宮崎哲弥は現在、朝日新聞の書評委員を務めている。
と同時に小さいニュースだが、この前ベストセラーとなった高橋哲也「靖国問題」を、だめな本だと低評価していることも知られている。
http://book.asahi.com/review/TKY200510180302.html
その宮崎が褒めたのがこれ
靖国問題の原点 [著]三土修平 [掲載]2005年10月16日[評者]宮崎哲弥
「靖国問題」を主題とする本は数多(あまた)出版されているが、特定イデオロギーに染め抜かれた、「内輪」向けの論考ばかり。読むに値しないものが殆(ほとん)どである。
断言するが、近年上梓(じょうし)された夥(おびただ)しい靖国関連書のなかで、読むに足る内容を備えているのは本書のみである。
読んでみたけど、まあ面白かった。押し付けがましいところがないことにも好感が持てるし、肝の部分「国家施設でなく、宗教法人であることを靖国神社が望んだ」というところの論証には随所に新視点が見られた。
ただ、個人的に一番楽しかったのは、他の著者の引用部分で、探していた話が見つかったこと。
大原康男「象徴天皇考」から佐伯真光の文章を孫引いたもので、何度か書いたが大原はいわゆる「自衛隊よ、夫を返せ」訴訟(護国神社訴訟)・二審判決への反論にこれを引用していた。
1942年12月8日、ファティマの予言の一部実現を記念して、ローマ教皇ピオ12世は全人類を聖母マリアの聖心に奉献した。私も人類の一員だが、まさか自分がマリア様にささげられていたとは知らなかった。だからといって、私は教皇に抗議するつもりはない。またキリスト教では、イエスは全人類の罪をあがなうために十字架にかかって死んだと説いている。私はキリストに身代わりをたのんだ覚えはないが、キリストを訴えようとは思わない。それがキリスト教の教義だということを知っているからであるy。宗教のドグマに他の宗教は介入できない。
ま、メモがわり。
- 作者: 三土修平
- 出版社/メーカー: 日本評論社
- 発売日: 2005/08
- メディア: 単行本
- クリック: 23回
- この商品を含むブログ (36件) を見る
また、宮崎哲弥の朝日新聞書評一覧はこれだ
http://book.asahi.com/review/miyazaki.html