「何用あってイトカワへ」
「山本夏彦翁、今はちょっとお引取りを」
「うちへ帰るまでが遠足です」という話を敷衍するなら、まだまだ道半ばなのだが、「ここまででも、満点以上の大成功」という意見もまた間違いじゃあるまい。
また、有人飛行成功の某国らと同様、わが日本の技術が人類の進歩に貢献したバンザーイという意識も確かにある(また実際にそれがいい燃料、原動力になるのも事実)が、栄光無き天才たち、のように国意識より、まずは
ツィオコルススキーに乾杯。
R・H・ゴダードに乾杯。
ヘルマン・オーベルトと、宇宙旅行協会に乾杯。
フォン・ブラウンとナチスドイツに乾杯。
もちろん糸川英夫氏にも乾杯。
ジェール・ヴェルヌにも乾杯。
かれらは国境を超えて広がった、祖を同じくする「イカロスの末裔」たちである。