毎日新聞に、主に夕刊で活動し、公安や在日、朝鮮半島問題に不思議に精通している鈴木琢磨氏という記者がいることはここでも何度も触れているが、昨日5月24日夕刊に1978年の朝鮮半島、というテーマで記事を書いている。
その際、囲み記事の形で”T・K生”こと池明観氏のコメントが載っていた。TKというと、私どもにとってはむろん高阪剛となるが(笑)、70年代に青春を送った人や岩波書店「世界」の現在の読者・・・あ、これはごく少数だから考えなくていい(笑)にとっては彼。
朝鮮日報の記事などを読もう。
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2003/07/25/20030725000070.html
本題に戻ると・・・毎日新聞がこの記事の中で、彼は信じられないほど率直な告白をしている。
私はね、北朝鮮が日本人の拉致をやっていることをうすうす知っていたんです。韓国人の拉致はしばしばでしたから。そこまでやるか、と思いました。ですから、東京で北系の人間と秘密裏に会った時、「将来、とんでもない問題になる。むちゃなことはするな」と忠告したんです。何も答えなかったですね。
70年代、北はのぼせ上がっていた。革命のためなら何をやってもいい。最後に勝利すればいい。工作員に日本語を教える必要がある、そのために日本人をさらっていく。そんな簡単な発想ですよ。手段を選ばない。
「通信」では北について論じませんで得した。できなかった。戦う相手を明確にするためです。当時、韓国には「先統一、後民主化」といった議論もあって、警戒していました。南の民主化が先でなければと思ったていましたから。
03年に北に行きましたが、ふつうの人に合えない。大同江ですらそばで見せてくれない。私は北の出身者ですよ。1947年に38度線を越えて南に来ましたが、あのころよりもっと悪い。ショックで寝込みました。どうしていいかわからない。圧力を加えればいいのか、助ければいいのか。
ひとこと二言。
「こっちが寝込むよ、んなもん」
「それ、安江良介に教えてやれよ」
まあ、これじゃあしょうがないか。
http://www.jca.apc.org/gendai/20-21/2003/tk.html
あのころは、今とは隔世の感があるが「世界」は部数も社会的信用も比べ物にならなかった。
その当時、「あのT・K生」が「あの『世界』と岩波書店」が、拉致や北朝鮮の人権弾圧ヤ非人道体制に警鐘を鳴らしていたら・・・・・。
もはや言ってもせんなき歴史のIfになってしまった。
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