完全に一週間遅れでの紹介になってしまいすまん、図書館にでも行ってもらって読んでいただくしかないのだが、たいそう面白かった。
お笑いと硬派な知的活動というのは、実のところではかなり密着しているが、だからといってあからさまには一緒の器に乗せてお客の前に出すことはできない。
そこを、どう融合させていくかというのは「ビートたけし」が日本のお笑いの風土を変えて以来、ひとつの課題だったのだが、そのひとつの回答例の提示でもある。
面白かったのは、先々週も名場面として放送された「アサ秘ジャーナル」の安倍晋三登場の回の話。
放送された映像では、マイケル・ムーアの「華氏911」を安倍氏が「ムーアはあの映画で大金持ちになった。アメリカンドリームはこの国から消えた、といってる本人が、実はアメリカンドリームじゃん!」と評し、それを発展させた丁々発止があったのだが、一見すると、若い政治家がさばけたジョークでうまく切り返したように見えた場面だったが、博士本人はその安倍の台詞に「逃げ」を感じ、半分戦闘モードに入っての追及となったと語っている。
かつて、昔かたぎのプロレスラーが持つべきであるとされ、ごくまれに「あの試合で、XXは仕掛けた」とファンが伝説としてささやき続ける、例の「ナイフ」(シュートの技術)・・・・・・にも似て。
こういう場面があるからこそ、見るほうも油断できない。