INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

CBS、偽文書報道騒動。米大統領選がらみ

必読ブログ。同問題に関し、現在あらゆる新聞・テレビの報道を質量で上回っている。

【補遺】このブログ「むなぐるま」は現在移転。
当時の文章は、この真下のリンクで。今のサイトはキーワードからどうぞ

◎現在行けるリンク
http://munaguruma.blogs.com/jp/2004/09/post_9.html


9月8日、CBSニュース「60ミニッツ」で、この(引用者註:ブッシュ大統領の)軍歴疑惑についての番組が組まれた。担当はCBSの看板キャスターのダン・ラザー。大統領選挙前の微妙な時期のこのレポート、内容もすごいのだが、まもなく番組内の一部資料が捏造されたという疑惑が起こり、多くのblogで取り上げられて「祭り」になっている。今のところCBSは「報道の内容には自信を持っている」と言い張っているが、これが本当に捏造なら、大物ジャーナリストのラザー氏の辞任は必至の大スキャンダルになっている。

http://munaguruma.blogs.com/jp/2004/09/post_11.html

今日、CBSが一転過ちを認め、謝罪した。文書の提供者は噂されていた元テキサス州兵のビル・バーケット・・・そのインタビューで、バーケット氏が「CBSを意図的にミスリードしました」と言うらしい。CBSとしては、独立の調査機関を雇い真相究明するとしている。

ラザー氏も誤りを認める声明を発表・・・

ダン・ラザーという人は筑紫哲也氏が「今日はこんなところです」という〆の文句をパクった伝説のニュースキャスター、ウォルター・クロンカイト(現在はTVを引退)と並び称される人物である、という話は知っているが、いまいち日本では気にならない。(そういえばこれだけ海外番組が放送されるのに「60ミニッツ」は放送されてない。ん?深夜の「CBSドキュメント」=60ミニッツなのか?)
ブッシュの軍歴問題は軍歴問題だし、捏造文書報道は捏造文書報道。
ラザーは結局、淡々と責任を取って辞任するのだろう、と思っている。
前述の筑紫哲也「ニュース23」で大きく報道した、という話も伝聞で聞いてはいたが「こんな報道がされましたが、捏造の疑いもあります」、「やっぱり間違いでした、CBSは大変ですねェ」てなもんだと思ってた。

ところが。上記ブログからのリンクを見ると、TBSの同番組の報道は、例によって(笑)金平茂紀記者がリポートしたもので、ちょいと一方の視点から言い続けたようで。

http://www.smn.co.jp/kanehira/

むなぐるまblogでは

残念ながら、彼は、今回の事件の「本質」が、金平氏自身のような報道に携わる者の公正、不偏不党という原理原則にかかわることでもあるということを全くわかっていない。その上、この問題でCBSの批判をする人々は、ジャーナリストでもブロガーでも「他人の試練は蜜の味」という「品性がない」人だと、批判者の人格攻撃に切り替えている。


金平茂紀さんいわく
「問題の本質は、ブッシュ大統領が州兵時代にまともに服務していたか、
それとも、親のコネや影響力を行使してアンフェアなことをしていたか、
ということなのだが、今やメディアは、ネットワークTVのある意味の
「権威」ダン・ラザー及び「60ミニッツ」攻撃に腐心している。他人の
不幸じゃなくて試練は蜜の味、というわけだ・・・」


こらアカンわ。軍歴疑惑はそりゃ各自調査、で結構だが、明白になったこの誤報問題に”腐心”しなけりゃ、そいつはジャーナリズムの資格はない。最初に大きくレポートで報道しときながら、誤報と分かったときは無視したり小さい扱いにするような番組は問題外だ(笑)。


また、金平氏が事件の最中に書いた(CBS擁護の)文章が、
政治的スタンスどうこう以前に、事実関係のチェックがいかに
甘いものであったかは
http://munaguruma.blogs.com/jp/2004/09/post_10.html
が詳しい。



ひとつ私が過去の事実を指摘すると、金平氏テポドン騒動の際、「人工衛星」という北の発表を軸に「あれが人工衛星だったら、日本での報道はまずいことになる」などと当時連載中の、ダカーポの連載コラムで論難していた。これは「本質から外れて」「他人の試練は蜜の味」と「攻撃に腐心」していたことにはならんのだろうか(笑)。
おまけに「人工衛星とミサイルの特質を考えれば、本質的にその発想は間違ってる」と井沢元彦氏に突っ込まれた。井沢氏の著作のどこかに収録されているはずだ。
(ゴシップ:井沢氏も元TBS記者で金平氏とは同期。たいへん仲が悪いとか(笑))




ここで金平氏を追及しても、基本的には「むなぐるま」氏の文章に全面同意、となるだけなので重ねては論じない。追加するとすれば、わがブログでもカネてからカネヒラ氏に注目(シャレ)し、氏のサイトへの感想を述べているので、上の検索機能から「カネヒラ」「金平」「筑紫哲也」などで探してほしい。

一応、左のアンテナに氏のサイトは入れていたのだが、最近書くことが凡庸な話ばかり、と思って閲覧をサボっていた。しかし、今回の件についての文章を読むと「凡庸」という評価は撤回せねばなるまい。
彼は確実に「常軌を逸している」(笑)。



あとひとつ付け加えるなら、
全米メディアは権力に擦り寄っている!とか、大資本・ブッシュ一派が全米マスコミを支配している!FOXやラジオがいい例だ・・・という話はやっぱり大げさで、ブッシュが政権を取れば保守派のFOXは「権力にすりより」、クリントンが大統領なら「権力を痛烈に批判する反体制」になる、CBSはその反対・・・ということで世の中うまく回っている、んじゃないかという気がする。
それについては昔書いた。

■ [時事][映画]「反権力」か「別の権力」か。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20040621


むなぐるま氏いわく

CBSニュースについては、「リベラル偏向」しているという疑惑がここ数年つきまとっている。3年前にCBSの元スタッフによる暴露本が出たばかりだった。大統領選挙も大詰めのこの時期に、捏造文書まで使ってケリー氏に優位になる報道を流すというのは、実態はどうあれ、左翼偏向のステレオタイプを裏付けることとなった・・・

付記
金平茂紀氏の
http://www.smn.co.jp/kanehira/mokuji/040922.html
の題名は[健全な自省力のゆくえ]

これ、読んでみると文法的にヘンなところもあるが、しょせん無料のネット上の文章、読み直したりする必要もないだろうしそれは構わない。
しかし問題はタイトルの「健全な自省力」が「筑紫哲也ニュース23」
には「無い」ということです(断言)。