INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

昨日のMHK「チャウシェスク政権の崩壊」補遺

「オーレ、オレオレオレ、チャウシェスクはもういない・・・」

再放送をごらんになった方は分かるだろうけど、チャウシェスクが自分の宮殿(宮殿なんだよ、ほんとに絢爛豪華な)から脱出したとき、そこを埋め尽くした抗議モの民衆たちは即興で、タイトルに書いたようにワールドカップ応援歌「We are tha champ」の即興の替え歌で気勢を上げたのだった。

1990年にこれが放送された際、子どもの小生はその光景に感激しつつも、「なんで自然発生した集団なのに、みんなが共通してこの歌を創れた、知っていたのかなあ?」と不思議に思ったものだった。今も昔もおいらはサッカーに詳しくないけど、同時に1990年ってまだまだW杯の日本での知名度って少なかったでしょ。
この番組と、その他の東欧革命に関するNHKドキュメンタリーをまとめて活字化した「かくして革命は国境を越えた」という本で歌の説明を読んで納得、その後この歌が広く紹介されたときは「ああ!あの時の・・・」とすごく印象深かった。

この本についてはほんのわずか
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20050309#p2
で紹介したことがある。

アマゾンより
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140087234

プロローグ 「メディアの暗闘」テレビは何を伝えてきたのか
1章 情報は再封鎖された 中国
2章 東西ドイツの電波戦争 東ドイツ
3章 体制を揺るがした1本のビデオ チェコスロバキア
4章 地下のビデオから、衛星放送主役の時代へ
5章 変革の旗手になった放送メディア ハンガリー
6章 テレビ局が参謀本部「テレビ革命」 ルーマニア
7章 ペレストロイカのなかで ソ連
8章 メディアの攻防 電波は闘っている
エピローグ 「情報民主主義」の時代に

もっとも、この本が出たときはまだインターネットは一般には影も形も無く、環境のが一変した部分もあるのだが・・・


あと、それ以上に完成度が高く、時代の流れに耐える古典的名著と呼ばれるべきノンフィクションもある。

きのうの祖国―東欧崩壊 (ちくま文庫)

きのうの祖国―東欧崩壊 (ちくま文庫)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480034943/249-5793047-4233967

一夜にして体制が崩壊したとき、人は何を思うのか。期待と不安が交錯する中で、人々が自由の代償に得たものは何だったのか。「壁」が崩れた直後のベルリン、革命の熱気さめやらぬプラハ、そしてチャウシェスク政権崩壊の余燼くすぶるルーマニア。いちはやく「現場」の土を踏み、普通の人々の肉声を通して歴史の断面を鮮やかにとらえた記念碑的著作。

杉山隆男氏といえば大宅壮一ノンフィクション賞受賞者でもあるが、今は「兵士に聞け」「兵士を見よ」などのシリーズの著者、という紹介が一番通りがいいのかな。


これも、読んだ当時に書いた文章があるはずなんだがなあ。
いま、パソコン内部をいろいろ検索しております。あの時もあまりの傑作ぶりに、気合を入れて書いたんだよな。無くなっていたら個人的にへこむな。