パンクラス入門をめぐる悲喜劇
美濃輪がパンクラスのプロテストに落選していることは有名だが
「もうこれ10年も前の話だから言っちゃっていいと思うんだけど、廣戸さん(パンクラスレフェリー)と鈴木みのるの両方に聞いたの。『あのレベルでどうして落ちるの?』って。そしたら『実はいま弟子が多すぎて、入る部屋がないんです』って(笑)」
実はこの話を「格闘Xパンクラス」だか「ハイブリッドアワー」の美濃輪特集で既に聞いている。美濃輪にとってみても、最初の不合格はそういう理由だったというのは一種の伝説だし、実際にみなアハハハハと笑い話になっていた。
しかし・・・・
「美濃輪とウチの井場(註:井場正和。誠ジムにいたもう一人のプロ志望者で、美濃輪以上の才能があったという)は100%受かると思ってたんだけど、さっき言った理由で落とされて。
プロテスト見たの、そのときで2回目なんだよ。で、前回見た時よりも、この二人はレベル高いのにって思って。井場の方は、その話を聞いたときにパンクラスというものに魅力を感じなくなったんだ。テストやったのに、そういう理由で落とされたっていうことに凄く不快感を感じたみたいで。自分のレベルが低くて落とされたんじゃなくて、住む寮がないからっていう理由だったからね。」
なるほど、バカの美濃輪(断言するな)のエピソードはなんでも笑い話と紙一重だったので思い至らなかったが当然、常識人の方々にとっては笑い話ではない。
この井場選手が入団していたら、どうなったであろうか。
8割がデビューに至らず夜逃げするというプロレス団体のことでもあるし、それは判らない。だが、パンクラスで育てば初期入団者である近藤有己同様に、パンクラスの屋台骨を支えていたかもしれない。
世の中、やはり飾ったり小細工したりしても、上手く行かないものだ。
美濃輪の横浜道場移籍
「・・・船木って、こんなこと言っちゃ失礼だけど、選手を作れないと思うんだ」
−−どうなんでしょうね。近藤選手とか渋谷選手とかは船木さんが育てたイメージが強いですけど。
「結果的に個性を引き出せないっていうのかな。自分のコピーを作ることは出来るけど・・・(略)・・・美濃輪は横浜道場に行ってやっぱり変わったのさ。これはやっぱり、俺の作戦当たったなと。」
鈴木みのるのMISSION設立はある意味「成績低迷につき、監督解任」だったと思っているし、例の出稽古制限令(道場内練習優先令)という悪法を施行した鈴木みのるが優秀な指導者なのかは個人的には疑問なのだが、なにしろ「俺はプロレスラー!」である美濃輪だから、その点の相性もあったのかな。
そういえば、鈴木みのるは移籍間もない美濃輪に「キック禁止令」(禁止令好きだね・・・)を授け、美濃輪はその中でグラップリング力を身につけたとか。
喘息ファイター、頑張れ
「それとね、ヤツは喘息なのよ、先天性の。(略)体調の変化で言うと、「DEEP」での田村戦がいい例だったんですよ。」
−−田村戦のときは体調が良くなかったんですか?
「最悪の状態でさ。まあ、アイツもいいわけとかはしたくないヤツだし、これ以上は言わないけども(略)それと、もうひとつ体調悪かったのが去年の「武士道」での上山龍紀戦ね。」
田村・上山戦の理由がそうであるかは解らないけれども、他には高山善廣やヒース・ヒーリングがいるね、喘息のファイター。
【補足】下コメント欄より。
アナル王子 『http://www.alfoo.org/diary/wface/index.php?page=25
(4月20日付けの日記)
滑川と坂田も喘息みたいです。おまけに滑川は痛風でイボ痔もあるとか(笑』試合一週間前に10年ぶりに喘息になってしまい一日中苦しむ日々が続きました。どうせまた試合終わったらキレイに治るんだろうなと思ったら本当にそうなりましたが・・・・・・
今回試合前にステージ裏で坂田さんと話す機会があってお互い持っている喘息の話をした。いつだかもお互いの持病の通風の話も試合前にしたことがあった・・・
日本だけで400万人の患者がいるという。人口比率と比べると、統計的にはありうる数なのだろうか。プロ野球やサッカー選手の中ではどうかな。
http://www.stlab.jp/zfaq/
医療は道具も含め発展しているけど、なお死亡者も多い。
うまくハンドリングして、健常者と変わらない結果を出していかれることを。