INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

WBC優勝・・・とやや別の話

仕事で忙しく、試合自体は仕事場のテレビを一応つけていたという程度。
前半は、仕事関係相手のとこに出向いたらそこで先方が野球を観ていて、こっちは別に悪くないのだがなんとも申し訳なかった(笑)。

日本の応援は最後は予想を超えて盛り上がっていったのだが、その熱狂を見ていると、最近古本屋で手に入れた細野不二彦の短編集

「ビールとメガホン〜カクテルライトストーリーズ」

ビールとメガホン (ビッグコミックス)

ビールとメガホン (ビッグコミックス)

を思い出しました。
「やる側・みる側」という分類は山田英司フルコン編集長の考えた面白い定義で、ここから他の論者も独自の解釈や、立ち位置を表明し、結果的に活字格闘技を豊かにしたのは皮肉だが、さすがプロ野球はその裾野の広さで、こうやって「見る側」の側からドラマを作ることを可能にしている。


野球を「観る」ことによって、冷徹な経営者がガキに戻り、上の理不尽な命令に耐えるしかないサラリーマンに勇気を与え、寿司屋が自分の仕事に自信と誇りを取り戻し、美女がここに転載するのもはばかられる下品な野次を飛ばす。


短編ストーリーの骨子自体は、隠れた名手・細野不二彦にしては「まあまあ」程度のものもあるし、試み自体が完全に成功したとは言えないと思うが、一読の価値はあります。