http://www.cnn.co.jp/sports/CNN200609060018.html
フランス代表主将のMF、ジネディーヌ・ジダン選手の頭突き事件で、「被害者」となったイタリア代表DF、マルコ・マテラッツィ選手(インテル)は5日、伊スポーツ紙、ガゼッタ・デロ・スポルトとの会見に応じ、試合中の自らの「挑発的な発言内容」を初めて明らかにした。
これによると、守備で再三、シャツを引っ張ったマテラッツィ選手に対してジダン選手が軽蔑するような調子で、「そんなにシャツが欲しいなら試合後にやるよ」と言ったため、「シャツよりおまえのお姉さんのほうがいい」と言い返したという。
マテラッツィ選手は、「試合ではもっとひどい発言もある。あの時点で、ジダン選手に姉がいるかどうかは知らなかった」として、「先に挑発したジダン選手の方こそまず謝罪すべきで、自分からジダン選手に謝罪するつもりはない。ただし、彼のお姉さんには謝らなければ」と述べた。
片方の発言であり、ジダンのほうの言い分もあるわけで(もっとも、これまでの様子を見ると言わないだろう)現在のところ、まったく事実は確定していないわけだが「人種差別的なセリフだったんじゃないか?」「イスラム圏出身の彼をテロリストと結びつけたんじゃないか?」とかいう当初の憶測が、もし今回の告白が事実だったら無くなるわけだ。
むろん「姉さんがいい」という性的?な意味を暗示した挑発が人種差別やテロリスト呼ばわりよりいいのか悪いのか、こっちのほうが悪質だっていう議論だって文化によっては成立するだろう。
ただ、最初のころは人種差別発言のほうが重い罪、という論調だったし、FIFAのルールとしても人種差別は重い罪になるんだよな、たしか。
ただ、世の中というのは複雑なもので、こういうとき「人種差別発言かどうかは分からない、当事者が話さないと」といって慎重にやっていたら、結局うやむやになるし、今回だって証言が出てこなかったら灰色のままだ。
かといって、「あんなにジダンが怒るんだ、マテラッツィは人種や宗教を馬鹿にしたに違いない!!」という憶測の元に突っ走ると、これまた別の落とし穴に落ちる。
どうするんだって、さあ、どうするんだか。