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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

【再掲載】「数年前のBL語りは、ポリコレ基準で再読すると発言者の『致命傷』が多い」という説

この記事、もとは2021年の記事なんだけど「再掲載してみたら?」という要望・提案を受けたんで、そうしてみます

以下、過去記事再録
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ある記事への、ブクマにこう有りました。

すこし前までBL語りすることが女性の解放だという風潮があって、そういう本もけっこう出たけど、そんなわけはなくてポリコレ的に致命傷のブーメランになっていてあの頃語っていた人みんな戦々恐々としていると思う。

https://b.hatena.ne.jp/entry/4705546724776613442/comment/tokyotokyotokyotokyob.hatena.ne.jp

自分は2011年の、この記事を書いたときにはじめて「BL」という文化を体系的に調べ、初歩的知識を得て考え始めた新参もいいところのものですが、それでも興味深いものだ。
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そして、以下に紹介する漫画の描き手は男性なわけですが、それはそれとして…再紹介

ゆうきまさみ先生の、小味の効いた全3巻の短期連載「でぃす×こみ」という作品がある。内容は…アマゾン解説参照

まさか…BL!?兄妹漫画家コメディー!

「ゆうきさん、どうしたの!?」と物議を醸した、
革新の“漫画家マンガ”誕生!!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

万年選外ながら、漫画家を目指す女子高生・渡瀬かおる。
しかしある日、ビッグな新人漫画賞を受賞!
だが授賞式で仰天&顔面蒼白―――
それもそのはず、「あたしが描いた漫画じゃないっ!!」!!

なんと、かおるの名前を騙って、しかも“BL漫画”を
応募したのは―――実の兄だった!?


笑劇必至、ゆうきまさみの新境地!!
努力の妹×天才の兄が織りなす、凸凹漫画家コメディー!



連載が始まった直後、まだ単行本も出ない中で、紹介文を載せた当ブログ。
ただ、そのとき、これに気づいたのはたぶん慧眼なんだろうけど…タイトルに注目。
抜粋して、例によって「再放送」する。

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(略)

これは「差別」か?

つまり、このように「取りつくろいもの」になる理由というのが・・・社会的偏見、差別主義者の跋扈する今の社会状況がシカラシムルものではないか??という問いです。

こーすることによっておはなしが、前述したような笑える「取りつくろいもの」になっていくのは分かりるのですが、ここで皆さんお待ちかね、「ポリティカル・コレクトネス」の登場でえす。
さて、この女性編集者の態度は”差別”か”偏見”か・・・あるいは?という問いをたててみる。
(略)

ま、とにかく、本人の個人的な、リアルな性的指向がどーこーに関係なく、
(1)創作意欲のたまものとして結果的に「BL漫画」を描く「男性漫画家」がいた、と。
(2)それを知らずに、その男性に「(ああいう)BL漫画を、男性が描いたらドン引きですわー」と編集者が言い放つ。
(3)その結果、(1)の男性は正体を明かす(カミングアウト?)ことができなかった。

この展開・・・「愉快なコメディ」なのか「深刻な社会的差別・偏見を告発するドラマ」なのか?
かの(2)の女性編集者は、恥知らずの差別主義者なのか???

いいですか、ワンモアリピート。

「…これもまた、女子による女子のための漫画なんだからってね!」

(問い)「つかぬことを伺いますが―――すると男子はあーゆー漫画を描きませんか?」

これは女子ロマンの世界ですからねー。男の子には描けないってゆーか…男が描いてきたらブッ飛ばすってゆーか…」

「そうねえ、もし男があれを描いてきたら――。ん〜〜 あ、だめだめ!あたしが真っ先にドン引き!!


もちろん、これは「架空の人物」の「架空の発言」であり、さらにいえば、こういう人がいない事には「とりつくろいもの」としての同作品がそもそも成立しないというストーリー上の必然というものがあって、作者の思想の反映とも思えないし、上のリアルな発言とはそもそも別物である。ただ、それとは別に、作中の人物に評価を下すとするなら…上の女性編集者(八反田)は「やや発想が極端で過激だが、善良かつ優秀な人」ぐらいの微熱的な批判をするわけにはいかまいて。
(後略)

ただ、上のような「BLは女の子のためのコンテンツ、男は入ってくるな!!」的な主張も大問題ではあるのだが(繰り返しますが「でぃす×こみ」自体はフィクションで、男性執筆のものです)、本丸はそちらではない。やはり「自分はこういう恋愛…というか性的な関係が理想だ」的な”語り”(そこには、おそらくエンタメ的な、あるいは自虐的な誇張もあったろう)に、「ポリコレ基準でアウト」な発言があるのではないか、ということです。

異性愛も含めて言えば、たとえば、女性にあこがれる人が多いという「壁ドン」ひとつをとっても、である。

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これもすごい


第1章 やまだないと×福田里香「私たちの大好きな少女マンガ」
やまだ:少女マンガってさ、ちょっとタブーっぽいこともありにするための工夫をいろいろ考えるよね。
よしなが:そうですね。男同士もタブーの一つだし・・・
やまだ:男同士がタブーっていうよりも、~中略~、レイプされてみたいっていう願望がタブーだから、
男の子とかの姿に変えて描くんじゃないかな。
福田:レイプ願望とは違うと思うな。~中略~ ていうか、レイプしたくなるぐらい・・・・
福田・よしなが:私を好きになってほしい!
福田:(笑)ってことなのよ。
~中略~
福田:その人限定でレイプされるほど愛されたいってことなのよ。
レイプは最上級の乙女表現にすぎない。
よしなが:一般のレイプ願望ではないんだよ。その人にどれだけ求めてもらえるか、っていう話なんですよ。
福田:だから、それ読んで女の子が全員レイプしてほしいと思うのは大間違いで、そんなことは望んでない。
だいたい男の人って勘違いするんだよね、それ読んで。
blog.goo.ne.jp

BLにおけるレイプ描写肯定論


ただ、それが取り締まられるべきか、規制されるかといえばそうでもなかろう。それは「ハコヅメ」105話が、端的な補助線となる。
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ハコヅメ「人を傷つけないように生きてきた変態がいるはずだ」

ただ、それらの発言を調査、発掘して保存しておく……、それ自体はいろいろと後世のために役立つのではないか。

というか、さっそく、その事例が集まっている。(主にコメント欄)
togetter.com


すこし前の話
togetter.com

アオイホノオとかサルまんとか……【小学館・半額還元シリーズ補遺集(なんかこの話ばっかで恐縮ですが…)】

自分も、この話題打ち止めしたいんだ!だが、そのためには「買い切る」しかねえんだっ!
目ン玉飛び出る金銭感覚!!!(プロレス地獄変風)


この前、そうなってなかったものも「全巻半額還元」になったりしてる

※全30巻すべて半額還元っぽい。この前はそうじゃなかったぞ!













元編集者による「”右翼”雑誌の舞台裏」という本が出た。奥山真司氏が「読み始めたら止まらない」と推薦。

※ この商品には出版社独自のフォントが実装されています。より良い読書体験を得るためには、iOSAndroid端末での閲読を推奨します。それ以外の環境では、独自フォントでの正しい表示を保証できません(通常フォントでの閲覧には問題ありません)。

21世紀日本の保守論壇を牽引してきた雑誌『WiLL』『Hanada』の元編集が雑誌の舞台裏を明かし、その功罪を分析する。花田紀凱インタビュー収録!

これ、帯がないと魅力半減だな

帯付き 「右翼雑誌の舞台裏」

ちなみに当方、こんなリプを付けた

『諸君!』は初代編集長から最後の編集長まで、
おおむね、その創刊時の理念を引き継いで編集されてきたと思う。
「反体制」ではなく「反大勢」雑誌だった。
朝日やNHK岩波書店などがつくる「大勢」に対して、
こんな見方も、こんな事実もあるんじゃないのと、揶揄したり、
茶々を入れたり、時には真剣に徹底的に論破したり……と。
それこそが、言論出版の自由の最たるものではないのか。
大新聞などが、戦前の軍部のようにみずからへの批判を許さない
「検閲機関」のように居丈高になっていたときに、
週刊誌や月刊誌が、細々と異論を提示したからこそ、
日本の言論の自由は守られてきた。 (本書より)

文藝春秋が刊行していたオピニオン誌『諸君!』の編集に
長年たずさわった編集者による歯に衣着せぬ回想記。
洒脱な筆致で、迷走する雑誌ジャーナリズムの存在理由を問い直す。



「チ。」の作者が『陰謀論』がテーマの作品を描いた、と聞いていたが…『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ』全4巻も半額還元

「チ。」「ひゃくえむ。」の魚豊先生は、2021年に今後描きたいテーマとしてこんなことをゆってた。

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「Q:次回作で描きたいものは?」
という質問への答えが


「ネットのトロールとか、荒らしとか言われるものを描きたい。それも、荒らす側を主人公として」


ははん、複雑な現在社会にするどいメスを入れる問題作品だな・・・・・・・・・と思ったんだけど、スタッフが魚先生に聞いた、補足の同作品構想では

「主人公が(荒らしの)師匠と出会い、『ネット荒らしこそ、俺が俺であるために必要なことだ!これが俺の生きる道だ!!』と、すごく一生懸命に頑張る王道作品」を描きたい、みたいなこと言うてた。


なんか


いろ
いろ


ちがう・・・・・・・・・・・・

それと、どのへんまでつながっているのか。


『チ。』の魚豊が描く、恋と陰謀ーー!!

あの人に、好きな人はいるのかなーー
あの時話していた言葉の意味ってーー
抱いた恋心が溢れるとき、
世界を動かす謎に迫っていくーー!
『チ。』『ひゃくえむ。』の魚豊が描く、
圧倒的新機軸、前代未聞のラブコメストーリー!!


片思いの先でたどり着いたのは、”陰謀論

恋路の中で覚えた違和感。
「あの子は俺とイイ感じだったはずじゃーーー」
疑念が疑念を呼び、
やがて世界そのものを疑うようになっていく。
『チ。』『ひゃくえむ。』の魚豊が問いかける、
「嘘」と「真実」の物語―――!!



陰謀論”を、信じた先にあったのは――

正義のため、真実のため、
勉強を重ね、努力を続けてきた。
人生の何よりも、夢中で取り組んできた。
そんなものが、もし嘘だったら―――

『チ。』『ひゃくえむ。』の魚豊が紡ぐ、
「信念」と「疑惑」の物語ーーー!


陰謀論”を信じてはいけなかったのかー?

「人生が、始まってる気がしない」

小さな不信感から始まり、傾倒した”陰謀論”。
しかし嘘に裏切られ、手元に残ったのはいくつかの疑問だった。
「なぜここでトラブルに遭ったんだろう」
「なんであの子と出会ったんだろう」
「なんで陰謀論を信じたんだろう」
”陰謀”と決めつけて蓋をした疑問に再び向き合い、
答えのない問いに決着をつけることはできるのかーーー

『チ。』『ひゃくえむ。』の魚豊が示す、
「運命」と「真理」の物語―――!!

しかし、我ながら軽忽なんだが、買っちゃったよ。すでに。
自分はこんな人間じゃなかったはずだ。その作品が面白いか、お金を払うに値するかについて慎重の上に慎重に見極め、そしてブックオフの100円コーナーに出ないかずっと見極めて、何度も足を運んで見つけていく・・・・・・・それが、1ページも読んでいない作品に…「魚豊が!陰謀論をテーマに描いた漫画!ホホーッ、興味深い……」とポチる。


おかしな時代だ。

ともあれ、わたくしと同様に「興味深い」、と感じた人は気にかけておくれ。

大急ぎで読んでみて、

FACTへようこそ!


「墨攻」漫画版も半額還元中。自分は原作準拠の攻城戦編1~4巻を推奨

ここからの続き
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まず、ちょっと余談なんだけど、以前興味を持って調べたところでは、Amazonの書影につく解説って、おそらく担当編集に大きな権限があり、簡単に書くか詳しく書くかは裁量次第っぽいんだよね。短い人はゼロ(なし)なんてのもあるし、全巻同じ基本設定のみの紹介だったり…
ところがやる気のある?あるいは「過剰」な人はいくらでも文章を書きたければかける、ようだ。
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そして、漫画版「墨攻」の編集者?はやる気のありまくりな人だったようで(笑)

▼第1話/革離、易水を渡る▼第2話/革離、宣言する▼第3話/革離、城壁をなおす▼第4話/革離、敵兵を斬る▼第5話/革離、強者をのぞむ▼第6話/革離、武器を作る▼第7話/使者、来たる▼第8話/模擬戦▼第9話/開戦▼第10話/蔡丘、立つ ●登場人物/革離(城邑防衛を専らとする墨子教団から、梁城を守るために唯一人でやってきた墨者) ●あらすじ/約2300年前韓・魏・趙・齊・燕・秦・楚の七国が争う戦国時代の中国。超の大軍が、燕の小城、梁城を落とそうと、国境の易水川岸に軍を構えていた。梁城では、城を守るため城邑防衛のエキスパート集団、墨家から墨者を呼んだ。しかし、やって来たのは唯一人、革離のみだった(第1話)。▼一万五千の趙軍がやって来るまで後一か月。革離はその短い間に城壁を修理し、武器をととのえ、農民を兵に鍛え上げるために、城内の全権を自分に与えろと城主、梁渓に迫り、将軍たちの不快を買う。夜になって、死ぬのがいやで逃げ出した農民の蔡丘の妻が産気付いき、取り押さえられる。夜が開けると城壁の外に狼の頭が刺された竹槍が立てられていた。革離はそれが城内に潜り込んだ趙兵の仕業と見破る(第2話)。 ●本巻の特徴/戦国時代の中国で、殺人行為を否定し、城邑を守ることで戦争を終わらせようとした墨家教団のひとり、革離の登場シーンから初戦の勝利までが描かれる。また、敵方の巷淹中将軍に、墨家の内情を見破られる(第8話)。 ●その他の登場キャラクター/梁城城主・梁渓(第1話)、梁渓の息子・梁適(第2話)、農夫・蔡丘(第2話)、梁適の兄・梁魁(第5話)、巷淹中将軍(第7話) ●その他のデータ/孫子の兵法(墨子と反対に、敵を攻めるための法)
 ▼第1話/暗殺者▼第2話/死闘▼第3話/革離、倒れる▼第4話/来訪者▼第5話/返答▼第6話/地の竜▼第7話/穴攻▼第8話/満月の夜▼第9話/殲滅▼第10話/古傷 ●登場人物/革離(梁城を守るために唯一人でやってきた墨者) ●あらすじ/城内に火を放たれた梁城の邑民たちは、それでも壁を守ることに専念していた。趙軍の巷淹中将軍は邑民たちを城壁を釘付けにしておきつつ、大凧に乗せて革離暗殺のための兵士を送り込んだ(第1話)。▼革離と暗殺者の戦いが始まった。革離を抹殺せんがため足の骨を折りながらも向かってくる暗殺者に額を割られる革離だが、なんとか勝利し、血まみれになりながらも城壁へ戻ってくるのだった(第2話)。 ●本巻の特徴/2戦目を終え、束の間の休息をとっていた梁城に、墨家からの使者・薛併が訪れ、戻ってくるように揺さぶられる革離。ここでは墨家教団の内部の変化が語られる。その後、趙軍の穴攻が描かれる。 ●その他の登場キャラクター/城主の息子・梁適(第1話)、巷淹中将軍(第2話)、墨家からの使者・薛併(第4話)、墨家の巨子(統領)・田襄子(第4話)、袁羽(第6話) ●その他のデータ/穴攻(穴を掘っていることを悟られぬよう、はるか彼方から、トンネルを掘り、城内へ進入する攻城法)
 ▼第1話/刺客▼第2話/邯鄲よりの使者▼第3話/巷の旗の下に▼第4話/油断▼第5話/攪乱▼第6話/殺戮▼第7話/梁魁の最期▼第8話/笑い顔▼第9話/急変▼第10話/革離、城を出る ●登場人物/革離(梁城を守るために唯一人でやってきた墨者) ●あらすじ/趙軍の穴攻から二日後、一人の刺客・李光が梁城の城壁を上っていた。なんとか城内に潜り込んだ李光だが、革離と誤って邑民の一人を殺してしまう。梁魁は趙の刺客が潜り込んでいることを見抜き、革離は次ぎの日の朝、邑民を広場に集合させ、刺客を見つけ出すことに成功する(第1話)。▼趙軍の攻撃は何度となく失敗に終わっていた。趙軍の兵士たちは疲労困憊し、脱走を企てるものも出て来ていた。そこへ趙の都、邯鄲から撤退の伝令がやってきた。しかし、巷淹中将軍は革離に最期の戦いを挑む決意をする(第2話)。 ●本巻の特徴/撤退命令を聞かず、一人でも戦うことを決意した巷淹中将軍の最期の攻撃が描かれる。しかし、財宝を持ち出してはバクチに使っていた梁魁が死に、怒った梁渓に革離は城を追い出され、梁魁の弟・梁適は自らが城を守ることを決意するまでが語られる。 ●その他の登場キャラクター/刺客・李光(第1話)、梁魁(第1話)、巷淹中将軍(第1話)、蔡丘(第5話)
 ▼第1話/革離なき梁城▼第2話/蔡丘、頑張る▼第3話/邑民の自立▼第4話/死者からの伝言▼第5話/総攻撃▼第6話/新兵器▼第7話/南門の攻防▼第8話/落城▼第9話/秘策▼第10話/決着 ●登場人物/革離(梁城を守るために唯一人でやってきた墨者) ●あらすじ/城主の息子・梁適と、いつも革離とともに行動していた蔡丘。革離がいなくなった今、梁適は自分が指揮をとると宣言するが、邑民たちは蔡丘の言葉を革離の言葉として聞いているのだった。そこへ、趙軍の兵士が忍び込んでいることが報告される(第1話)。▼蔡丘は趙兵探しを自分にやらせてくれと梁適に申し出る。蔡丘は今夜中に探しだして始末をつけるという。面白くない梁適だったが、愛妾・瞭姫に梁適なら邑民の心を変えることができるはずだといわれる。一方、蔡丘は策を弄して趙兵ふたりを見つけることに成功する(第2話)。 ●本巻の特徴/革離をなくした梁城と、二千の兵士で戦う巷淹中将軍。革離が城を離れたことを知った巷淹中将軍はカタをつけるべく、梁城を攻撃、半年に及んだ戦が終わりを告げる。そして、落城した梁城を救うべく、革離が秘策をねり、革離と巷淹中将軍はふたりだけの最期の戦いを始める。 ●その他の登場キャラクター/梁適(第1話)、蔡丘(第1話)、梁適の愛妾・瞭姫(第1話)、巷淹中将軍(第4話) ●その他のデータ/投人器(投石器の人間版。人を城壁の内側まで飛ばして門を開けるための巷淹中将軍の最期の切り札)


ぶっちゃけ、内容が詳し過ぎて読む気がやや減少(笑) わがブログも他山の石とすべし・・・



で、だいぶ前の作品なので、情報としてお伝えするんだけどこれは昨年亡くなった酒見賢一さんが原作なのね。
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だけれども、これは分量的に、1冊だとやや薄めかな?ぐらいの中編なんです。漫画版墨攻は2桁ぐらいまで続いたけど、たしかこの4巻以降は、オリジナル設定、オリジナルストーリー。原作改変というか追加。



決して5巻以降のオリジナル展開がグダグダ、愚策というわけじゃないけど、そもそも「攻城戦」は特殊なシチュエーションで、そこにはやはり特別な物語性がある。
そして、教科書的記述では「反戦平和論」のたぐいにしか見えなかった「墨家」は、「専守防衛の時は徹底的に軍事力を行使する。それがメチャクチャ強い」思想的・宗教的な傭兵集団だった、という、けっこう今では常識的になっていることを、発表当時のこの小説や漫画は、「驚きの知られざる話」として、広く知らしめたのです。

墨攻 漫画版

古代中国の「攻城戦」が、もちろんフィクションならではの奇想もあるけど、史実に準じた描写も非常におもしろく、学ぶこと多かった。

墨攻

この作品、その当の中国で実写映画化されていることも付け加えましょう

椎名高志、エラリー・クイーンとホームズが絡む「恐怖の研究」に興味を持つ。その本の主題は…「切り裂きジャック」!/そしてその椎名ホームズものが半額ポイント還元中

もとはなんだったんだ…って「もはや貸金庫が完全には信用できない」という時事ネタか!あぶねーよ!!

そこから。






さて、順々に話すから、順々に。皆さん落ち着いて。まずおれが落ち着け(シン・ゴジラ風)。

「恐怖の研究」について。

どうもホームズものは「パスティシュ」と呼んでしまうが、令和の今では「二次創作」といいかえるべきだろうな。

恐怖の研究は、要はシャーロック・ホームズの二次創作である。ただその話にエラリー・クイーン(探偵、キャラクター)が登場し、執筆者がエラリー・クイーンであるだけで(執筆者が、意図的に作中キャラと作家名を一緒にしてんの。同一人物という設定ではないのだけど。)。


いま出しても一定数は売れると思うのだけど、翻訳ってのは一定の権利料を払う必要があるため、多少売れ続けても絶版になりがちだという。一期一会。
俺は持ってるけどね!(マウント)実家にある。
でも中古も、高騰してるわけではない。

1888年、稀代の連続殺人鬼、切り裂きジャックはロンドンの街を恐怖に陥れた。 この世紀の難事件を前に、名探偵シャーロック・ホームズが手をこまねいていたはずはない。 敢然とこの殺人鬼の追求に乗り出していたのだ。 八十年後、その事件の一部始終を書きとめたワトスン博士の未公開記録が、エラリイ・クイーンの許に届けられた……19、20世紀を代表する名探偵二人が協力して解き明かす、恐るべき切り裂きジャックの正体!

こういう形で、エラリー・クイーンシャーロック・ホームズのみならず、「切り裂きジャック」まで絡んでくるわけだよ!!!


この作品で、ホームズを持ち出して、他の作家が作品を描くのが「アリだ」って雰囲気になって、そこからホームズのパスティッシュが花開き……、
たぶんそれは、他の「二次創作」を後押しするパワーになっていったと思うよ。なんというか、そういう「概念」を作ってもいたんだから。二次創作という言葉ができる前なのだから、前後関係もあきらかだし。


椎名高志シャーロキアンぶりについて

これ、多分日本で10本の指に入るほど、このブログは紹介してるんじゃないかしらん。

2本目が描かれた時は、リアルタイムで紹介レビュー書いてた。
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そして…この部分の記事を再紹介しておこう。

椎名高志も絶賛の「現代版ホームズ」ドラマ

シャーロッキアンとただのファンとの境界線はどこだろう :週刊少年サンデー11/41号: 完成原稿速報・ブログ版


シャーロッキアンとただのファンとの境界線はどこだろう


 NHKで放送したBBC制作『シャーロック』に激ハマリ。シャーロック・ホームズの物語を現代に置き換えたドラマで、「そんな無茶な」と思ってたらこれがもー素敵。

 驚いたことにキャラクター像はほぼ原作のまま。ワトソン博士は国連軍に参加してアフガニスタンで負傷した元軍医で、ホームズとは友人の紹介で病院の法医学研究室で出会う。ホームズの第一声は「アフガニスタン? イラク?」
 現代のホームズはインターネットやモバイルを駆使しますが、ワトソンに送るメールの内容が原作の電報文そのままだったり、「僕は自分の頭のハードディスクに余計な情報は入れない」とうそぶいたり、喫煙への風当たりが強いので思索の際にはパイプの代わりにニコチンパッチを使ったり。 女性嫌いのホームズがルームシェアするということで彼の知り合いに片っ端から恋人扱いされて閉口するワトソンとか、その負傷が実は肩なのにPTSDのせいで足が麻痺しているとか、ベイカー街221Bが作りは原作そのまんまだけど場所は今のロンドンのベイカー街を意識して都心部だったりとか、原作ファンがニヤニヤする描写の連続。

「ワトソンはただの狂言回し・引き立て役ではなく、その暖かい人柄がホームズにとっての救いになっている」というのが最近の解釈なのですが、それに加えて「ワトソンの心の中にも闇がある。ホームズと一緒に犯罪に惹かれ、戦うことで自分の闇と戦っている」「そのワトソンといることでホームズもまた闇にとらわれずにいられる」というところまで踏み込んでいるシナリオはマジ素晴らしいと感服……(後略)

椎名氏の紹介文も素晴らしいので、途中を削ったり要約できない。泣く泣く<後略>した部分もぜひ読んでほしい。

しかしうーむ、NHKでそんなの放送したの?気づかなかったぜ。
BSプレミアムで、8月下旬にやったのだという。
http://www9.nhk.or.jp/kaigai/sherlock/
再放送しやがれ。今スグ!! 地上波でやるべきだろう。



ちなみに椎名氏は以前から「自分はシャーロキアンではない。それほど熱狂的なわけではない」とツンデレな発言をしているが、もちろんそんなことはない(笑)。
GS美神」のキャラクターである不死のマッドサイエンティスト、ドクターカオス&その最高傑作・人造人間マリアや吸血鬼ピートが太古の昔から生き続けている…という設定を生かし、19世紀のホームズ&ワトソンと交わらせた2つの短編は「こんなにマニアックなホームズ設定(小ネタ)盛り込んでいいの?」と心配にさせつつ(笑)、実に王道なアクションや、ホームズの論理的思考も盛り込んで、そのまま本当に外国ドラマにできるようなできばえだった。
雑誌に掲載された2005年にけっこう書いているね。

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20050527/p3

例えば危険な生物である吸血鬼を大胆に捕獲した悪党に「私はインドで虎狩りをやっていたものでね」(つまり「虎狩りモラン」大佐!)と言わせるとか、最後に魔力で怪我の治療を受けたワトソン医師が「戦争の古傷があったんだが、肩だったか足だったか、分からなくなった」と感心する台詞を言わせている。
下のほうは「正典ホームズ」で作者コナン。・ドイルがうっかりテキトーに設定したため、暇な・・いや熱心なシャーロキアンがいまだに論争を継続している、「ワトソンの古傷の謎」というやつである。

日本の「ホームズ登場」漫画は結構読んでいると思うのだが、その中でも上位にためらわず推すことができる。
そんなに新作ホームズにハマッたのなら、もう一本ぐらい書いてくれないかなー。


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そんな「椎名高志版 シャーロック・ホームズパスティッシュ」掲載の短編集も含め、ふたたび小学館がポイント半額還元セール中!!

なのら。

この2冊に、一本ずつ収録されている。

椎名高志短編集収録のホームズパロ第一弾(ドクターカオス&マリア)


椎名大百貨店収録のホームズパロ第2弾 吸血鬼もの


なお、この前進ともいえる短編集「椎名百貨店」もポイント半額還元。この前主演声優が逝去された「忍者ハットリくん」を現代風にパロディ化した「乱破SS」なども収録されてありんす。


椎名高志 乱破SS



切り裂きジャック」で解るけど、ホームズとジョジョ…初代ジョナサン・ジョースターは同時代人。/そしてジョセフ・ジョースターエラリー・クイーンも同時代人だよね?

これ、ジョジョのリアルタイム連載当時から思っていたんだけど。

ジョジョ 切り裂きジャック

まあ、結局原作で絡むことはなかったんだけど、この知識を持ち帰って、可能な方は二次創作を試みていただければ幸いです。
なお、切り裂きジャックは「GS美神 極楽大作戦」の中で、名前は呼ばれないけどおそらく登場しています。

37巻収録の「蒼き狼と白い女狐!」で、人を殺す「刃物」そのものに妖怪が宿っている、という奇想な設定。

GS美神に(おそらく)登場する切り裂きジャック

いま、これも半額だろうか?

【倉庫】割引電書のリンク集











半額だと確認



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割引あれば欲しくて調べたけど、半額でなかったもの