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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

9/7朝日新聞社説、しかし80年代に・・・

自民優勢 「あと1年」で選ぶのか

 朝日新聞をはじめ各紙が総選挙での自民党の優勢を伝えた。あくまで序盤戦の情勢とはいえ、小泉自民党単独過半数をうかがう勢いだという。

 首相の任期延長論もささやかれる。来年9月の党総裁の任期切れとともに退陣すると公言する首相だが、ここで圧勝すれば、党則を改めて首相の座にとどまるのが筋ではないかという理屈だ。

 しかし、小泉首相は「断じてない」と延長論をきっぱり否定している。

 首相はこう言いたいのかもしれない。この総選挙は、政治生命をかけた郵政民営化で民意を問うためのものだ。だからこそ反対派を追い出し、対立候補を立てた。「あと1年」と政権の期限を切るのも、とにかくこれだけはやり遂げさせてほしいという熱意の証しだ、と。

 有権者の中には、任期限定宣言を「潔い」と受けとめる人もいるだろう。

 あるいは、こう見る人もいるかもしれない。続投すれば、靖国神社参拝で身動きがとれない日中首脳交流は改善されず、「任期中は上げない」と明言してきた消費税の引き上げにも踏み込まざるを得ない。そんな苦労はたくさんだ、というのが首相の本音ではないか。

 しかし、首相の思惑はともかく、もし自民党が勝利したとして、これではポスト小泉の次期首相がどんな改革に、どう取り組むのか、つまり「1年後」から先の政治の姿が見えない・・・・・・・・・

党総裁としての任期があと1年、半年という首相が解散で勝った場合、どうするのが政党政治のスジかというのは微妙に難しい。というか党というのは本来、単なる徒党であるからね。そこでは本来、どんなルールがまかりとおろうと批判する筋合いは無い。


ところで、これが朝日の社論だとなると、にわかに私の記憶が少年時代に遡る。
1986年だったか、時の総理中曽根康弘が衆参同日選挙に踏み切り、300を超える大勝を成し遂げたときだ。私は本来なら政治に興味を持つ年代ではないが、やや早熟だったことと、少し前に少年ジャンプで、同時中継政治漫画「やぶれかぶれ」を本宮ひろ志が連載していたことで政治が実は漫画好き少年には身近であったから、新聞も読んでいたのであるな。


そして、今から見ると朝日新聞社は、というか世間は、現在以上にまあ「左」でありまして、例えば北朝鮮体体制批判なんてものはメジャー・シーンには影も形も存在しない。大韓航空機事件もラングーン事件もこっちに置いといて、てな感じ。朝日ジャーナルもまだまだ力を持っていたしね。

そんな時代も、あったねと
いつか笑える 日も来るわ


で、そんな朝日新聞であるから、「戦後政治の総決算」を掲げた中曽根康弘は目の仇。もちろんそれ以外にも読売の武闘派ボス・ナベツネとの関係や。検事総長が「あの男が総理になれるなら逆立ちで皇居を一周してやる」と公言したというダーティーな噂、田中曽根内閣と揶揄された田中派との関係などもある(同政権前半で、ロッキードの1審判決が出た)。
朝日ジャーナルでは「中曽根ウォッチング」というコラムまで出来たりして、とにかくこの長期政権の間中、ものすごい対立関係があった。


この同日選挙では、野党と朝日新聞は解散自体に反対で、朝日新聞の「素粒子」では「嘘ついて、屁理屈こねて」「ここまでバカにされたら、国民も黙っていまい」とアじりにアジったのだが、結果は最初に書いたように300議席


中曽根は、それを受けて1年党総裁の任期延長をした・・・のだが、このとき朝日新聞は大反対してたぞ(笑)。「選挙民の中には、中曽根が任期でやめることを前提に投票した人もいたはずだ」「後継候補の安倍(シンゾーの父親)、竹下、宮沢に期待した人もいるだろう」「任期の延長は独裁への道」うんぬん。


今回の任期問題をみて、どんどん記憶が鮮明になっていくよ(笑)。
お疑いの向きは、1986年当時の朝日新聞縮刷版で「社説」「素粒子」「天声人語」を読み直してみるとよかろう(空手バカ一代風)。