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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

小沢一郎代表の名セリフ、実際は勘違い??(毎日新聞「発信箱」)

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http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/hassinbako/news/20060508ddm002070060000c.html

山猫は変わらない=山田孝男(編集局)
 ちょうど1カ月前、民主党代表選を制した小沢一郎氏は出馬演説の最後を映画「山猫」の登場人物のセリフでしめくくった。「変わらずに生き残るためには、自ら変わらなければならない」である。連休中レンタルビデオを探して見てアレ?と思った。このセリフを吐くのは誰かという問題だ。
 名匠ルキノ・ビスコンティの「山猫」は1963年カンヌ映画祭グランプリ受賞作である。舞台は19世紀半ばのイタリア南部シチリア。革命に身を投じた青年(アラン・ドロン)が伯父ドン・ファブリツィオ公爵(バート・ランカスター)に「生き残るために変わらねば」と迫るが、公爵は取り合わない。

 一方、小沢氏の説明はこうだ。「青年時代に見た映画『山猫』のクライマックスで、イタリア統一革命に身を投じた青年が伯父の公爵に『なぜ革命軍を支援するのか』と尋ね、バート・ランカスターの老貴族が『生き残るために変わらねば』と答えた」−−。

 セリフの主客が逆だ。それにこの場面は山場ではなく、開幕早々に現れる。公爵は愛するおいに財産の一部を与えるが、「私も変わる」などとは言わない。自らは変化を拒み、誇り高く滅び去る。山猫とは公爵家の紋章だ。映画の主題は変革ではなく、貴族階級の落日なのである。

こういうことはよくあることで、当「道場本舗」でも、よく記憶で引用する漫画や映画、小説の話はけっこう細部は違っていると思うし、説明もはしょったりする(笑)。
これと枠組みがそっくり同じ話を、沢木耕太郎も書いた(囲碁だか将棋だかの名人が、敗れた心境を映画のセリフに託したが、そんなものは無かった・・・という話)。

まあ、決めセリフとして引用されまくったのでちょいと見っともないのも事実でした。
この発見者はと名前を見るとおなじみ山田氏。
うーむこれはしてやられたでしょ。
引用もとの映画をチェックsすれば、鋭い人は誰でも気付けた。そういう点ではブロガーのほうと条件は一緒というか、あるいはブロガーのほうが有利だったかもしれない。
しかし今回は、職業ジャーナリスト(コラムニスト)にしてやられましたな。

「いや、このブログでは先に指摘していたよ」というところをご存知ならご一報を。

【コメント欄より】

mo 『正確には「変わらずに生き残るためには、自ら変わらなければならない」とは言ってないんですけどね。このセリフ引用の中で小沢一郎は「自ら」とは言ってません。間違いを指摘するなら発言を正確に引用すべきですね。で間違いの指摘ですが、探してみると「山猫」を最近見た方々も公爵の言葉として引用してるんですよね。ちなみに小沢一郎が公開当時みたであろう「山猫」は大幅短縮された英語音声国際版で現在発売中のDVDはイタリア語音声完全版。字幕も違ってると思われ、ややこしい。
http://www.nextone.jp/va/va05.html
http://www.janjan.jp/kokkai_watch/0604/0604082077/1.php
http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/sato-col0009.html