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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

靖国神社内「鎮霊社」10月から一般公開

東京新聞には真ん中へんのページに、「こちら特報部」という見開きコーナーがほぼ毎日のっている。
スペースが大きく、かなり自由に?書けるらしいので、非常に興味深い企画記事だ。内容と結論は、やや賛同しかねるものが多いのだが(笑)、面白さと言う点では新聞全体でも上位に位置する。
で、この存在は知っていたんだけど、ネットでも読めるというのはつい最近知り、今はてなアンテナに加えた。
現在22人が登録しているが、もっと増えてもいいはずだ。


ここから本題。ここで最近、2回にわたって靖国神社の「鎮霊社」を特集した。
一回目は12日に掲載されたが、靖国神社側が「多忙なために18日以降の回答になる」とし、続編が29日に出た。



鎮霊社』からみた靖国神社 
ひっそり鉄柵の中
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20060812/mng_____tokuho__000.shtml


鎮霊社靖国』の回答検証
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20060829/mng_____tokuho__000.shtml


鎮霊社というのは、はてなダイアリーのキーワードになっている。というか俺も編集にかかわったしな(笑)
かなり有名だとは言い切れないが、逆に靖国神社問題でいっぱしの発言をしたいのなら、これを知らなきゃモグリ。


で、わたしも行ってみたことが在るのだが、ここは今非公開でがっくしだった。
だが・・・「回答」のほうにこうある

 【質問(4)】鎮霊社はなぜ鉄柵で囲われ、一般参拝者が近づけないのか。


 【回答(4)】過激派の活動が盛んであった昭和四十年代に、警備上、御本殿をはじめ、元宮、鎮霊社を守るために鉄柵を設けたのであり、鎮霊社だけを囲っているわけではない。また、現在、拝殿脇より誰でも参拝できる参道を設ける計画を進めており、十月には竣工(しゅんこう)予定だ。


これ、ひそやかにスクープなのに、勿体無い使い方しているな(笑)。
それから、今まで公開していなかった理由が公式に「テロの危険」だったというのも不謹慎な言い方をすれば、タイムリーな話題だ。なんかコメントの学者が「いぶかって」いるが、違うと言い切れる理由なんか無いし。

しかしこの話題、ストレートニュースで社会面や一面に持って行けばよかった。それとも一部では周知の事実だったのか。どっちにしても、ペリー来航以来、戦争で失われた世界全人類の鎮魂を祈ることができる、おそらく世界唯一の場所と言うことになる。

実は、首相参拝に関するウルトラCとして、「首相は鎮霊社に(or「にも」)参拝したら?」という案がささやかれていた

これはこれまでここに書いた一連のエントリ
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/searchdiary?word=%c4%c3%ce%ee%bc%d2

を見ていただくと分かるけど、靖国神社を評価する側が「鎮霊社という、非常に平等な施設が在るじゃないか」という形で提示し、否定側が「小さいし一般公開もしていない」と意義を小さく見るという話が一般的だった。

ところが、A級戦犯分祀論の声が大きくなることにつれ、また1965年に鎮霊社を創建した故筑波藤麿宮司が、例の富田メモで「筑波はよくやってくれた」と書かれ、またA級戦犯合祀を「宮司預かり」としたことなどで再注目されている。
ここで鎮霊社によって、靖国批判や遊就館批判、またA級戦犯合祀を決めた故松平宮司などの批判につながる道ができたというわけだ。

秦氏は「筑波さんを補佐していた祢宜(ねぎ)に話を聞き、A級戦犯は一時、鎮霊社にいたことを確認した」と話す。つまり、鎮霊社が建立された六五年から七八年まで、A級戦犯鎮霊社に祀られていたらしい。

 秦氏は「鎮霊社靖国神社が独自の判断でつくったもので、部外者がとやかくいうべきでない。世界中の戦没者を追悼するというのは正論で批判できない」と話しつつ、同神社が鎮霊社への参拝を受け付けていない理由をこう推測する。

 ■『分祀リンク神社嫌がる』

 「(月刊誌で考察を発表した)〇一年当時、自民党内から『A級戦犯鎮霊社にお帰りいただいたらどうか』という声が出たと聞いている。靖国神社A級戦犯分祀論との絡みで、鎮霊社が話題になることを嫌がっているのではないか」

実際、「世界中の戦乱の人を慰霊する施設はいいですよね?」というのはなかなか戦後民主主義的だ(笑)
理論上はそれこそナチスドイツのSS、ニュルンベルグ裁判の戦犯、ポルポト軍の戦死者、農村で八路軍人民裁判によって虐殺された農民(まさか「人民解放軍は、民衆から針一本取らない」などという冗談を信じてる人はもういないよな)、朝鮮戦争北朝鮮に虐殺された人々なども含むので、ここに行くと怒られないで済む可能性もあるし、めちゃくちゃ怒られる可能性も高いのだ(だってSSも慰霊してるんだから。イスラエルが怒る)・・・かな。


 鎮霊社の例祭日は、七月十三日。
ひょっとしたら、来年のこの日、なにかが動くかもしれませんよ。
安倍晋三首相が、この日に鎮霊社で手を合わせたら?(秘密裏にでも)


あとひとつだけ。
二回目の記事で

【質問(5)】
 鎮霊社の例祭日(七月十三日)には、どのような方式で祭事が行われるのか。
 【回答(5)】
 他の祭事同様、神道の儀式で行われている。


 キリスト教イスラム教などの一神教は他の神を認めない。このような信者を鎮霊社に祀り、国家神道方式で祭事をするのは、彼らの宗教心を冒涜(ぼうとく)することにはならないか。

 靖国自身は「名前を挙げての奉慰ではなく、戦争犠牲者全般の鎮祭であり、日本古来の神道形式で他国の戦争犠牲者全般の魂を鎮めることが、必ずしも冒涜にあたるとは認識していない」と補足して説明する。

 高森氏も「靖国神社がその一神教を国家権力と結びついて弾圧するのでない限り、独自に祭祀(さいし)対象を設定することを第三者が妨げることはできない。仏教系教団でも類似した例はあるが、それが問題になることはない」と靖国側を擁護する。

 これに対し、千本氏は「靖国が宗教法人である限り、祭祀対象を自由に決めることができる。しかし靖国がもつ強い政治的性格を考えると、純然たる宗教法人とはいえず、祀られることを拒否できないのは問題がある」と主張する。

なに、とんでもないこと言ってるんだ(笑)
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20051112#p2から再度引用


1942年12月8日、ファティマの予言の一部実現を記念して、ローマ教皇ピオ12世は全人類を聖母マリアの聖心に奉献した。私(註:佐伯真光氏)も人類の一員だが、まさか自分がマリア様にささげられていたとは知らなかった。だからといって、私は教皇に抗議するつもりはない。

またキリスト教では、イエスは全人類の罪をあがなうために十字架にかかって死んだと説いている。私はキリストに身代わりをたのんだ覚えはないが、キリストを訴えようとは思わない。それがキリスト教の教義だということを知っているからである。宗教のドグマに他の宗教は介入できない。

日蓮宗不受不施派じゃあるまいし、ダメとなったら「宗派を異にする人のために祈る」ということから否定する形になるのだよ。そういうとき、一神教がすべきなのは「無視」であり、無視以上のことをしてはいけない。


これは、その部分を発展させたエントリ
■[時事][宗教]靖国参拝−−平和を呼ぶ「サイキック・ウォーズ」?
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20050813#p3