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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

もう10年か。

浅羽通明の、某大での講義の一貫として小林よしのりがゲストに招かれた。

ごく短いメモをまとめます。

小林氏はスーツにネクタイ。ちょっと意外。



・今回は「駒場祭でふたりがじっくり話し合って(旧ゴー宣の3巻だか4巻に載っている話)から10周年」だった。その記念でもある。


・浅羽氏は、「脱正義論」には企画、構成から全面協力していた。
「自分は小林さんが運動や組織で盛り上がっているときは距離をおいてて、その運動が大きくなった末に組織と小林さんが決裂したときに来る、というのを繰り返してる気がする」(浅羽)


・大学のレジュメで自己紹介用に小林氏のカットを使うと「この先生、(右翼の小林氏と関係があるから)右翼?」というひそひそ声が聞こえたりしてた。



・その後、小林氏がナショナリズム論を展開した末に反米論者となった軌跡を振り返った。
「わしは憲法改正派だけど、構内にあった(左翼団体の)イラク派兵反対とかアラウィは傀儡という批判には共感する。でも、看板は『日本軍』と書いてたけど自衛隊は(一人前の)軍隊じゃないよ」


・今の沖縄論、米軍ヘリ事故批判などに触れ「これはパトリ(郷土)を愛するパトリオティズム」との話。


イラク戦争に戻り、日本の戦争と今回のイラク戦争が違うのは「帝国主義が当たり前で、それに対応せざるを得なかった時代から国際法が整備され、いまやそれに依拠せねばならなくなった。両者を同一視してはいけない」(小林)


・それを受けて浅羽氏が「なるほど。ただ指摘するなら国際法自体が、帝国主義と同様に強国の都合でそもそも出来ているという面がある」。「さらに進めると、安保理決議が今回のイラク戦争でもあったとしたら?」と質問。


・小林氏「うーーーん、わしは(決議があった)湾岸戦争も反対だからね。もっと経済制裁とかをするべきだと思ってた」
そこから、フセイン政権もイラクの歴史から自然に出てきた、という話に。
台湾を例にして、「独裁政権は外からでなく中から倒れないと無意味」という議論にもつながった。


・浅羽「独裁国家を外から一々打倒できない、という認識はリアルです。ただ、経済の視点というのが(小林さんの議論には全体的に)必要ですね」として、朴政権(おい「ぱくちょんひ」はIMEにないのかよ)などを紹介した。


・「2chもネットもその後わしに『造反』しはじめた。今はいびつでちっぽけになっている。」


・「本宮ひろ志南京大虐殺の描写で抗議を受けて、書き直すことになったらしい。
もともと本宮は商売だけでしか描いてない。(これは何にも悪いことではない、商売に完全に徹するというのは凄く偉大なことと二人は口をそろえる)
わしが慰安婦の問題を描いたときは40数団体から抗議が来たが、今は左が攻撃を受けるようになってる。ひじょうにせこいことをするなあという印象。どうしてわしはこんな人々を(ゴー宣で)育てたのだろう」


・浅羽「いずれこういう状況がやってくるな、と思ってたらこうなった。部落解放運動も、運動が達成されて具体的な運動目標が見えにくくなって言葉狩りが始まった。それをやるとなんとなく、成果が上がっているように見えるからだ」


【追加】思い出したが、浅羽氏は小林氏に批判的な立場からですが・・・という断りを入れて、小熊英二の論考を引用。ゴー宣が受けたのは、「(言論・教育の)”主流”=日教組的、進歩的言論」への異議申し立てだったからだという彼の主張を紹介していた。
小林氏も別に異論は唱えず。その”主流”が変わった、ことを自分も感じているのだろう


・「私もニセ・マ時代、自分の口ぶりを真似る読者を見て「知のおたく」批判を書いたら、「知のおたく」批判を真似る読者が急増。さらに根源的な批判として知識人批判をしたら、知識人批判が増えただけだし」


【この浅羽氏のくだりに関しては、率直に私も含まれているのだろう。
自分なりに咀嚼しているつもりではあるが、彼にかなりの見方を学んだ
という点は事実であるから。】


・浅羽氏は”ポチ保守”の認識、必然性みたいなことを彼らの立場から分析し、小林氏の「『生存と安定』より『独立』」という目標設定が一般大衆に受け入れられるのか?というサイゾーで語った話を展開。このへんでタイムアップとなった。

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ゲストがネット批判論者だし、書かれることを喜ぶかどうかは
わからんが、地方や仕事の関係で、熱望しつつも行けなかった
人が絶対にいるはずだから、記録として残しておくことにする。

メモは全く詳細でないので、テキストとしての信頼性をあまり大きく考えないように。