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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

カエサルと神と「賢者」

ずっと書きそびれていたけど、今回の「PRIDE武士道」を煽り映像の出来でいうと、驚愕の多摩川特訓映像と、また名言「ヤキトリ!」をオチに使ったギルバート・アイブルvs美濃輪育久、そしてメインのヒョードルvs高阪剛が素晴らしかった。


ヒョードルは、ヴァンダレイ・シウバと同様の地位を与えられ、今まで倒した敵を次々と映像クリップ化し流された。
シウバは「喰」、ヒョードルは「葬」。陰のキャラクターを強調するのは、皇帝のイメージやこれまでの闘いぶりから考えるとしごく妥当でありましょう。


そして、対する高阪剛は・・・俺は個人的に前から、高阪がPRIDEに上がるときの煽り映像を考えていた(笑)。
で、プロデューサーや構成作家と同じく、彼の膨大な理論と、そうそうたる人脈にスポットを当てようという部分は同じ。で、「智将」というニックネームが一番ぴったりくると思ってたんだが、それは金原弘光が使ってる(笑)
そしたら、もっと格上げ(なのか?)して、「格闘界の賢者」とあいなった。

このキャッチフレーズ、「なんか適当だ」など一部では評判が悪いが、これはある意味ヒョードルと対峙させるためのものとしてはなかなかいい面を衝いていると思う。


ここで話はいまスカパーでやっているTV番組「一休さん」に続く。
どうだこの構成の妙は(笑)。
朝6時からやっているので、やじうまプラスなどがつまらなかったり
朝早くて時間が空いたりすると時々見ているのだ。


実は、「一休さん」という番組は、世界的な人気を得ているのである。
司馬遼太郎氏がたしか「街道をゆく」で中国を旅したときのどこかで、この人気のことを書いていたはずだし、今どこで目にしたのかどうしても思い出せないのだがイラクだったかイランだったか、とにかくイスラム圏でも放送され人気だった、という記録を読んだこともある

(今検索してみたら、イランのほうらしい。「一休さん イラン」の検索結果は
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&c2coff=1&q=%E4%B8%80%E4%BC%91%E3%81%95%E3%82%93%E3%80%80%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%B3&lr=


なぜ異教(邪教?)のボーズが人気者になったかというと、実はイスラム圏にも、聖職者(イスラム法学者)がとんちを発揮し、権力者(スルタン?)をやりこめるという話が広く伝わっているからなんだそうだ。

名は、ナスレッティン・ホジャ(色々な表記がある)というらしい。
実は、彼のとんち話を読んだ記憶もあるのだが、あまり印象に残った話は無い。
やっぱり文化が違うのか、それとも読んだのがだいぶ昔だったのか。


さらにいうと、発展系として豊臣秀吉をやり込める御伽集・曽呂利というエピソードもある。


で、何がいいたいかというと、要は将軍やスルタンといった「絶対的権力者」に対して対抗できるのは同様の権威や武力や金力ではなく、いっそ身一つ、頭ひとつの「賢者」である・・・という図式というものが、広くあるのだと思うのです。
こういう神話、昔話的ドラマツルギーは、実はRPGやファンタジーによって若者や子供の間にも結構増幅されているはず。(ここでライトノベルなどにも話を広げられればいいのだが・・・)


今回、村上卓史&佐藤大輔コンビが煽り映像で「最強皇帝」vs「格闘界の賢者」なる図式をつくったのは、こんな背景があったのじゃないかと思う次第。(当たってようが違ってようが、どうってことないのだが・・・)