・・・ただ、国が領土のことを唐突に言い出す時は、何らかの背景があることは歴史が教えている教訓だ。
それに関連するのかどうかは確言できないが、思い出すことがある。今年の2月19日の日米安全保障協議委員会(SCC)の共同発表文書のことだ。前日にワシントンポスト紙が文書のドラフト全文を入手して、日米両国が台湾防衛を共通の戦略目標に初めて据えた、と報じた。特ダネである。ところが不思議なことに、日本のメディアのほとんどがこの特ダネを無視した。ポスト紙が報じたように発表された文書には次の文言が明記されている。
・台湾海峡を巡る問題の対話を通じた平和的解決を促す。
・中国が軍事分野における透明性を高めるよう促す。
日米と中国をめぐるこの大きな潮目の変化を米メディアは大きく報じ、その後も今に至るまで米のアジア・ウォッチャーらは、この日米共同宣言の台湾への言及を大きく位置づけている。中国の全人代での反国家分裂法はこれを受けての動きとみるのが常識的な見方だろう。ポスト紙の記事を無視した日本の記者クラブ詰めの記者には何らかのバイアスがかかっていたのだろうか。その辺はよくわからない。ただアメリカのアジア・ウォッチャーの見方は実にすっきりとしている。共和党系のシンクタンクAEIのDan Blumenthalの見方などは非常にすっきりしていて、中国を仮想敵に据えた日米同盟の再強化論を記している。ということは、竹島の次は尖閣か?
最初、つながりの論点がわからんかったのだが、「国が領土のことを唐突に言い出す」という、この「国」とは日本のことを言っているらしい。
中国の反国家分裂法は、日米同盟強化を「受けてのもの」なんだって。
同盟強化をしなければ、反分裂法なんて彼らも作らなかったかもしれないね。うん、ブッシュと小泉純一郎が悪い(棒読み)。
「金平氏には何らかのバイアスがかかっていたのだろうか。その辺はよくわからない・・・いや、実はよく分かる」