久々に町山ブログ
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20040926
マイケル・ムーアは講演と『華氏911』上映のツアー「SLACKER UPRISING」を既に開始している。一ヶ月間でスイング・ステイツ20州の大学を回る強行軍だ。
「SLACKER」というのは「ゆるい人」という意味で、仕事や勉強に真剣ではなく、テレビでビデオ観たりゲームしながらヨタ話してビール飲んでばかりいる連中のこと。日本語にするなら、やっぱり「ボンクラ」だろう。
そして「UPRISING」とは「暴動」だ。
つまり「ボンクラ大暴動」!これはNON−VOTERS、つまり投票に行かない「非投票層」を投票に行かせるための戦略だとムーアは言う。事前の世論調査の対象になるのは有権者登録した人だけだが、それは全成人の半分でしかない。
ケリー陣営の不利と同時に「いまだかつて、今回以上にそれぞれの陣営がそれぞれの支持基盤を固めきった選挙はない」とも言われるこの選挙、やはり一発逆転を狙うには両者が拮抗するスイング・ステートで、無党派、未有権者を掘り起こすしかないようだ。
そこで思い出したマルコムXの言葉。
自立するには、手段はたった2つしかない。投票か、銃弾か(Ballots or Bullet)だ。 歴史を振り返ってみれば「自由」というものは、常に投票権か銃弾を使って得たものだと いうことがわかるだろう。いま、だれもが、当然、(手段としては銃弾より)一票を選ぶ だろう。私もそうしたい。 が、だからといって銃弾の力を軽く見ているというわけではない。 私は投票にも銃弾にも興味がない。私が関心を向けているのは、それで勝ち取る「自由」だ。
ただし、このアジテーションはかっこいいですが、マルコムは政治権力の奪取方法として「ハーレムを一軒一軒回って投票を呼びかけ『選挙にいかないのはカッコ悪い』『棄権者は裏切り者だ』という雰囲気をつくらねばならない」と主張している。
微妙に政府広報っぽいですけど(笑)、政治権力奪取に王道なし、普通の行動が一番ラジカルでもあうるっつーことでしょうか。
しかし、逆に言えばマルコムX・ブームとかいっても、こんな単純な
部分の主張が伝わっていないのか、その政治的末裔たちには。