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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

遂に「人間が蛇を怖がるのは生来的な脳の働きで、学習や経験ではない」で決着した?幾年の論争終結?(ダーウィンが来た!)【日曜民俗学】

まず、論より証拠、配信中であり、これを見てもらえれば話は早い。

お正月特集 ヘビのひみつ徹底解明!

初回放送日:2025年1月5日

ヘビ年ということで、番組開始18年で初のヘビ特集!ヘビのスゴ技や進化の秘密、ヘビが嫌われる理由を大解明!さらに、世界最大の毒ヘビ・キングコブラの意外な姿に密着!

古くからコワ~い存在として恐れられてきたヘビ。一体なぜヘビはコワいのか?それにはヒトがサルだったころからの因縁が関係していた?さらに、毒吹きや温度感知能力、壁登りなど、ヘビのスゴ技も大検証!ヘビの進化の秘密は「丸飲み」にあった!?そして、ヘビを食べるヘビ・キングコブラを探すため、取材班はインドネシアのバリ島へ!ヘビで唯一、巣を作って卵を守るキングコブラのお母さんに密着。親子の愛の意外な結末とは!?

www.nhk.jp


蛇特集を一度もダーウィンが来た!でやってなかったというのは実に怠慢な話であったが、それはそれとしておもしろかった。
へび、かわいかった。

だが、ここで、自分的には非常に見逃せないことが、確定した事実として提示されていた。


「放送ウラ話」に詳しく出ているので、転載しよう。

◎放送19年初!ヘビが主人公!なぜヘビは「怖い」のか?
ヘビ好きの皆さん、お待たせいたしました!番組放送19年で初のヘビ主人公回です。なぜこれまでヘビを一度も取り上げなかったのか…その理由は皆さんのご想像にお任せしますが、まぁ苦手な人も多い動物ですのでね…。

 そんな中で、ヘビの何をテーマにするか…。悩んだ私は、なぜヘビがそこまで嫌われてしまうのか…ということから調べました。ヘビが苦手な理由が分かれば、苦手な人でも番組を見られるかも…、と思ったわけです。いろいろ調べてたどり着いたのが「ヘビ検出理論」。難しい言葉ですが、要は「ヒトの祖先は、天敵のヘビを素早く見つけるために脳の視覚野が発達し、脳が大きくなった」という理論です。最初にこの理論を見たときは半信半疑でしたが、調べていくと多くの科学者によって肯定されている理論ということが分かりました。日本でも名古屋大学の川合伸幸教授によってかなり詳しく研究されていることが分かり、番組にもご協力をいただきました。


花の中からヘビを探す→すぐ見つけられる


ヘビの中から花を探す→ヘビに目がいってしまう

番組では幼児を対象に実験をしましたが、上記2枚の画像を見比べてみると、確かに自然とヘビに目がいってしまうことが分かります。では、我々の脳はヘビの何を見てヘビと認識しているのでしょうか?手足のない長い体?それともニョロニョロとした動き?それとも大きな口?実は、川合教授の研究によると「ウロコの模様」なんです。ヘビのウロコの模様を画像処理で消してウナギのような姿にすると、ヘビとして素早く認識しなくなるんだそうです。逆に、ヘビのウロコ模様を両生類のイモリに張り付けると、ヘビと同様に素早く認識できるようになるんだとか。ヘビのウロコは他のは虫類と違って規則正しい格子状になっています。どうやら、我々はこの規則正しい格子状の模様が目に入るとヘビと認識し、自然と目がいってしまうようです。人より目立ちたい!という方は、ヘビ皮のファッションを身につければ、人目を引くことができるかもしれませんね(怖がらせてしまう可能性もあるのでお気をつけて…)。

www.nhk.jp

ダーウィンが来た
ダーウィンが来た 蛇を怖がる
ダーウィンが来た
ダーウィンが来た 蛇怖い

ええええええええええええええ!!!
と、「え」を並べる資格が当方にはあるだろう。
なんとこのブログで、その話を最初にしたのは2008年。
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「宗像教授伝奇考」「宗像教授異考録」等も紹介した

>

宗像教授異考録11巻 稲荷と蛇
<。

宗像教授伝奇考 蛇神融合


その時の問題意識はそのままなので、そっくり該当部を再録する

ヘビがなぜおっとろしい、マジパネー(まじめに、半端でない)存在なのか。
聖書の作者が、エデンの園でイブを誘惑する重要な悪役のキャストにヘビ君を起用したところ、これが非常な当たり役となったのはよかったが、そのせいでその後の役どころが限定されてしまった…という「ヘビ=天本英世死神博士」説というのがある(例えが古い?)。


しかしそれでは中国の神龍や、日本のヤマタノオロチについては説明がつかんだろう。(青森県戸来村から伝承云々は無しで。)
上の「宗像教授」ではヘビが
■矢が飛ぶさまに似ている
■天から落ちてくる稲妻に似ている(稲妻の名の通り、雷は豊作につながるので(気温が暑く、雨が多い)喜ばれる)
■恵をもたらす川が、名前の通り”蛇行”している(※これは別の回です)
などによる連想があった・・・としている。


アイザック・アシモフ
同じ形で、脱皮によってどんどん大きくなるのは、古代人には「死と再生」に見えた。医者の象徴ヒポクラテスの紋章がこれなのは、そういう意味だ・・・としている。

そして忘れちゃいけない、宗像ならぬ、「ミナカタ教授伝奇考」…じゃなかった、南方熊楠の「十二支考 蛇篇」。
なんと天下の青空文庫も、まだ十二支考全部はテキスト化されていないそうだが、幸いにもこちらは出来ていた。


http://www.aozora.gr.jp/cards/000093/files/2536_20184.html
しかし怪物熊楠でさえも

…グベルナチスが動物伝説のもっとも広く行き渡ったは蛇話だといったごとく、現存の蛇が千六百余種あり。寒帯地とニューゼーランドハワイ等少数の島を除き諸方の原野山林沼沢湖海雑多の場所に棲み大小形色動作習性各同じからず、中には劇毒無類で人畜に大難を蒙(こうむ)らするもあれば無毒ながら丸呑みと来る奴も多く古来人類の歴史に関係甚だ深い。故にこれに関する民族と伝説は無尽蔵でこれを概要して規律正しく叙(の)ぶるはとても拙筆では出来ぬ。

と、このヘビに関する俗説神話伝説の多さに音を上げる始末だ。
それほどまでに、なぜにわれわれはへびを意識するのか。

ここでいきなりだが、この前読んでいた森下一仁氏の「思考する物語」という本を紹介します。宇野常寛ゼロ年代の想像力」と同様に、90年代のSFマガジンに長期連載されていた評論だ。
通して読んでみると、けっこうSF好きには常識的な認識をあらためて説かれているような迂遠な感じもして、すごく感動したとか興奮したでは正直なかったけど、上の「へび怖い問題」について、ある説を引用していたのだ。

やや余談めくが、人がなぜこれほどまでに蛇を嫌うのかという問題もこのこと(※何を指すかはあとで分かります)に関係しているようだ。蛇に対する恐怖には本能説と学術説があって、従来はどちらかというと本能説のほうが優勢だった。学習説は、蛇には毒があるからかまれると危険だ、だから恐怖を感じる、というものだが、蛇を怖がる人が必ずしも危険な目にあったわけではないし、毒をもたないと分かっている蛇も非常に嫌悪されるからだ。
ところが10年ほど前、ウィスコンシン大学でミネカという大学院生が行った実験がこの情勢を逆転させた。彼はまず、生まれて一度も蛇を見たことのないサルが、蛇を恐れないことを確認する。
次にそのサルの前で、別のサルが蛇を見て怖がる場面を目撃させる。本の一瞬、しかも一度きりの経験で、そのサルは以後、蛇を恐れるようになったのである。(正高信男『なぜ、人間は蛇が嫌いか』)
生命に関わる学習は一回きりで身に付くということを「ガルシア効果」というらしいが、それは自分自身の体験に限らず、仲間の危険を目撃することによっても同様なのだ。このような現象は、恐怖体験以外ではありえないようである。


以前、「人間の蛇嫌いは恐竜に追われていた小型哺乳類が、遺伝情報レベルで爬虫類への恐怖を持っていてそれを受け継いでるから」という説を聞いたこともあるけど、それよりは説得力がある。水や火、暗闇や高いところへの恐怖…なんてのもこれで説明がつきそうだ。

そして、こういう本があることが森下氏の著述から分かった。

だいたいこれで、蛇を嫌うという話はおおよその概要がつかめた。
ここには本からの引用も含め詳しく書いてある。

http://www.wvase.co.jp/WVASE/THINK-IMAGE/thinks5.html

いいすか、蛇を猿や人間が恐れるのは「本能説」「体験・学習説」が以前からあったが、「蛇に誰か1匹が被害に遭っただけでも、集団に恐怖が伝播するからだ」という有力説があり、その時の実験でも「一度も蛇を見たことがないサルは蛇を恐れない」とされた。というか自分もこちらの説の方が説得的に感じておった。



しかし、その後。2013年に…「精子を通じて動物は恐怖を遺伝させる」という学説が出てきた。
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恐怖の記憶、精子で子孫に「継承」 米研究チーム発表

2013年12月4日14時51分
http://www.asahi.com/articles/TKY201312040021.html
 【吉田晋】身の危険を感じると、その「記憶」は精子を介して子孫に伝えられる――。マウスを使った実験で、個体の経験が遺伝的に後の世代に引き継がれる現象が明らかに……
 実験は、オスのマウスの脚に電気ショックを与えながらサクラの花に似た匂いをかがせ、この匂いを恐れるように訓練。その後、メスとつがいに…(後略)


これは、こちらの話にも伝播する。

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【070902】“獅子フン迅” シカよけ特効薬にライオンの糞成分

2007年09月14日 | 獣害-対策:忌避
 百獣の王は糞(ふん)も怖い? JR東日本盛岡支社が、ライオンの糞から抽出した成分入りの試験液を、岩手県内を走る釜石線(花巻-釜石駅)の一部路線に散布したところ、列車とシカとの衝突事故が激減したとの実験結果を明らかにした。同支社は、研究開発した岩手大と連携して動物忌避剤の特許を出願するほか、商品化も目指す。

 同支社によると、山あいを走る釜石線では、野生動物との衝突事故が年間約40件発生し、被害の大半がニホンシカやニホンカモシカ。シカを近づけない有効策がなかなか見つからなかった。

 同じ悩みを抱えたJR西日本が平成15年秋、ライオンの糞をまく実験で、シカを線路に寄せ付けない効果をあげたことを知り、釜石線でも同じ実験を実施。翌16年には、盛岡支社の要請を受けた岩手大の松原和衛准教授を代表に「ライオンプロジェクト」を立ち上げた。

 プロジェクトチームは、地元の盛岡市動物公園で飼育されているニホンシカを使って実験を重ね、シカが嫌う有効成分を絞り込んだ。17年と18年の秋に約3キロの区間で試験液を散布したところ、年間20件あった衝突事故を3件に減らすことに成功した。

 日本の野生のシカが、見たこともないライオンの糞を避ける理由について、松原准教授は「恐らく、シカとライオンの先祖が出合っていて、シカは身を守るために避けようとするDNAが組み込まれているのではないか」と指摘する。

 同チームは、有効成分の絞り込みをさらに進め、3年以内の商品化を目指すという。
blog.goo.ne.jp

だから!
本能説、学習説の争いは、幾年にもわたる研究と論争の結果、「本能説」に軍配が上がったようなのだ。
他ならいざ知らず、NHKの番組なら幾重にもファクトチェックし、厚みのある証拠と判断の末に報じているのだろう。
ボーっと生きてんじゃねえよ




そして、名古屋大学の川合伸幸教授」も名前と顔を出して論じておられる。ネット社会も進歩しているから、少し調べればこのテーマにまつわる専門的な論文も見つかる、読むことができるかもしれない。
でも調べない。…といいつつ、ついつい検索しちゃった。ネイチャーに載ったみたいよ

www.nagoya-u.ac.jp
【ポイント】
・人間やサルは脅威の対象を早く見つけることが知られていた。
・ヘビやイモリを知らないサルが、イモリよりヘビを早く見つけることを確かめた。
・もともとウロコがない両生類のイモリに、画像処理でヘビのウロコを貼り付けると、ヘビと同じくらいか、それより早く見つけられた。
・ヘビに脅威と感じるのは、長い身体や尾、クネクネした動きや姿勢のせいでなく、ヘビのウロコのせいであることが判明した。

 
◆詳細(プレスリリース本文)はこちら


【論文情報】
雑誌名:Scientific Reports
論文タイトル:Japanese monkeys rapidly noticed snake-scale cladded salamanders, similar to detecting snakes
著者:Nobuyuki KAWAI
DOI:10.1038/s41598-024-78595-w
URL:https://www.nature.com/articles/s41598-024-78595-w
Japanese monkeys rapidly noticed snake-scale cladded salamanders, similar to detecting snakes | Scientific Reports

そんなことで、理知や経験によって得る恐怖というのも別にあるんだろうけど(まんじゅうとか濃いお茶が怖い、など)、こと蛇にいたっては、人間は遺伝と本能によって恐怖感を感じるのだと。蛇が怖くないやつは本能がおかしいっ。
だから、蛇を一度も見たことがない赤ちゃんとかも、へびをみたらびびるのだと。


こういう大いなる科学ロマンが、人気番組によって世に広まることを喜ぶのです。・・・・でも、ホントかなあ?(いまなお、ちょっと疑う。)



【日曜民俗学】※準タグです。この言葉でブログ内を検索すると関連記事が読めます
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WWE、2025年RAW開幕(無料視聴可能)のOP映像、プロレスとメディアの関係から「時代はTVからストリーミングに移った!」と堂々宣言し、興味深かった。

重要なのは、日本では1週間無料配信されていることです

https://abema.tv/channels/fighting-sports/slots/CfXNg1BtzJiRkB

1月7日(火) 21:00 〜 1月8日(水) 01:00

無料
あと6日間視聴できます

詳細情報
格闘ジャンルトップはこちら

https://abema.tv/video/genre/fightingsports

YouTube アベマプロレスチャンネルはこちら👇

https://www.youtube.com/@Wrestling_ABEMA/videos

大迫力の試合をテレビの大画面で楽しもう!

https://contents-abema.com/tv-howto-basic/

世界最大のプロレス団体・WWEを日本語実況付きで週2回無料中継!赤いブランド・RAWは火曜よる9時!

とはいえ、俺とて3時間半はビビるわ。
そこで、試合はまだ見られなないんだけど、冒頭25分の視聴をお勧めする。

というのはこの回から(日本ではabemaTVだが)、世界ではネットフリックスで配信されることになるねん、RAWが。

そのことを強調したOP映像があるの。
これが、ちょっとエモーショナルで…こういうプロレスの歴史って、WWEが自分の「神話」として再構成した部分がある(その映像権利を買って補強するから強いよな…)のだけど、やっぱりグッとくる。

WWEのRAW
WWEのPAW プロレスとTV
WWEのRAW


なんか「シュートとワーク」とかさらっと言ってるな…

そして

WWEのRAW

「TVからストリーミングに」……



ところで、その次の第一試合。
サモア系レスラー同士が「一族の長(トライバル・チーフ―)」の称号をかけて、サモア王族の象徴である深紅のウラファラを奪い合う、ウラファラ(いわゆるレイですな。ハワイで良く歓迎の印となってるやつ)がタイトルベルトのような「トライバルコンバットマッチ」、というちょっと面白いことをやってる。


WWEもいつの時代の話だったか「POLITICAL UNCORECT」を堂々と宣言する、というわけにはいかず、世界的大企業としてポリコレ的な要素を取り入れている。だからこれも「少数民族の文化の尊重」的な文脈もあるんだろう。

だけどな、その結果として「真紅のウラファラを争奪しあって『どちらがトライバル・チーフ―にふさわしいか』をリング上で決める」という試合をリングでやるってのは、考えてみると異文化尊重なのか何なのか(笑)

ドラゴン・シアイ・マッチとかとあんまり変わらないような、気もするな。
だが、これで全然、文脈をしらない「サモア文化」を知るとっかかりには少なくとも俺はなってる。
これはWWE,プロレスに限らず、エンタメに取り込まれた文化知識に関してあるあるな話です。

幻の番外漫画版とは何か?「機動警察パトレイバー番外編 運用マニュアル12章」電書が148円。/ゆうきまさみ&とり・みきの「土曜ワイド殺人事件」シリーズも55円

これまたびっくり…というかふたをあけたらさらに超びっくりだよ!(価格は2025年1月8日現在※セール価格)

機動警察パトレイバー番外編 運用マニュアル12章 (カドカワデジタルコミックス) Kindle
ゆうき まさみ (著) 形式: Kindle


東京都下の某山中で怪物出現? 地元警察が奮闘するも歯が立たず、ついに特車2課へと出動命令がかかる。はたして怪物の正体とは……!? 週刊少年サンデーでの連載とほぼ同時に、月刊ニュータイプの特別付録として描き下ろされた幻の漫画! アニメ版に基づいて描かれ、世界観がやや異なる本番外編は、のちにテレビアニメ第4話「魔の山へ行けっ!」として放送された。

なんか、そんなのがあったといううっすらとした記憶というか伝聞があったな…思い出した

「幻の漫画版」収録の「マニュアル」。

「いつも太田が先行するから泉野明が怖い目に遭う」って、正論だけど言っちゃならんだろ(笑)

あっ、そういえば、いわゆる少年サンデー版のゆうきまさみの筆による香貫花クランシーが特車二課の制服は着てないはずで、これだけでもレアやん。



ただ!数えたら36ページの漫画だよ。要は雑誌付録だったわけだから、むかしはこういうのけっこうあったよね。
その36ページを148円というのは、けっこうあっちが強気な商品だ(笑)


KADOKAWAとの価格交渉(セールを買うかどうか)は、けっこう駆け引き、手練手管をやつらは行使する。148円が本当に適正価格か。もう一段待てばこれも110円とか55円で売られる日もあるんじゃないか?とは思う。その点は注意喚起をしておきます

パトレイバー幻の番外編

「好戦アニメを見るとは何事だ!」「健全な愛国心を」…~「ゆうきまさみ初期作品集」2冊で計110円!大議論読んだあの両作品も/他のゆうき関連作品も!

こりは びっくり。(価格は2025年1月8日現在※セール価格)

『究極超人あ~る』や『機動警察パトレイバー』などで多くの漫画ファンを魅了してきた、ゆうきまさみの初期作品集が登場。『アッセンブル・インサート』、『ヤマトタケルの冒険』など、原点といえる初期作品多数掲載

『究極超人あ~る』や『機動警察パトレイバー』などで、多くの漫画ファンを魅了してきた、ゆうきまさみの初期作品集が登場! 『マジカル ルシィ』、『時をかける学園』など、原点といえる初期作品多数掲載!


で、さかのぼること5年前。ここに収録された作品をもとに、けっこう議論が盛り上がったのでした。(このブログとブクマの周辺だけで)

その記事
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そのブクマ
[B! ゆうきまさみ] 「アニメで健全な愛国心」も「平和のため好戦アニメ排除」も、若きゆうきまさみ先生は揶揄した、という話 - INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-


実家には紙版があるのだけど、簡単にとりに行けないから議論を展開させるための画像を手に入れるために、何度も単語の種類を変えて検索してようやく見つけたことを思い出す。

ゆうきまさみ初期短編
ゆうきまさみ初期短編



そういえばこのへんのアニメパロディは雑誌「OUT」に載っていた筈だ。
そのOUTの歴史を保存・検証するプロジェクトが始まったことと合わせると感慨深い。

whatwasout.online
月刊OUT」は、1977年に創刊され1995年に休刊となった、みのり書房発行の月刊誌です。当初はサブカルチャー総合誌として発刊されましたが、徐々にアニメと読者投稿を主体とした雑誌へと変貌していきました。

この雑誌は、発行されていた18年間、アニメを中心に、おたくカルチャーの成長拡大と並走しながら、少なからぬ影響を与えてもきました。しかし、その功績が語られる機会が多かったとはいえません。かつてのおたくカルチャーがポップカルチャー全体に浸透している現在、おたくカルチャーを源流とする大きな文化史のなかに月刊OUTを位置づける作業が必要なのではないでしょうか。

「新」も含めたナニワ金融道と「青木雄二物語」が電書1冊77円セール

余り見聞きしない「スマートゲート」というところ。

Smile Sale 初売り ポイントアップキャンペーン開催中 (適用条件あり) 細則を確認
「大阪一の金融屋になる!」勤め先が倒産し失業した灰原達之は、金融業を天職と決め金融会社「帝国金融」の営業マンとして働くことに。
しかし、それは甘い仕事ではなく、灰原は借金を肩代わりしてソープ嬢になった女、詐欺に手を出した男、闇金業者との対決など、金にまつわる様々な人間ドラマや裏社会の事情に直面していく……。
商都・大阪を舞台に繰り広げられるナニワ金融マンガ、開幕!

<目 次>
1発目 会社が倒産してもうた
2発目 払わん方が悪いんじゃ!
3発目 カモが荷物まとめて夜逃げした!
4発目 たとえ逃げてもカモはカモや!
5発目 金さえ払ろたら文句ないわい!
6発目 最後に一発、かましたろ!
7発目 ババ掴まされてしもたがな!
8発目 金融屋が泣き寝入りすると思うなよ!
9発目 追い詰めたぞ!!
10発目 ナニワの借金返済法!


奇書「青木雄二物語」も全巻。


ナニワ金融道』の作者・青木雄二の半生を描いたノンフィクションコミックが登場!
関係者のエピソードを基に、売れっ子マンガ家の日常から夫婦のなれそめまでを赤裸々に描く!

<目 次>
第1話 出合い!!
第2話 けったいなオッサン!!
第3話 淋しい背中!
第4話 封印されたマルクス
第5話 結婚してくれや!
第6話 暗闇からゼニ!?
第7話 女の友情!
第8話 私の名前、若代いいます!!
第9話 許さへんで!!
第10話 えぇかげんせぇ、オバン!
第11話 残ったボトル!!
第12話 銭の匂いを嗅ぎつけた男!!


あらためて考えると、「ナニワ金融道」、作者の逝去後もスタジオが新シリーズ次々出してるんだから「クレヨンしんちゃん」に負けないコンテンツなんだろうけど(笑)、世間の受け取り方は
「おもしろ法律解説漫画」
あるいは「下品で下世話だけど率直なカネへの本音を描く漫画」
だったと思う。
ただ本人は「これはマルキシズムを物語化した超芸術的名作や!」という意識だったんだな(笑)

その主観的な齟齬が、いわゆるクセ球というか、微妙なオリジナルの変化があるカーブのような魔球になったと思う。
逆に大金持ちになった青木がどんな風にその「自分」を保ち、あるいは変わっていくかが評伝漫画「青木雄二物語」の魅力でもある。


おもしろ法律解説も、人間の下世話なカネへの欲望、その「裏の世界」を正面から描くのも闇金や異形の弁護士ものがジャンルとして定着したいま「ナニワ金融道」独自の価値はなにか?
それを令和のいま、読んで確かめるのも一興。

【再論】SHOGUN人気は「SAMURAIは知ってる」という「大前提」を培った、先人の成果でもある

【AFP=時事】第82回ゴールデングローブ賞の授賞式が5日、米ロサンゼルスで開催され、17世紀の日本が舞台のドラマシリーズ「SHOGUN 将軍」が、テレビ部門で4冠の快挙を遂げた。

【写真】授賞式で笑顔を見せるアンナ・サワイら『SHOGUN 将軍』のキャスト

SHOGUN 将軍」はテレビ部門で作品賞に加え、真田広之さんが主演男優賞、アンナ・サワイさんが主演女優賞、浅野忠信さんが助演男優賞と主要4部門での受賞となった。
news.yahoo.co.jp


ゴールデングローブ4冠で過去記事も読まれてるんで、簡略化のため一部を省略して再投稿しよう




※前半略。興味ある人はリンク先へどうぞ

SHOGUN」大ヒットで最初に感じた感想ってのは俺の場合ね……これは「ゴースト・オブ・ツシマ」「ニンジャタートルズ」「アサシンクリード(&弥助)」「るろうに剣心」「鬼滅の刃」…もろもろのヒットのたびに思ってるんだが…「日本スゴイ」の逆、大前提としての「日本スゴクナイ」が念頭にあるタイプなんです、わたくしというかわたくし以前の世代というか

そもそも、日本のような小さな島国の古い歴史に、世界のほとんどの国が興味をもつ『筈がない』。【それなのに】16、17世紀の日本の歴史を下敷きにしたドラマが世界で大ヒットしたり、サムライ、カタナ、ニンジャ、ゼン、ジュードー、カラテなどが世界の共通ワードになっていること自体がなんとも不自然だなあ…


こういう大前提の自己認識があって、
【それでも】SHOGUNやゴーストオブツシマ、アサシンクリードといった作品の人気を見ると、あれっと思う訳。…そういう人いない?


ただ、これに関しては、自分で答えを4年前に用意している(笑)。

これは再度読んでいただいたほうがいいので、一番重要なところを装飾で強調しつつ再掲載する。

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日本への「元寇」をモデルにしたゲームがPS4で作られ、話題を呼んでいる。元寇そのものについての話や、剣術や、時代考証や、「文化盗用」についてまで…

(略)


それはそれとして…今回のその話題で強く思ったのは「そもそもアメリカのゲーム会社に『モンゴルvsサムライをテーマにゲーム作ったら面白いんじゃね?』と思わせる基盤があったのは有難いことである」というものだった。

こういうのを強く思ったのは、そもそも「ウィザードリー」だったんだけど、実はパロディ、おふざけ的な意味合いもあったらしいウィザードリー(当時は知らなかった)に、まずプレイヤーの属性的にそのまんまサムライやニンジャがあり(たしか戦士や盗賊の上位互換だったよね?)、また敵の怪物に「ドラゴン」とは別の、オリエンタルな「ロン(龍)」がいたりした。


なんでそうなったかといえば、近代的なメディアやエンタメの中心が西洋だった近代初頭、新渡戸稲造の「武士道」から嘉納治五郎の「講道館」まで、非西洋文明の中では比較的早く、あちら(西洋)のルールに入り込んで知名度を高めることができたこと、戦後に映画やテレビドラマが発展した時も、クロサワやザトーイチ、そしてサニー千葉知名度を高めたことがあるだろう。
この時代には「眠れる超大国」である清、チャイナも相当なもので、チャーリー・チャンフー・マンチューらが活劇で活躍したりもし、「東洋の神秘的なアレコレ」を中国人が体現していたので、そういうご都合主義的な魔術で解決したり犯罪を実行させたりするなよ!!との意味で「推理小説に中国人を出してはならない」とノックスが言ったりした。
このへんの時代、そういう情報に地域や国ごとの濃淡があるのは、ある種已むをえないことといえる。


だが、それは「グローバリズム」のおかげで、相当に解消されてきている。
いまだにエンタメやメディアの中心が英語圏的なものであるのはやや残念ではあるが、ここでのギミック、設定…想像力に、非西欧圏のあれこれが加わっていくのは慶賀の至りだ。ブルース・リージェット・リーもそうだし、チュモンチャングムや、例の「愛の不時着」もそうだろう。
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(中略)


ちょいと興味があるのは、
外国人がありがたいことに、逆にjapanの「サムライ」「チャンバラ」「ニンジャ」を愛してくださるじゃないですか。でも、ノブナガ、ヒデヨシ、イエヤス、シンゲン、ケンシン・・・などのイメージや意味、あるいは「センゴクジダイ」をどの程度把握してくだすっているのか、とか、幕末の「ローシ」「シンセングミ」、あるいは「イシンレボリューション」をどう把握してるのか…そんな知名度やイメージが、なかなか計りづらい。

こっちも測りづらいんだから、あっちも計測しがたいでしょう。
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(略)


長々と書いてしまったが、もう一回我と我が身を振り返ればいい。

タイにも、日本の明治維新リンカーン奴隷解放令に負けないぐらいに、国家をドラマチックに改革し、民衆の生活を向上させた「坂の上の雲」な物語がある。
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中東にも、源平合戦に負けないぐらいに、ふたつの一族が、その存亡をかけた大戦争を行った叙事詩(ウマイヤ王朝からアッバース王朝への交代)がある。
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アッバース革命


英雄王二人が、武田信玄上杉謙信のごとく、お互いに認め合いつつ対峙した攻防がある(マンスールとアブド・アッラフマーン)
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マンスールとアッラフマーン

しかし、これらの話も詳しく調べれば血沸き肉躍る物語だろう。だが、それに材を取った物語は無いとは言わないが、残念ながら世界に広く知られ、見られ読まれているとはいいがたい。特に英語圏、いわゆる「欧米圏」では……たとえば「ハリウッドの企画」に挙がるまで、実際にハリウッドで映像化される前の段階で、力尽きてるんじゃないかいな?
SHOGUNと、問題点も含めて色々似てる部分もある、タイがモデルとなった「王様と私」についてもいろいろ考えがいはあるが省略)。


そういう点では、やはりSHOGUNがヒットする大前提として、カナタを手に下げて、エキゾチックなヨロイカブトに身を固めたウォリアーがチャンチャンバラバラとファイトするコンテンツを「おっ、ジャパンヒストリーのアレか、面白そうだ、見てみっかな」と、世界中の人にまず第一印象で思わせる、おやっと目を引くようにさせたことが「キセキの時代」であり、極めてまれな僥倖だったと思う。
この部分で「いや、俺は世界各地の古い歴史を、たとえば平均的なアメリカ人の『サムライ』レベルで知ってる。それぐらいは基礎的教養だよ」と言える人がいたらすごいが。



ともあれ、まず大前提としてうっすらとサムライニンジャカラテのイメージが世界中にある、というのがすごいことでさ。
そこにはカノージゴローもマダム・サダヤッコも、ニトベイナゾーの「BUSHIDO」も、戦前から作られた時代劇映画のフィルムも、黒澤明の映画も座頭市も、サニー・チバ、ショー・コスギも、マス大山も、ミフネトシローも……そういう蓄積と継続があって、初めてまず最初に「まあ、ちょっとは見てやろうか」的な印象を相手に抱かせることができたんだ、と思うのよ。


漫才漫画「べしゃり暮らし」の中に端的な、そういう場面がある。

べしゃり暮らし 面白いというイメージを最初に持ってくれてるか 4巻
べしゃり暮らし 面白いというイメージを持ってくれてるか 4巻


「あかね噺」でも、同様の話があった。

あかね噺 会場をホームに
あかね噺 会場をホームに


ここでいう「いつの間にか身にまとった空気」「顔と名前を憶えてもらっている」「会場をホームに」という段階に、「ジャパンの”時代劇”(サムライ・ストーリー)」は、よくも悪くも世界のエンタメ史上の中で達していたんだろうと思う。
それは偉大な先人に感謝し、それを発展させた真田広之にあらためて感謝、という話にもなる。


そしてまた、それを受け入れた側の凄さでもある……とは、上の過去記事にも書いた通り。

そして、1990年代以降、まさに韓流ドラマ、華流ドラマが「そういう空気」を身に纏うことに成功してるではないか。
いろんな国で、チュモンチャングム、冬ソナ、そしてパラサイトやイカゲームによって「ふーん、よく知らないけど、コリアのドラマなら、とりあえず一話は見てみるか?」という層が恐らく世界中にできている。
「韓国時代劇」の鎧や武器などのビジュアルイメージや基本設定も浸透しているだろう。すでに韓流ドラマファンの朝鮮史の知識は、半端な世界史オタクのおれなどでは、とてもかなうものではない。

タンザニアを旅行するバックパッカーが、同国の映像関係者と知り合って話すには…

タンザニアではインド映画、アメリカ映画、韓国映画

(海外縁に任せて歩くだけ)

(略)


そういう大前提を、あらためて思ったエミー賞でした。



もとはこちら
m-dojo.hatenadiary.com

真田広之4冠記念…でなく偶然に「独眼竜政宗」で彼の活躍回再放送(BS4K)

こういう情報を貰ったのでそのまま載せる

BSプレミアム4Kの予定ですが、真田広之さんのゴールデングローブ賞受賞を記念してお知らせ。

1月9日(木)午後6時15分ー7時、NHKBSプレミアム4K 大河ドラマアンコール「独眼竜政宗」第39話「五郎八(いろは)、嫁ぐ」。
徳川家康の六男忠輝(真田広之さん)と政宗の長女五郎八(沢口靖子さん)の縁組が成立する。
真田さんは本作が(おそらく)大河ドラマ初出演、この回が初登場。
ちなみに4年後の大河ドラマ太平記」でこの2人は、主役の足利尊氏と妻登子(とうし)を演じる。

4Kのアンコールは、1月5日(日)午前11時30分からが本放送済み。木曜は再放送。

通常のBSプレミアムでも、1月6日(月)午後6時から、第1話放送が始まりました。39話は約8カ月後の予定。

どれどれ、探してみようか

【注意】「BS4K」の「再放送」です

(39)「五郎八(いろは)、嫁ぐ」
慶長11(1606)年、政宗渡辺謙)の長女・五郎八(沢口靖子)と家康(津川雅彦)の六男・忠輝(真田広之との婚礼が執り行われた。さらに翌年、家康は、娘・市姫と伊達家の嫡男・虎菊丸の婚約を成立させた。政宗は、一年ごとに江戸と仙台を往復し、江戸では儀礼交換や外交につとめ、仙台では国造りに没頭した。慶長15(1610)年、五郎八と忠輝はキリスト教の信者になり、忠輝は政宗に海外進出の夢を語るのだった。

このエピソードの放送予定
都道府県(放送局):
東京都(首都圏局)

東京都(首都圏局)
1月9日(木) 午後6:15〜午後7:00
www.nhk.jp