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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

すげー感動の2試合を見たよ

いま、深夜放送で生ゴン見てるのだが、ものすごいものを見た

【後楽園に翻る大極旗。】

ZERO-ONE4/30後楽園大会で元新日の高岩竜一のタイトルマッチで、ホールに電光掲示板?による巨大な韓国の旗が映った。
何でも、彼は国籍的には韓国(母語や生まれ育ちは当然日本のそれだが)なのだそうだ。「せっかくの大舞台だから、自然な思いを表現したら」とのポーク(橋本真也)の勧めで踏み切ったという。

ここで、古いファンとしては別冊宝島で15年ほど前に出た「プロレスに捧げるバラード」や「超プロレス主義!」という一連のムックを思い出すのである。


どのシリーズに載っていたのか、誰だったのかの特定ができずすまんが、あの当時、一連のシリーズは黄民基(「奴らが哭く前に」)、李春成、そして故きむ・むいなどがライターとして腕を磨いてたのだ。
その民族性に全く関係ない、純然たるルポも多かったが、まれにその民族性を打ち出し、猪飼野の在日一世が見た「力道山vs木村政彦」(まったく我々と視点が違う応援の仕方!)などの読み物があった。


その中で、こんなエピソードがある。
本名(民族名)を名乗るべきかどうか迷っていたある在日の少年が、朝まで生テレビでコリアン問題のテーマを扱った回を見ていた。
すると、堂々巡りで不毛な議論とはべつに、なぜか客席にぽつりと長州力がいたという。「客席の意見」として、長州にマイクが渡ると「俺は差別されたことで強くなってきたから」とぽつり一言。
しかし、その少年にとっては「あの長州が、朝鮮人宣言しおった!!」と大衝撃。
次の日の朝、少年は晴れ晴れとした顔で「今日から、民族名名乗ります。なにか言ってくるやつおったら、リキ・ラリアットかましてやろと思います!」と元気に登校する・・・という筋立てだ。

ちょっと出来すぎているという引っかかりや、そもそもエスニック性や国籍をどう保持するのが在るべき姿なのか、という議論もあることはあるのだが、やはり素直に微笑すべきいい話であろう。

シュート系格闘技でも、ある外国の大会に「日本人」選手が出場したところ、主催者はパスポートの表記だけで確認するから、公式には出場してないはずの某国国旗が掲揚されていたなんて話もあり、他人事ではないな。
というか、格闘技だけの話でもないだろうが。


高岩の今後に道あれ。


【大判小判がザックザック】
あと一本は大日本プロレス。例のWWEで短いホーガン復帰時代の一幕となった「片足のレスラー」Zachの動く試合フィルムを初めて見たのだよ。
彼の活躍時代はパーフェクTV入ってなかったしな。


・・・・あぜん、ぼうぜん。片足でドロップキック、片足を攻撃され、倒れるときはバンプ、そして片足でムーンサルト
活字でzachの話を読むだけでは「WWFも悪趣味かつ、偽善っぽいことをやるもんだよな」と思ったが、映像を見たら脱帽するのみである。
遅ればせ過ぎてどうもすいません。


そして、臆面もなくいうと、非常にポジティブな意味においての「見世物小屋」の見世物として、Zachは金を客が払うに値する、恐ろしいほどの見世物性を有している。
偽善の匂いが漂う言葉として五指に入る「障 害 は 個 性。」なるフレーズに初めて納得させられた。とあるベストセラーや、ドキュメンタリーでも感じなかったのだが。

ただ、この種の先駆者として小人プロレス、または「ドッグレッグス」があるやもしれんがな。呉智英の書評集「知の収穫」に掲載された小人プロレスのルポ「異端の笑国」評も機会があったら目を通していただきたい。