INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「ヒョーショージョー!」はもう聞こえない

産経新聞2/10「産経抄」より。

http://www.sankei.co.jp/news/050210/morning/column.htm
「ミスター千秋楽」と呼ばれたデービッド・ジョーンズさんが先週、亡くなった。晩年、療養生活を送った米国であす、葬儀が営まれる。
▼「ヒョー、ショー、ジョー」。大相撲ファンならずとも楽しみにした土俵上の風物詩だった。名調子は地方場所になると、さらに館内を沸かせた。「アンタハ、ソヤサカイ、ユーショーシハリマシタ」「アンタクサ、ヨカセイセキデ、ユーショーバオサメンシャッタ」。
▼「心は日本人」と言明するほど、この国を、相撲を愛した。パンアメリカン航空本社からの副社長ポストの辞令も、「ニホンを去りたくない。スモウが見られなくなる」と固辞、方言にこだわったのも「日本の大切な文化だから」と明快だった。
▼頑固なまでの信念は、平成三年夏場所の“引退”まで一貫していた。「四十二キロのトロフィーが場所ごとに重くなった。関取も私も引きどきが大切」。“待った”の声を遮り、三十年間、百六十回余りを重ねた土俵上の儀式に終止符を打った。
だれぞやに聞かせたい見事な引き際であった。
▼「日本の伝統を背負っているという誇りを感じる力士が好き」と語っていた。そのうちの一人が、元横綱北の富士。氏の今年初場所十四日目のラジオ解説は痛快だった。横綱朝青龍の独走で前日に優勝が決まり、「もう解説することはない」とアナウンサーを困らせた。
十三日目に優勝を許す日本人力士のふがいなさへの憤りがあった。
▼「ジョーンズさんが初場所を見ていたら、盛り上がらない千秋楽を残念がったんじゃないかな」と北の富士さん。「日本人力士の姿は日本の若者の姿を象徴する」と語っていたジョーンズさんの洞察力の鋭さに今、ヒョーショージョーを贈らざるをえないだろう。

名物おじさんでありつづけました。今度は彼のような存在の日本人が、
世界各国にいるといいですね。
合掌。