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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

小林よしのり「ゴーマニズム宣言靖國論」

時期的に間に合わないだろ、と思っていたがそこは元ジャンプ作家、8月に間に合わせた。
かきおろしは3つだという。

新ゴーマニズム宣言SPECIAL靖國論

新ゴーマニズム宣言SPECIAL靖國論

「鎮霊舎」の存在や、皇族・政治家も出席する8/15戦没者追悼式の対象はA級戦犯も含むこと、講和条約に関する「judgements」の受諾、敵味方の平等鎮魂論、明治以降にできたという近代性、他宗教との関係など、多くの論点は一通り提示されていて、かなり分かりやすい整理の仕方になっている。

ただし、小林氏自身が今、「外交カードとして靖国参拝中止も有りうる」という主張になっているから、今現在のかきおろし部分とかつての議論には、やや齟齬が見られる。
しかし、もともとこの作品はそうやって自身の思想が変わっていくところをそのまま見せるダイナミズムこそが魅力だったのだから、それでいいのかもしれない。

ところでP40、41に出てくる「イデオロギーにとらわれない立場から靖国を語ると称しヘンなことを言い出すもの」と小林氏が批判しているのは、輪郭を見て気付く人もいるだろうかど、何度か紹介した、プロレスファンでもある坪内祐三氏ですね。

靖国 (新潮文庫)

靖国 (新潮文庫)