金原弘光ブログより
http://corvette.livedoor.biz/
2005年07月19日
発表
8月20日にロシアでリングスロシアの試合にでることになりました。相手はまだ知らないけど頑張ります。久しぶりのロシアだし、旧リングスルールだからちょっと楽しみ!
相手もそれなりの相手になって、なんとか復活の兆しをつかんでほしいものだ。
ロシアといえば、堀江ガンツ氏はまた取材に行くのかね?たぶん行くだろうな。
ターザン山本日記
火曜日は山口日昇編集長、堀江ガンツ氏との座談会。・・・堀江氏は先月、メキシコとロシアに行ったがまた7月も海外取材に行くそうだ。なんでも今〝PRIDE読本〟も製作中と言っていた。
http://www.ibjcafe.com/talk/tarzan/b/2005/20050701111613.htm
彼の近年の、紙面での八面六臂ぶりはまったく大したものだ。同時に、それだけだと濃すぎっつーか、紙面が極端になりかねないところを、松澤チョロ氏らが落ち着いた、安定感ある記事を載せてくれる(先月は執筆が少なかったようだけど)ので、いいリズムで読めます。
うん、いいコンビですね。山口日昇氏、いなくても大丈夫(笑)。
おっ、その「PRIDE読本」については
http://www.asakusakid.com/diary/new.html
『PRIDEオフィシャルブック』取材。
フジテレビ・佐藤大輔氏との対談。
紙プロ・堀江ガンツが進行。格闘マスコミのなかでも、
次世代を担う、若き切れ者二人が初対面とのこと。
へぇ〜って気がする。
彼は今でこそPRIDEのために働くものの、ど真ん中メジャーはきらいで忠誠は前王朝のリングスにある、加藤清正やメルカッツみたいなもんだしな(笑)
さて、今月号が出てしまう前に前回88号のことに関連して書かなきゃいかんのだが、ガンツ氏はその号でメキシコ取材、ロシア取材のふたつの海外取材をこなしている(なんだそりゃ)。メキシコ取材に関しては前、ちょっと触れた。
ロシア遠征に関してだが、座談会もあってこれが実に興味深い。
堀江氏が、例のニコライ・ズーエフが造ったリングスセンターに
僕はまさに日本人として初めて「リングス・エカテリンブルグ・スポーツセンター」に足を踏み入れましたからね。「これだけは譲れない」ってカメラマンより先に入っちゃいましたよ
とか言ってる。子供っぽい独占欲ではあるのだが、逆にロシアの人々にとってはこれだけ好きだということが伝われば、高価なお土産など以上に信頼と好感を持って彼らを遇するだろう。それが「紙プロ」のロシア人脈の源泉だと思う。
さて、本題というかプロローグというか、今、洛陽の紙価を高らしめているベストセラーに
- 作者: 佐藤優
- 出版社/メーカー: 新潮社
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という本がある。
佐藤優という名前は聞き覚えがあると思うが、例の鈴木宗男と組んで外務省対ロシア外交の中で地位以上の、独自の存在感を発揮。副題にもあるように「ラスプーチン」と呼ばれた男である。
実は、佐藤氏の本を読み、堀江ガンツ一行の取材こぼれ話を読むと、驚くほど共通というか、お互いがお互いの補助線を引くことになって双方の理解が極めて深くなるのだ。
問題は、こんな読み方する人間が俺以外にいない、という点にあるのだが(笑)。
いやいや、そうとはいえないかもしれない。「国家の罠」166Pにはかくある。
この問題(註:北方領土への電力支援)に真剣に取り組んだのが篠田研次ロシア課長だった。篠田課長は長身で、いつも髪をきちょうめんに七・三に分け、銀縁眼鏡をかけている。口数が少なく、他人の悪口をいわず、冗談もあまり言わない。実は人情家であるがそれを表面に出さない。きっとシャイなのだろう。趣味はプロレス観戦で、実は闘争は決して嫌いではない。その意味では慎重さと大胆さを併せ持った外務官僚だ。
この人は、PRIDEを見てるかもしれないし、まかり間違えば紙プロだって読んでいるかもしれない(笑)。
「互いが補助線になる」というのは、例えばこんなくだりだ。
【国家の罠】
ロシアの酒飲みは酒を飲まない人間を信用しないという傾向があるので、ロシアで人脈を作る場合。酒をまったく受け付けない外交官は不利だ・・・・ロシア式宴会では40度のウォトカを一気飲みでショットグラスに20杯も30杯も飲む・・・・翌日、篠田課長は病院に運ばれた。イシャエフ氏は申し訳なさそうな顔をしたが、それから篠田氏に強い親近感を持つ・・・ロシア人は酒の席でもいつも人相見をする
【紙のプロレス】
橋本宗洋氏 客人のもてなしとしてはやっぱりウォッカになるわけですよ。特にエカテリンブルグが凄かったですね。1日目は松林さんが潰れて、2日目はガンツ君もやられて(笑)。2夜連続で日本人がズーエフに肩を担がれてホテルに帰ったっていう(笑)
松林貴氏 ズーエフに「エカテリンブルグで酔いつぶれた日本人はあなたが2人目だ」って言われたんだけど、ということは1人目は・・・
堀江 そりゃ、あの人しかいないでしょうね(笑)
橋本氏 名誉なことですよ(笑)
彼ら取材陣も「1人目」の某CEOも、意識的にか無意識にか、ロシア研究と諜報活動に半生をささげた専門家が会得したと同じコツを、がっちりつかんでいたようである(笑)。
で、実際のところ、日本とは違ってロシアではスポーツ・エリートはそのまま経済、政治の世界の奥の院とのつながりがある。
ズーエフの名刺が「これさえあればエカテリンブルグではノープロブレム」の価値があったり(水戸黄門の印籠やドラえもんの「悪魔のパスポート」じゃないんだから)、パコージンがサンボ連盟副会長のIDカードでスピード違反をチャラにしたり、マアやりたい放題。
橋本 モスクワではパコージン、エカテリンブルグではズーエフ、サンクトペテルブルグではレッドデビルのワジム会長と。これ、日本で言えば全柔連の会長と大手建設会社の社長と孫正義に連続で接待されたようなもんですよ!!
(略)
ワジムさん(註:ヒョードル所属の「レッドデビル」総帥)のお金持ちっぷりは凄かったですよね。格闘技で儲けようって気はないんじゃないですか。そういう意味ではアブダビ王子に近いノリかもしれない。
うん、ロシアはちょっと乱暴な形で資本主義に染まったため、金持ち=国家財産をぶんどった連中=政商という図式があったけど、またIT革命の波や政権交代の余波なども入り、新興財閥が新たなスーパーパワーになっているという混沌の中にある。格闘技という新スポーツ、新エンターテインメントが新旧おりまぜた権力に近いのは当然なのだ。
というわけで、次号89号はこのワジム氏のロングインタビューが同誌には載るそうだ。
マジメな話、外務省ロシア課に88号と89号を贈呈しなさい(笑)。国益的に、この人脈を何かに生かしてもらいたいものだ。DSEがビザをあれこれする時も役に立つかもしれない(笑)。
これは、この後、本格的に「国家の罠」を紹介するための壮大な前ふりです。
続きは後日。