例の薬事法違反による捜索、その後どういう展開を見せるかは予断を許さないが、前のエントリにも書いたとおり今だ捜査陣を若い衆に取り囲ませ、罵声を浴びせることができる組織の動員力は決して侮れるものではない。
さて、これも前に紹介した「わが朝鮮総連の罪と罰」だが、ここで総連中央本部財政局に務めていた著者・韓光煕氏が、興味深い事実を書いている。1986年、先代金日成から「総連は経済的に自立せよ」との指示を出された朝鮮総連は、なんと「直営パチンコ店」の経営を開始した(発案者が韓氏)。
「パチンコをやりましょう」と言ったのは、私だ。・・・「それがいい」手を打ってうなずいたのは、許宗萬だった。「しかし、組織がパチンコをやるとなると同胞のパチンコ業者からの反発が激しいのではないか」・・・
「だから、同胞の業者がいない場所を見つけて大型店をつくればいい」
現在、地方都市では中心となっている、「やや郊外の、駐車場を備えた大型パチンコ店」というビジネスモデルは、実は朝鮮総連、この著者である韓氏のアイデアだったという(笑)。
そしてこの本では、その第一号店が「山形県新庄市のパチンコ・ジャンボセブン」であり、この本が出版された2002年時点で「いまもある」とかかれている。
このジャンボセブンの運営をしているのが、最初は新橋、いまは浜松町にあったインターナショナル企画という会社だという。
その後、この店の運営する店は
山形市
「パーラー国際松山」
「パーラー国際山形東」
天童市
「パーラー国際天童南」
岩手県雫石市
「ジャンボセブン雫石」は中央と地方の共同経営。
このほか、酒田市、鶴岡市、秋田市などに出店したという。
なぜ東北地方かというと、こちらは既に店を出している同胞の業者が少なく出店しやすかったからとのこと。インターナショナル企画はその後、新会社「東馬商事」「西原産業」「IPU商事」などを統括する企業になった。
1994年6月、東京・中野新橋に出来た「パーラーエクセレ」も、許宗萬氏の決定による直営店。
これをふくめ、インターナショナル企画の機能は株式会社エクセレ東京に移った。
群馬の富岡市にあった東馬商事の名称を変更したもの。
・・・・以上のように
- 作者: 韓光煕
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/05
- メディア: 文庫
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上の文庫版は2005年に出たから、このへんに関して最新情報が更新されているかもしれないが。上は初版の時の情報。