まだサイトには掲載されない(おそらく来週だろう)が、6/22の産経新聞「正論」に松本健一が「ミリオンダラー・ベイビー」の評を書いている。
イーストウッドはこの映画で、アメリカのナショナル・アイデンティティーは「外に敵を作る」ことではなく、いわば「内に誇りを再確認することだ」、と語っている。
・・・老ボクシングトレーナーのフランキーはいつもアイルランド詩人イェイツの詩集を・・・ゲール語を学んでいる・・・ガウンの色は、アイルランドのナショナルカラーとしての「アイリッシュ・グリーン」・・・
映画の中の民族性は、なにしろ映像であるから「みりゃ分かるじゃん」とアメリカではなっても日本だと分からないこと多いやね。この民族性に着目したのが、何度も書いたような気がするがかつて宝島社(当時JICC)が出した「異人たちのハリウッド」であった。その後、洋泉社が新装再版している。
異人たちのハリウッド―「民族」をキーワードに読み解くアメリカ映画史
- 作者: 泉山真奈美
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 1995/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (13件) を見る
こうステロタイプ化するのも厳密さを欠くのだろうが、アイルランドの伝統の中に尚武というかマッチョ、勇気を重んじるというものがあり、それを受けて米国のアイルランド系は消防士、警察官が多いという話を聞いたことがある。だからタグパイプで「ダニー・ボーイ」が葬儀で演奏されるとか。
ショーン・コネリーが演技派に転向して、けっこうそういう話が多かったような気がするな。「アンタッチャブル」の警官もアイリッシュだし(イタリア系の新米警官とお互いの民族性を言い合ってたね)、「ファミリー・ビジネス」という喜劇では、逆に泥棒一家の役で、それを通して逆にアイリッシュと警察の関係が浮かび上がる。
http://nohohonkoubou.ameblo.jp/entry-4bcf32c793f21779ea477ba34502c5e3.html
1 おおダニーボーイ
いとしきわが子よ
いずこに今日は眠る
いくさに疲れた体を
やすめるすべはあるか
おまえに心を痛めて
眠れぬ夜を過ごす
老いたるこの母の胸に
おおダニーボーイ
おおダニーボーイ帰れ・・・・
でも、コネリー自身はスコットランド人で、イギリスのスコットランド独立派を支援していたよな
http://jamesbond.exblog.jp/m2004-10-01/
http://www.sankei.co.jp/mov/db/2000d/0707backup_a.html
http://www.koiwascotland.plus.com/scot/japanese/fu05060.html