−−美しい風景を見たいと思うなら、その瞼を閉じよ。
下コメント欄から。
特命 『このBlogの検証で榊原社長の騙し方に感心しました。だけど、「紙プロ」は堕落したからDSEのプロパガンダ雑誌になったのではなく、山口編集長が一時の梶原一騎のように格闘技界にストーリーを作り出す快感に目覚めたように見えます。』
# gryphon 『それ非常に重要な視点。
谷川貞治氏はまさにその「梶原一騎志向」で、SRS・DXをああいう形でハンドリングしてたんですね。ただし、「時代」が変わってしまった。
大月隆寛が「われわれはいつも心に一人のナンシー関がいる」と表現したように、われわれ大衆は、いざカジワラ的なものが目の前にあるとツっこんでしまうようになったんですよ。そしてそれは、かつての紙プロがやっていたことである。
前田がよく「UWFってのは、かつて猪木さんが俺らの前で言ってたことを実際にやっただけだよ」というのに似ているというか。今現在、四角いジャングルが連載されてたら・・・やっぱり無理あるでしょうねえ』
別のところから。
# mnsn 『吉田豪が朝日新聞で『アグネス仮面』を誉めていましたね。現実のプロレスよりも面白いと。一方、ミスター高橋原案の作品はやはり不人気のための打ち切りだったんでしょうか。プロレスにとって、両者の描きかたとその反響の違いは、けっこう重要なのではないかと思います。』
この二つをなぜ並立させるかというと、どのように”虚構”をこの情報あふれる世界の中で作り上げていくかということにつながっていくからだ。
K-1も、PRIDEも、ついでに骨法も(笑)、それに挑戦し、苦戦している。
思い起こせば、昭和はもっと単純であった。
今回の「アグネス仮面」が、パロディの中で新日本プロレスと極真空手の”戦争”を描いているのは、その古きよき、そしてインチキな時代の象徴でもありました。
今回、空手側のキャラが秀逸。
マジに強いながらも素直に館長を崇拝するマイケル(ウイリーがモデル)に、(大山倍達がモデルの)館長が「君にわたしの宇宙を見せてあげよう」といいながら、わけのわからない精神論というか神秘主義でケムに巻いてごまかしてしまうというのは、或る意味リアルな部分があります。
(しかも、「ひょっとしたらホントに強いのかもしれない」という部分は残してある)。
そして、素直に館長にそそのかされて大日の道場に殴りこむマイケル。
狙うは、マーベラス虎嶋(モデル:アントニオ猪木)の首ひとつ。
そのお相手が、もはや道場破りが日々の倦怠感漂うルーティン・ワークになってしまったアグネス仮面。
今後、何がどのようになるのか、ちょっと判りません。
上でmnsnさんが指摘している通り、ミスター高橋原案の「太陽のドロップキックと月のスープレックス」は奮闘むなしく途中打ち切りとなった。一度、不調の理由を連載中に考察したことがあるhttp://d.hatena.ne.jp/gryphon/20040723#p3が,要はちょっとあの世界観(プロレスは勝ち負けが決まっている、その中でどう表現するかの勝負)の説明が一般人には難しいと。
アグネス仮面は、結局、この世界観を「笑い」でコーティングしたのだ。
紙プロを、正反対に位置する「フルコンタクトKARATE」の山田隆司編集長が評して
「プロレスを守るために『笑い』を導入した。これは今までに無かった視点」と褒めたことがある。
つまり、プロレスのお約束や、いい加減なアングル、無茶苦茶なギミックなどは今、マジに提出したら失笑を買うから、それを”ギャグ”として見てくれ、としたのだ。
「アグネス仮面」もそもそも
「埼玉県は福島県よりもブラジルに近い!」とかの無茶苦茶な理由でブラジルからの刺客・アグネス仮面を登場させ、なんで女性の名なんだ?と本人も相手も思ってたら、「すまん”アマゾン”仮面と間違えた」というオチだったし、
第二部もいきなり「君には生き別れの弟がいたんだ!」とマチルダ仮面が登場。
滅茶苦茶な試合ぶりで相手の兄弟タッグから文句を言われたアグネスが「俺たちは本当の兄弟じゃないんだ!」と言ったら「それがどうした!!俺たちだって全くの他人同士だ!!」と(笑)。
これが受けるのは、ある意味やっぱり時代の後押しがあるのだと思う。
そこで、四角いジャングルを
【続く】↑これ、相当に時間かかりそうなので順次拡大していきます
(続く)・・・のだが、久しぶりに着地点が
どこになるか判らんな