上の「日本人がフィル・バローニを倒せ!」というのもナショナリズムかな。
それはそれとして、
前に紹介した「高倉仮面」ブログは、後から書いたものでも興行日の日付にエントリをアップするやり方を取るらしく、今回も後から4月1日の日付に掲載した。
http://d.hatena.ne.jp/Mask_Takakura/20060401
靖国神社で開かれた、ゼロワンマックスの「ちからまつり」である。
・・・・それにしてもいい天気だ。屋外興行は雨が降ったら全てが台無しになるだけに、この晴天は素晴らしい。そして、相撲場に一本だけ生えている桜の木。これがいい。靖国神社の他の場所と比べると「桜の木が一本」というのはちょっとガッカリではある、が…。
その一本が素晴らしい大樹だったりする。本当に見事。試合前には大谷 晋二郎が「今日はプロレスを観るもよし!酒を飲むもよし!桜を見るもよし!思いっきり楽しんで行ってください!」なんて粋な事を言ってくれた・・・・
この相撲場は、大正時代に日本の柔道家とプロレスラー・アド・サンテルが異種格闘技戦を闘った(ガチ)由緒ある場所でもある。
小生のサイトより
http://www20.tok2.com/home/gryphon/JAPANESE/tyuokoron/santell-frontpage.htm
閑話休題、私もこれは見たかったのだが日程的にいけなかった。
何を見たかったかというと、酔拳使いの王拳聖。
だいぶはじけたようだよ。
・・・王拳聖。入場するなり山笠 "Z" 信介に木刀を渡し、自らは三節棍をブンブン振り回す。お互いに武器を持ってのチャンバラ劇はもはやプロレスでも何でもないワケだが観客にはウケまくっていた。
・・・・・・出てきたのは酒の入った瓢箪。浴びるように酒を呑んだ王の逆襲が始まる。千鳥足から意表を衝いての突き、倒れこんでのヒジ打ち、そして高速ハイキック。近くに座っていた若者曰く「バーチャファイターのような」酔拳を披露する王、観客も大喜びだ。・・・・
そしてレフェリーストップによる完勝。
日本軍国主義の巣窟に単身乗り込み、中華民族の怒りをぶつけ、世界にその四千年の偉大さを知らしめたのでありました(笑)。
もちろん悪辣なる日本鬼子の観衆どもは悔しさでいっぱいだっただろうが、暴動もおきなかったのはあまりの王の強さに、卑怯な小日本の群集もいくら数が多くても勝てない、と悟ったのだろう。
さてやっと本題。
靖国神社の奉納プロレスに関しては、話題になった森達也「悪役レスラーは笑う−『卑劣なジャップ』グレート東郷」で(ネットでの反響が)言及されていた。
悪役レスラーは笑う―「卑劣なジャップ」グレート東郷 (岩波新書 新赤版 (982))
- 作者: 森達也
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この際の扱われ方に対し、小生は批判的に書いたことがある。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20060122#p2
・・・この、靖国神社の奉納プロレスに関し、当道場本舗はその前のパンクラスでの、桜木裕司の試合ともからめ、http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20050315と書いた。
数々の話題作を発表し、賞も得ている人に対し「俺はこう書いた」と提示するのも身の程しらずだが、この見方のほうが現状を貫いているだろうという自信は、正直ある。
・・・・・・プロレスがナショナリズムに関して−−少なくとも21世紀の日本において−−何がしかの意義があるとしたら、それはそのフェイク性そのものが、ナショナリズムを高揚させる一方で無効化、相対化、そしてパロディ化しているという一点にある。そしてそれは、同時に行われているのだ。
だって、森氏が大いに怒り、懸念する「日本人レスラーvs中国人拳法家 イン靖国神社」で、本当にチャンコロやっつけろ、日本万歳、うちてしやまん、一億玉砕、八紘一宇・・・・となるだろうか。とてもそうは思えない・・・
今年のちからまつりを、森達也氏は観ただろうか。観たら、どんな感想をもっただろうか。
ちなみに観戦記によると、今回、靖国神社に国会議員が「公式参拝」ならぬ「公式参戦」をしたそうな(笑)
・・・フィニッシュは大仁田のパワーボム。サンダーファイヤーではなく普通のやつ。一回、持ち上げるのに失敗しており、マニアがあざとく「えええぇぇぇ〜っ!?」とツッコミを入れていた。そんなダメフィニッシュの後でも、最後はしっかり大仁田劇場、「オイ!オイ!オイ!」…、その後は何をいってたかはすっかり忘れたし興味もない。
何ていうか、もう大仁田はいらないよ。・・・
同感です、と武部勤幹事長も言うだろうが、まだ任期はある。人気もまだあるのだろうか。
【メモ】桜論 kamipro別冊つまらん