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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

熱戦、奇戦続々・・・DEEP報告

今回は、総じていい試合が多く、やや長めの興行ではありましたが随分楽しめました。
めずらしく、後にまともな観戦記を書きたい気があるのでありますが、まずは皆さんも期待したであろうカードから



前田吉朗vs今成正和…天才の行く手を阻んだ、仙人の幻術

前田が、ややフリッカー風に拳を揺らして出方を伺い、距離をとって待つ。今成も待つ。
そして、なにかを見計らったところで・・・今成が、後ろ回りのような形で足に飛びつく!!(これを昔は、私は「ウメキ」と呼んでいた。ZSTの梅木がよく使っていたから)
これはそれほど成功率が高いわけではないのだが、何しろ動きが派手だし、今成はそこから体勢を元に戻すのが驚くほど速い。そうでないと成功しない技だが、ここまでよく独自の進化を遂げたものだ。

とにかく、前田に「警戒感」を与えていくのがうまい。
そして前半、今成はうまく相手を引き込んで腕を狙うのに成功。バスターをものともせず、無双の怪力で極めようとする。
しかし、ソッカやバイシャオンの仕掛けからも逃げた前田吉朗、宇野逃げならぬ「前田逃げ」を披露。それほど絶体絶命!という状態になる前にかわす。

しかし、ここで観衆は気づく。
お見合い状態になった両者は、距離のあるところで手を回したり足を上げたりの挑発合戦を展開したが、その「見合い」状態こそは、今成のリズムであり、空気であることを。
前田は、連打連打で攻めていけば、絶対に突破口が開けたはずなのだが、その今成のリズムにのまれたか、最近の試合がそうであったせいか、「大きな一発」を狙ってワンパンチの攻撃を仕掛けようとする。その「間」の部分だけ、今成に余裕を持たせ、時間だけをむやみに消費した。


2R以降、前田もセコンド稲垣もそれに気づいたようで、稲垣からは「パンチの伸び!」という指令が飛ぶ。やや長いリーチを活用した前田が、コーナーにも追い込んでやや優位に立つが・・・
たとえば、技のかけ逃げにも見えなくもない、今成の引き込み、猪木アリ状態だが、このとき間髪を入れずに桜庭式の、「相手の足にローキック」をやればいいのにあまりやろうとしない。むしろミルコ・クロコップのように立つように促すのだ。
これで立ち上がり、レフェリーが「ファイト!!」というまでの時間はかなり浪費であり、前田にとっては連打のチャンスを自ら失わせるものだった。



3Rではかなり前田の打撃は当たり始め、今成は一回、ダウン気味に倒れました。(すぐ回復)。
コーナー付近にじりじり相手を詰めるという方針も功を奏し、これだけで足関の仕掛けはかなり封じられました。

こういう展開だったから、普通にみるとなんとか前田の勝ちか、
もしくはドローのジャッジだろうと思っていました。
しかし0−1で結果はその通りドローであっても、今成のほうに
ジャッジが入ったのだから、ああ難しい.



あくまでもリング外からみた素人の見解だが、
今成のトリッキーなムーブは、かなりハッタリというか、けっこう前田が蛮勇を奮って、何度も書くように連打、継ぎ目のない攻撃をしていけばかなりの確率で敗れたものであったかと思う。
しかし、今成正和は、相手の前田をグラップリングタッグで極めたという成果の利用も含め、等身大以上に自分の仕掛け、能力を大きく見せて見事に相手を封じた。

これも立派な戦略であり、一種寡兵をもって大軍に見せかけた、多くの歴史上の策士の詭計に通じるものがある。この引き分けは、今成に、より価値が大きいのではないだろうか。
ルールや解釈によっては、今成は「かけ逃げ」「イエローカードもの」と見なされるかもしれない(実際に会場の客にも、そう言ってる人はいた)が、こういう独自の、個性的なやり方がルールで以って制限されるのはあまり好ましくないなあ。
これはこれで、自力で破らないと


TAISHO三島☆ド根性ノ助

契約体重に合わせて、三島選手も減量したのだろうが、それだからこそ会場の観客としては「体格差があるなあ」と思わせるものだった。
後は三島が投げても「体格差だなあ」パスしても「体格差だなあ」殴っても「体格差だなあ」・・・・そう思ってしまうのでした。
TAISHOオモプラッタや十字をしたから仕掛けたり、最後まで心を折らずに判定に持ち込んだりしたのは特筆でしたが、やはりその前の試合の、今成選手(あ、彼とは今や同門か)や前田選手だったら、それだけすばらしい勝負が見られただろう、と思うのですよ。


メイン

「すごいね、最後の決め技、必殺”ノグチ”!!」
・・・・と言ってた人がいましたね。実に失礼な。
「師匠の島田さんは、もう少しバレないようにやっているのに」
・・・・と言ってた人もいましたね、無礼な。
「いつからZSTルールになったんだろう?ドントムーブ規定もなくなったのかな?」
と言う人もいましたね、なんと不調法な。
(あとで「証言をすり合わせ」ましょう。)


ま、しかし、レフェリングはレフェリングの問題として、長南亮選手の最後の勝ち方はやはり凄いものでした。仮に何回チャンスが回ってこようと、あのヒザ蹴りを決めることができますか、と言えばそれはできない人のほうが多いでしょう。その点は賞賛に十分値する。

ただし、相手のタックルを防げないなあ、と感じたのも事実。
相手はそんなに、名人級のレッグダイブじゃなかったよね?

補遺:ところが本人の談話では、今までの相手の
中でも一番、タックルの技術が優れていたそうです


http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/live/200502/12/a10.html
「テークダウンが凄いですね。極めはそうでもないけど、パウンドもうまいですし、手が長いので、伸びてくる感じでした。あんなタックルはいままでもらったことがなかったので、対応できませんでした。」

ちょっと思い出してみても、長南って相手のタックルを切るよりは、最初下だったりマウントを取られていたはずのものが、スイーブやリバーサル、というより根性でひっくり返してそこから猛然と反撃・・・というイメージがある。
(今回も一回、マウント返しを成功させた)「タックルを防ぐ、切る技術」。
このへんが、はっきりと弱点なのでは。


他の話


パンクラスの三浦、太子郎らの活躍や国分寺vs茨城県とか高田道場の?とかいろいろあるけど、
最初の前田vs今成などの執筆の分量が多すぎ、後日改めて。

つうか眠いよ