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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

郷野聡寛−反逆は英雄の特権・後編

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20040925#p2

の続きです。続きを書くというのに書いてなかった。
前回では、郷野の選手評価は実に冷静でさめているという話をした。

最新のゴン格で、近藤有己のことを

「負けた直後は『俺の油断に乗じておいしい勝ち方していい目を見やがって!』と思ってたけど、その後の彼の戦いを見続けて考えが変わった。今では、近藤がいるからパンクラスに誇りを持てる、とまで思っている」(大意)

と少年ジャンプの登場人物のようなセリフを。
今年3月の近藤有己vsスティーブ・ヒース戦では郷野が解説に入っていたが

近藤はやっぱりチャンピオンで、
俺はやっぱり(ランキング)3位だな、と。

そう感じましたね

と、ごく淡々と述べていたのを思い出す人もいるだろう。

で、今回のゴン格で、近藤を尊敬するようになったきっかけとして、質問者は近藤がジョシュ・バーネット戦のような危険かつ無謀な試合をためらわず受けたことを取り上げていた。
あの試合の直前、ニルソン・デ・カストロに関するインタビューにも関わらず郷野は近藤のその決断を褒めちぎっていたこともある。


さあ核心に入ってきた。
つまりだ、郷野は某有名インターネット論客のように「おいしい相手でなく、地味に実力のある選手と喜んで闘うかどうか」ということを、格闘技選手の評価基準にしているのはマチガイナイ!!
長井なんたらのように「間違いない!!」と断言できる。!!

傍証は山ほどあるぞい。

そのカストロ戦をリング上の挨拶で発表したとき
「8月は知名度だけのあるプロレスラーとやれればおいしいなと思ったけど、そうも言ってられないんで(笑)カストロとやります」という言い方をしていた。


ちなみに同大会では鈴木みのるが、新日本の飯塚とキャッチレスリングで対戦(笑)。
さらにその少し前、菊田早苗はその新日本プロレスとの交流の中で「タイガーマスクとやりたい」と発言(爆笑)。ご丁寧に「中西学選手?いや彼とは体重が違うから・・・」まあ正論ではあるが(・_・;)。


というか、かつて司馬遼太郎はこう言ったことがある

楠木正成宋学儒教の一派)を学んだという証拠や記録が無い、
という研究者もいる。しかしこれは本末転倒の議論であって、
いわば彼の生き方自体が証拠なのである。(大意)

郷野がいかに闘う手順、スジを重んじているかは「社長、テレル戦を組んでよ。勝者が近藤に挑戦すればいい」という前回の一言で十二分に証明されている。

今回のゴン格でも・・・

「俺もバカだね、黙ってればそのまま直接、近藤戦が決まったかもしれないのに。
でもそうすれば、胸を張って挑戦できるからさ」

「大みそかの出場をアピールしないのかって?
一年で一番注目されるイベントなんだから、今年はわけの分からないやつ(註:栗原強のこと。ヒドい・・・)に復帰戦で勝って、次にテレルの代役に勝っただけの俺には資格は無い」
(大意)


ねえ、某っち大推奨の精神性の高さ。
この選手が、今年キース・ロッケル、アイスマンと闘い、あまつさえホイス・グレイシーとの対戦を希望するボスをどういう目で眺めているか・・・・もはや言わぬが花、である。
一ファン?ですら、こう思っているんだから。↓
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20041108の「アイスマン鮮烈デビュー!」参照)

http://blog.livedoor.jp/gono/


・・・仲間達といつも一緒に練習をし、メシを食い、バカ話をしたりしていると、彼等のことは全て知っているような気になるもんだけど、菊田さんの日記を読んで、俺って全然分かってないじゃん、とちょっとショックを受けました。

その菊田さんの日記を読んだ後に、菊田さんと会談(笑)を持ったんだけど、ちょっと意志の疎通ができていなかったことを改めて確認。特に今回は、菊田さんのセコンドにつかなかったこともその大きな要因だったんだけどね。



菊田さんほど近い距離にいる仲間とでさえ、こんなことがあるんだという今回の経験・・・

この「行き違い」についてはブログなんだから、各自ご自分で見なさい(共に左のはてなアンテナからいけます)。ま、今回は大した話ではないし、もともとグラバカは「上下ぎっちぎちの体育会」へのアンチテーゼとして生まれた集団。いわば柔構造の組織であるから大ごとになるはずもない。


だが、将来的にはこのズレが拡大するのではないかと思っている。つーか拡大しろ。
だってね。
そもそも今の郷野聡寛菊田早苗が、ほんとのMMAルールで対戦するとして、貴方はどちらに賭ける?

もちろん郷野はつねづね、例の冷静な観察眼で「目標は練習で菊田早苗にやられないこと」「近藤戦で菊田さんが負けたのは、俺たちじゃ菊田さんを追い込むスパーができないから」「菊田さんは8割程度で俺らに対抗できる」「寝技を凌ぐのは得意ですよ。何しろ菊田さんとのスパーじゃ、凌ぐしか出来ないから」と菊田を最大限に評価している。
しかし、これは基本的に組み技のスパーだ。
現在、完成形に近づいた郷野のスタンディングスタイルで菊田に対峙するとしたら・・・



そして、興行的にも長く続いたチームが分裂し、新しい軍団抗争が始まるときが一番盛り上がる。
キラー・カーンの裏切りのアルバトロス、天龍革命、川田が超世代軍から聖鬼軍へ・・・

山宮をGRABAKAに誘ったときも、カストロ戦の入場に伴ってアピールするなどの演出を考える郷野。あと1年ぐらいして、GRABAKAを分裂させ内部抗争を行ったら、これは盛り上がるよお。


ちなみに「反逆は英雄の特権」というタイトルは某SF作品に拠った。

「さらばだ佐々木有生。俺が言うのもおかしいが、菊田さんを頼む。これは俺の本心だ」
「郷野の大馬鹿野郎!」

http://freeplanets.jp/~gineiden/gin_an01_1.htm

http://www2u.biglobe.ne.jp/~ALGLORY/Reuentah.htm