今回の格通の、面白かったほうの記事を語る。まずは美濃輪インタビュー。
彼は、2002年ごろからなんか時代小説とかを読み始め「革命」とか言い出したり、侍のコスプレして入場したり(vs田村潔司戦)、挙句の果てに「心の脱藩」とか言い出して、最後は本当に脱藩した(笑)。
「時代で言うと、やっぱり戦国時代と幕末、そのふたつが好きですね。」
−−特に誰に惹かれるんですか?
−−「様」付けなんですね(笑)
思い起こせば戦国武将やお城や時代小説が好きな格闘家やプロレスラーは多く、藤波辰巳の城めぐりは有名だ。橋本真也はショーグンを名乗ったし、前田日明は最近も「壬生義士伝」を読んで(映画を見て)泣かない人間は信用しない、とか公言してたな。
だから影響されやすい美濃輪が、こういうのにハマってもあまりにも当たり前というか。
しかし、人様のことをこう断言するのもアレだが、ほら美濃輪馬鹿でしょ、バカ。
ぶっちゃけ、歴史モノとかを読む基礎的な知識が欠けてるだろうと(笑)。
実際、インタビューを読んでいたら、
「活字はそこまで読めないんで、漫画とか軽いヤツですけど。そういうものを見て、武将の明言とか闘いの時に生まれた言葉とかに凄い影響を受けます。
今でも僕自身の闘いの中で、その言葉に助けられたりするんですよね。」
ハハハ、やっぱりね・・・と思いきや、インタビューはさっき上に出ていた織田信長好きという話題から、例の信長・秀吉・家康の「ホトトギス」話に移る。
鳴かぬなら 殺してしまえ ほととぎす 信長
鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ほととぎす 秀吉
鳴かぬなら 鳴くまでまとう ほととぎす 家康
偽作丸出しながら、特徴を良く捕らえておなじみの歌だが、美濃輪はそれを受けてこう言う。
「でも僕の中にもあるんですよ。
鳴かぬなら 鳴かぬも自由さ ホトトギス
というのが。」(10P)
!!!!!!
・・・・・・・うーん、この有名な句を、自分なりにもじりました、という人は数多い。
しかし、ここで美濃輪が選んだ「それも自由さ」という言葉は、たぶん、彼が脳内で考えたものではない(笑)。って失礼な。
いや、いいたいことは、これは単なる観念やうまいこと言おう、ってことじゃなく、彼の歩み、戦いの歴史、そして勝利と敗北の中から生まれてきたものだろうな、ってことだ。
いかにまだ文字だけの活字は読みづらく、漫画本で代用しているとはいえ、ここまでの地点には、逆に言うと普通の読書では到達できるものではない。
「書を捨てよ、街に出よう」ではない。
「書も持って、街に出よう」だ。いや「書も持って、リングに上ろう」か。
なんにせよ、恐れ入りましただ。引き出したインタビュアーも大したもの。
次の試合自体(vsバタービーン)は「このカード、どうなの?」って感じだけどさ。