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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「ヴィンランド・サガ」

早いもので、もう25日。アフタヌーンが発売される。
その話題になる前に、初回の感想を書かないと(遅いよ!)
ヴァイキングというと、こっちにはとんと馴染みがないものなので、「ビッケ」や食べ放題のイメージしかないのが大方の日本人なのだろうけど、あっちにしてみると「マジこわい、強い」という印象はかなり強いらしいね。

よく考えたら、当時は飛行機も自動車もないわけで、船が最大、最速、最大積載の機動力。それで言葉も通じない、完全武装の一団がいきなり水平線の向こうから現れ、略奪と殺戮の限りをつくす・・・・というのは、たとえば隣村と50年の長きにわたる水争いをしている、とかいうのとは違う緊張状態やろね。

このへんの感覚を、作者は優れた技術でわれわれに追体験させていくことになるだろう。


初回(註:アフタヌーンでの初回という意味で、少年マガジンで以前、途中まで連載された)も優れたというか、きびしいものだ。

怪我した偵察兵(少年)を助けて、無償で介抱、食事を上げて、警察、兵士の捜索活動からかばってあげたら、漫画なんだから何がしかの報いがあったり、その助けた人が改心して味方になったり、平和のための仲介役となるのがまあ普通じゃん。

今回はリアルにも、その偵察兵(少年)は回復した体力で本来の任務をまっとう。
助けた老婦人と娘から見えれば完全に恩を仇で返される形になった。
(もちろん今月号で、それなりの救いがあるかもしれないんだけど)

「偵察兵はもっとも危険な敵なので、情けをかけてはいけない」という軍事常識を伝える漫画というのもなぁ(苦笑)。

火の鳥 黎明編(ヤマト編だったか?)」を思い出した人もいるんじゃないかな?
その、恩を仇で返した一種の裏切り者が主人公なところもふくめて。


ところでヴィンランドとは、私は無知にも架空の地名かと思っていたが、最近のベストセラー「文明崩壊」を拾い読みするとアメリカ大陸のことらしい。
ヴァイキングアメリカ来航説」も無知なもので、まだ一種の奇想、仮説、伝説にすぎないものだと思っていたら、けっこう確定的事実?らしい。もう少し調べないと。

そのへんの雄大なストーリー展開も期待させるが、何しろ作者の出世作は「プラネテス」であるかあr、同時に人にとって闘いとは?戦争とは?という内面の哲学的思考も柱になるかもしれない。
そのへんがどうなるかは、まったく予想も予断も許さない。


この時代の彼らの船に、羅針盤が無い様に。(いいこと言った!おれ、今いいこと言った!)

ヴィンランド・サガ(1) (講談社コミックス)

ヴィンランド・サガ(1) (講談社コミックス)

そういえば高校時代に気づいたこと。センター試験で思い出した

小さなバイキングビッケ」の主題歌に

イギリス オランダ ブルガリア
氷の海もなんのその グリーンランドへおさんぽさ
そーれ 世界の海へ出航だ・・・・

とあるが、バイキング活躍時に、オランダはまだ無いよ!

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%80%E7%8B%AC%E7%AB%8B%E6%88%A6%E4%BA%89

1581年、プロテスタント側はネーデルラント連邦共和国(オランダ共和国)の樹立を宣言し、1600年頃までに北部7州は実質的に独立・・・1648年、三十年戦争終結させたヴェストファーレン条約ウェストファリア条約)の一部であるミュンスター条約で、スペインはネーデルラント連邦共和国の独立を正式に承認・・・

(1581)以後は一国 オランダ独立。