裁者」
たったこれだけです(略)。
私が使っているルーズリーフは1ページに31行在りますから、31日分が1ページに収録されます。これだと1年でも十ページ程度。
(略)ルーズリーフの左ページは空白ですから、ある非に特記事項があれば「休日」とか「コペンハーゲン出張」「カゼで発熱」などの注をつけておきます。
後で「あの原稿を書いたのはコペンハーゲンに出張中だった」とか(略)記憶を引き出す手がかりにするためです。(略)
どんな多忙な一日でも、何も無い平坦な一日でも、同じ一行にすべてを集約するのがコツです。自分の内心にとってどれほど激動の日々でも、自分があった人や行った場所、食べたもの何度は意外に少なく平凡なことが多いものです。(略)
私の場合、この備忘録とは別に・・・特別の項目を設けています。○書いた原稿(見出し、行数)
○食べた場所(その相手)
○会った人
○行ったところ
○読んだ本
○見たものを書き足していきます。こうしておくと後で振り返った時に・・・よくわかります。
過不足ない情報整理法だ。一行あれば、たしかにそれがフック、ひっかかりになって色々思い出せるものだよ。
私が補足するなら、やはり今は電子情報のほうがいい(無論バックアップは必要だ)。
ここは世の中を見るブログで、自分自身が自分のことを書いたって面白くないと思っているから日常の行動はすべて省いているが、別の日記というか家計簿代わりのものを付けている。もっといいのがあるのかもしれないが、自分は
無料のフリーソフト
メモリーマネージャー http://www.vector.co.jp/soft/winnt/personal/se233864.html
を使用。
ただ、ぜーんぜん書いてません。これをこのようなやり方に改変するか。また、むしろミクシイはこういう活用ができるかもしれない。
あと、日々の食事は書くといいだろうな、健康管理も。某格闘技関係者が、Mixiで日々の食事を撮影、ダイエット日記を書いている。彼の本来の目的が成功するかはノーコメントだが(笑)、毎日の食事を記録したら、本来の目的とは離れても見直すと興味深いだろう。
あと、自分の場合は本だ、本。
私が書評大好きであることはかねてからの公言の通りだが、書評好きすぎて、読んだあと「よし、本格評論を」と肩に力が入りすぎ、保留しているそのうちに引用したいと思った部分が曖昧になったり図書館から借りた本は返却期限を過ぎたり、人に貸したり家で行方不明になったり(これが多い)でうやむやになることも。
佐藤優「国家の罠」も浅羽通明「ナショナリズム」「アナーキズム」二部作も、小島一志「大山倍達正伝」も、そういったシシルイルイだ。
この「一行読書日記」はここで採用しよう。
と言ってるそばから、この「情報のさばき方」紹介の分量自体がコンセプトを裏切っているのだが・・・