INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「9月下旬格闘技祭り」の先陣はSTRIKE FORCE! 三崎・石田の戦いをPCで見よう。

大会の説明は
http://ameblo.jp/deal06/entry-10137592887.html
がよくまとまっている。

9月20日(土・現地時間)、米国カリフォルニア州ロサンゼルス・ビバリーヒルズのプレイボーイ・マンションで行われる

STRIKEFORCE  「PLAYBOY MANSION」

同大会に日本からは、三崎和雄が、石田光洋が出場し

三崎和雄が ジョー・リッグス

石田光洋が ジャスティン・ウィルコック

と、対戦します


時差とかは各自で調べい。(このへんで投げやりだが)


んで、この大会は、ストリームで中継されるらしい。
http://www.strikeforceusa.net/

そっから先は分からん。何をどのように登録したり、クリックしたりするのか。
面倒なために自分は見ないような気がするが、やる気のあるひとはどんな人でも日本から見られるように鑑賞の仕方を解説したり、そこまで誘導するようなエントリを作ってみると皆さんに感謝されるかもしれない。
ひょっとしたら、まだ公式サイトではこの日の映像視聴に対応する画面をつくってないのかもしれない。


そのかわりに別の試合を。
この団体は天下のNBCで(自分で枠を買い)放送されているのは有名だが、その放送番組は
http://nbcsports.msnbc.com/id/22825103/vp/24056070#26592820
のサムネイルをクリックするだけで、何の登録もなしに見られるからすごいね。カン・リー強え。(Lee vs Masvidalってやつね。)

さて本日深夜、BSマンガ夜話ファイナル。前の「よつばと!」試論で描けなかったことを補足で。

「八チワンダイバー」「蒼天航路」それぞれについての感想も作品論もあるのだけれど、その前にやっぱり今夜の「よつばと!」に備えて、この前のエントリ
m-dojo.hatenadiary.com
で書ききれなかったことをかこう。あの時は全部盛り込めたと思ったけど、けっこうあるものだ。

よつばの出生のひみつについて

作中で

「こいつひろわれっこなのでかーちゃんいないんだ」(ジャンボ談)
「俺が外国で ひろってしまって なんだかわからないうちに 育てることになった」(とーちゃん談)
「なんか変わった…外国の子?」(えな独白)
「とおいひこうきで いくところからきた」(本人談)


という説明があり、とーちゃんとよつばに血縁関係はなく、よつばは外国生まれらしい。
で、それが何かこれからの重要な伏線だったり、一気呵成に最終回近くのストーリーに絡んで「ようやくおれは登り始めたばかり(略)」になるかというと……自分の今のカンとしては、たぶん関係ないと思う。
たぶんにこの作品はまず前提として「生活臭の少ない家庭」が実は必要だという条件があり、とーちゃんかーちゃんよつばとそろったら、母ちゃんがよつばの世話をすることが当然増え、逆にお隣の綾瀬一家やジャンボがよつばをかまうシチュエーションが減り、古い言葉で言えば作品全体が「ぬかみそ臭く」なる。また父母がいると、今度はよつば抜きの夫婦間のドラマが描かれ、人間関係も分散していくからね。
そういうことで「かーちゃんいない」を設定に盛り込む時、一番ありそうな「死別した」「離婚した」もろもろは話が暗くなる危険がある。そこで、詳しく突っ込むと、ひょっとしたら暗かったり重かったりするかもしれないけど、そもそも曖昧かつ、突っ込みにくい「外国で拾って…」という設定になった、だけという気がする。
もっともこれは多少願望こみで、「現在まで完璧に近い、現実の設定の中の温かいファンタジーをつくっているのだから”完全試合”をねらってくれ。」と思っているからである。
よつばの出生の秘密をテーマに、外国の騒乱や貧困、格差や日本社会の中で外国生まれの子が生きていく課題、父子家庭への福祉の課題・・・などを今後シリアスに、または織り込んでいくというなら、それは描きようによっては傑作になるかもしれない(笑)。
まあ半分冗談だが、作者・あずまきよひこの実力、ポテンシャルというものの、まだ底がわからんのでひょっとしたらそんなことが可能なのかも。


おとなりの3姉妹について

この前のエントリでも少し触れたが、「よつばと!」評は日本有数の漫画レビューサイト「紙屋研究所」でも何度か掲載され、同サイトが単行本化されるに当たっては巻頭に収録された。たぶん本人も自信の一評論だろう

http://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/yotubato.html(こちらが巻頭収録文章)

http://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/yotubato3.html
上に書いてある関川夏央の「知識的大衆諸君、これもマンガだ」はなんと、80年代の総合右派オピニオン雑誌「諸君!」連載コラムだった。あの当時、そういうものがそういう雑誌に載るというのは画期的なことで、マンガ評論の地位、露出を高める効果も大きかったと思うし、自分も本格的なマンガ評を読んだのは夏目房之介呉智英の前にこれだった。
「男の星座」「ぼのぼの」「男の自画像」「風雲児たち」など、この本によって知ったり価値を再確認した作品も多い。
その中で照会文を読み、興味をそそられつつ今までまだ読んでいないのが、上でよつばと!との類似点、相違点をともに指摘している「Papa told Me」だったです。

…妻のいない文筆関係業と娘。

 あずまきよひこよつばと!』も『Papa told me』と同じ人間関係で出発する。よつばという小さい子どもと、その父親、その近所の三姉妹、などをめぐる日常を描く。実にほのぼのしている。まるでいますぐにでも「サザエさん」の後継番組として出発できそうな「ほのぼのさ」だ。

 しかし、その「ほのぼのさ」のうらには、ヲタクが秘めた大いなる野望が隠れている。
(略)
虚構の、現実へのあやうい越境が行われている作品だといってよい。だからこそ、あずまは、作品世界からむきだしのヲタの欲望を消去したのだが、設定された関係やセクシャリティはヲタの欲望を埋め込んでいる。

どうなのかな。
隣が3兄弟でなく3姉妹というのは、そりゃそのほうが売れるからだろうけど(笑)、そもそも「あずまんが」だってきれーに恋愛関係は抜きにして笑いの世界をつくっていた。あと、こういう作品の場合、「人間関係は固定的で、発展は無い」というほうが一般的だったりしますよね。あーでも、最近はそうでもないか。
今読み直して気づいたが、上の「よつばは外国の孤児?」の部分も含めてだろうか、

(もし、今後、この人間関係をくずす設定が登場すれば、上記の感想は、一挙に、すべて、崩壊する)

という保留も同研究所はつけていた。(※ただし、書籍化の際にはこの部分は無い)

うわー、なんともはや、だ。

今、左のアンテナを見たらふつうに伊藤剛氏のブログが上がっていたので、「おっ、やっぱりこれまでのBSマンガ夜話の感想や、放送前に自分のよつばと論を語っているのかな?おもろいとこを引用しよう」と思ったら…

全然違う、だが関係大有りの話でした
http://d.hatena.ne.jp/goito-mineral/20080918


レギュラー出演者本人の個人的事情はともかくよつばと!」を面白く論じ、魅力を視聴者に分かりやすく伝える、というその一点から逆算すれば、伊藤剛を呼ばないことで番組のクオリティは下がるでしょ。あのゲストの芸能人さんで代わりが務まるのかしら。
なんか今夜の放送に、さめちゃった部分もなきにしもあらず。
岡田斗司夫氏は渉外をいろいろやるプロデューサーでもあったのだから、個人的な好悪をそういう点では平気で切り離し、そして切り離しすぎるとよそから批判されるようなタイプかと思ったのだけどね。まあ、岡田氏本人からみれば別の異論や事実説明があるかもしれないから、そういう反応も待とう。
しかし、個人にブログという情報伝達ツールが無い時代だったら、こういう話は伝わらないで終わり、そしてこういうところで巧い”ゲーム”をやれる人が社会的地位を上昇させていったんだろうな。よく久野収が「論壇権力ゲームで強かった人」として言われてたが。

ああ、格闘技業界でもありがちなことだなあ。

あ、そうだ最後(放送54分20秒)、明日の番組の紹介のときに大月隆寛氏が「あしたは、またちょっといろんな問題が・・・まあいいですね、はい、ははは」
って言ってる。おれ、画像紹介の著作権とか作者の意向がどうとかそういう問題なのかと思った、


ブログ紹介

気をとりなおして書こう、と思ったらいくつか忘れちゃったぜ(笑)
あ、そうだ、さっきよつばの出生を暗示したセリフを正確に確認しようと検索したら、こういうのが引っ掛かった。これが上二本のエントリに、実は深く関わっている。


■『よつばと!』に残された謎・伏線・フラグなどなど……

…“組み合わせ”“年齢考察”と続けてきた『よつばと!』話ですが、今日はその他に残されている謎や伏線やフラグをまとめてみようと思います。

http://yamanashirei.blog86.fc2.com/blog-entry-447.html


ちゃんと読むと、いろいろ分かるものだ。こうやって提示されると、「よつばの出生は設定上の都合でわざと曖昧になるように作っている。今後、本編に大きく関わることはないだろう」とか「3姉妹がいてもあずまんが大王のように、恋愛抜きで空気のような関係がつづいていくだろう」というのはハズレるかもしれない、そしてハズレたらそれで面白くなりそうだ、という気もしてくる。

「よつばのじーちゃんは?」の考察なんか、かつてのシャーロキアン本のようなゾクソク感。


あずま作品の海外版を読みたいものだ。

以前のエントリ
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20070821#p2
■ある出版関係者にライトノベルやSFのことで雑談した
で、こーいうやり取りしたよね。

アメリカではたいてい日本の人気漫画は訳されているな」

「ほうほう」

「『あずまんが大王』とか」

「ああ、よつばと!の評価が高いのは知っている。その作者のってことで興味を引いたんだろう」

(註:http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20060730#p2

経由で

http://d.hatena.ne.jp/ceena/searchdiary?word=%a4%e8%a4%c4%a4%d0%a4%c8

などを参照)

「いや、その逆。まず、あずまんがが人気で、その作者のだってよつばとが紹介された」

「んな、あほな。だってあれが外国で通じるとは・・・」

「つっても、事実なんだからしょうがない。相当に受けたんだぞ」

http://d.hatena.ne.jp/ceena/20051127/1133104267
によるとPublishersWeekly(パブリッシャーズ・ウィークリー)が11月7日付けの記事”Best Comics of 2005”で、2005年度のベスト・グラフィックノベルのひとつに選んだ、というから評価されているのだろう。

今回のエントリに関して、よつばと!を読み直してみると、主人公が幼児であるから、彼女と、彼女に話しかける人たちの日本語はみなシンプルだ。これって、対比英訳版との読み比べによって英語力をつけるには一番いいってことじゃないか?

まあ、昔だったら「英語版読みたいねえ」と言ったって手に入れるすべは限られていたのだが、いまはやろうと思えばやれるわけで、やらないのは怠慢だろう。というか私、英語キライだ(笑)。
やる気のある人とか、言い訳したい受験生とか(笑)にお勧めしておく。

まあ、簡単だからよつばと!英訳はいい…というののの逆に、「あずまんが大王」はどういう訳なのかは気になる。「大阪」というニックネームがついた経緯や、大阪出身とツッコミとの関係とか、そうとうの注釈がないとついていけないような。
まあ日本で、アメリカのドラマかなんかに「お前はアラバマから来たからバマーだ!」とかいうギャグや「アラバマ」の特徴を前提としたギャグがあっても必死でついていったのだから、あっちも必死になってもらうのが文化相対主義か。


各単行本のキャッチコピーが秀逸すぎる点

ウィキペから。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%88%E3%81%A4%E3%81%B0%E3%81%A8!

■ 1巻 - 「いつでも今日が、いちばん楽しい日。」
■ 2巻 - 「ただ、ここにいるだけのしあわせ。」
■ 3巻 - 「どこかで見た、どこにもない場所へ。」
■ 4巻 - 「いつかおとなになるこども。と、かつてこどもだったおとな。かわらないまいにち。」
■ 5巻 - 「おわらない夏のおわり。」
■ 6巻 - 「今日も世界はひろがっていく。」
■ 7巻 - 「こどもが走れば、おとなも走る。」
■ 8巻 - 「平日、休日、祭日、毎日。」

このコピーを考えている人(意匠でなく文面)は、常識的にやっぱり同雑誌の編集者なのだろうか。だとしたら裏方の編集者だが、例えばあまりの面白さに、異例の単行本へのハシラ文収録が実現した、「魁!クロマティ高校」の編集者にその才は匹敵する。


佐藤大輔だって本来は名前が出なくて当然の立場なのに、あまりの面白さと才能にメディアがほっておかなかった。
よつばと!単行本コピーの制作者は、それだけでインタビューをどこかのだれかがやってもいいぐらいだと思うのだが、いかがだろうか。個人的には話を聞いてみたい。

宇野常寛ゼロ年代の想像力」より。とーちゃんは「新教養主義」である

P237

…新連載「よつばと!」は前作とはうって変わった広義の育児マンガにあたり、ファンを驚愕させた。同作は、孤児の女子幼児・よつばが翻訳家の青年に拾われ、その周囲の人々に囲まれながら(擬似家族!)少しずつ成長していく過程を、日常の他愛もないエピソードを連ねて語るハートフルな作品である。ややもすると、説教臭くなりがちなこの手の作品の中で『よつばと!』に具体的なメッセージはほぼ登場しない。かわりに存在するのは、子供の自律へ向かう力に対する圧倒的な信頼であり、その信頼しうる環境を維持するための注力である。よつばに自身の価値観をまったく伝えず、その代わりことあるごとにさまざまな環境下に連れ出す養父の立場こそ、まさしく新教養主義的である、といえるだろう。
あずまの(※あずまんが大王のような)「空気系」から「新教養主義」へのシフトは、現在における「成熟」モデルの再構築という観点からか投げれば、必然としか言いようがないのだ。


…いま必死で文字を手打ちして、さて関連サイトへリンクをと見てみたら
、そこにはもっと広い前後の部分を含めて引用されていた(笑)
http://d.hatena.ne.jp/otokinoki/20080228/1204123003


新・教養主義というのは、この章の最初に浅羽通明大月隆寛も登場してもっと重要なので内容を紹介したくもあるけど、ちょっと時間と準備が足りないので引用のみで。詳しくはリンク先へ。


アニメ化、ドラマ化、映画化はされないの?

このブログをやっている中で何度も驚かされた結果「マンガや小説の映像化って、思っていたよりハードルが低いもんだ」という認識に達しているのだが、作品のクオリティと人気から逆算して、「映像化のオファーが来ていないわけがない」を、かってに前提とする。

何が不満、不安で作者のあずまきよひこはアニメ化を断っているのかね(決め付け)
ノイタミナ」枠とか
ちびまる子ちゃんの後釜とか
スタジオジブリ映画とか(家庭の日常をテーマにすると決めたが、こともあろうに「となりの山田くん」をチョイスし大敗北した借りを返せるだろうに)

いろいろ選択肢はあるんじゃないかなーとシロウト考えでは思うのだが。




コメント欄より

さかな

よつばと!』の帯文は、作者のあずま氏が所属している会社の社長にして『よつばと!』単行本の装幀デザイナーでもある里見英樹氏が書いていると思われます。よ。

13年前
unQ

里見氏が「あずまんが/2/リサイクル」や「週間私のお兄ちゃん」でコラム及び
あとがきを担当されていた事はご存じでしょうか? これらを見るとやはり相当に
能力のある人だという事だけでなく、あずま氏と良い影響を受け合って、
それが作品のカラーにも反映されているという感じがします。
一番それが現れているのは「あずまんが大王」連載時に掲載された最終ページの
イラストコーナー…に見せかけた「里見トークショー」なのですが、
今まとめて読むことが出来ないのが残念。なんとかならんもんかなぁ。

13年前
unQ

あずま氏はパイオニアLDCのアニメの販促マンガがメジャー系の最初の仕事でしたが、里見氏は
そのパイオニアLDC側の担当者だった様で、そこで意気投合したとか(あれ?AICだったかな?)。
それはそうと、上でも記した「週刊わたしのおにいちゃん」。ディアゴスティーニのパロディの
体裁がとられたこの作品全5号+特別号の煽りがおそらく里見氏によるものらしくこちらもなか
なかいい感じなので、以下に記しておきます。
■1号「世界は先週より、ずっとかわいくなる」
■2号「世界は、まだまだかわいくなっていく」
■3号「かわいさあまって、うれしさ百倍」
■4号「妹以上、兄未満。恋より甘く、夢より近い。」
■5号「さよなら三角、またきて妹。もっときて!」
■特別増刊号「かわいさ世界最速!」
今改めて確認したところ、全篇にわたっていきとどいた里見氏によるコンセプトやデザイン、
あとがきやコラムに限らず注釈ですら里見節によるネタ満載と、氏の仕事を一望するには
今のところ一番かもしれません。いや他にないというハナシもありますが。

オタクアミーゴス(岡田斗司夫、唐沢俊一、眠田直)が再び本を出す

普通に新刊に関する情報はリンクを張り、メモ代わりにしておくのだが、さて上エントリとの関連において、ちょっと紹介しずらくなってしまった。だが今記録しておかなきゃ忘れそうなので、記録だけしておこう。

○十年ぶりにオタクアミーゴスの単行本が。

・今年の年末あたりを予定とか。眠田さん主導なんですね。

漫画作品の国際性の有無は、自分の想像を超えていた…

上で
俺『海外で「よつばと!」ならば受けるだろうが、「あずまんが大王」は受けないだろう』
某出版関係者『いや、実際のとこそうじゃなかった』


というやり取りを紹介したわけだが、しかしやっぱりうーんだったので、傍証は無いかと有名サイト「誤訳御免!」に行ったわけだ、さっき。


そしてら最新エントリが
http://goyaku.seesaa.net/article/106658423.html
■アニメ「さよなら絶望先生」第1話の海外反応【YOUTUBE動画】


字幕はボランティアが自主的につけたのか、海外のケーブルTVか何かで放送されたのかしらんけど、世界の反応に、こっちこそ

絶望した!だったわ(笑)