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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

戦国時代の「日本」を調査研究した明の記録/弥勒信仰のアジア諸国比較…「猫の泉」氏紹介書

上田信『戦国日本を見た中国人 海の物語『日本一鑑』を読む』


amazonにはまだ来ていないな

www.hanmoto.com

から、目次の一部も引用しよう

序章 中世の日本を俯瞰する
1 ポスト・モンゴル時代の日本
2 『日本一鑑』と著者・鄭舜功
第一章 荒ぶる渡海者
1 寧波事件の衝撃
2 朝貢と密貿易
3 商人から海賊へ 
第二章 明の侠士、海を渡る
1 草茅、危言す 
2 観察する渡海者
3 日本での政治工作
4 慌ただしい帰国
第三章 凶暴なるも秩序あり
1 日本人のイメージ
2 刀と日本人
3 通過儀礼
4 礼儀作法と切腹
第四章 海商と海賊たちの海上ルート
1 大陸からの海上ルート
2 分岐圏を北へ
3 分岐圏を東へ
4 紀伊水道から大阪湾へ
終章 海に終わる戦国時代
1 中世から近世へ
2 その後の主役たち

思うこと。
・そりゃそうだな、明国にとっては、日本の戦国時代は織田信長桶狭間でも信玄謙信の川中島でもない。「大内氏細川氏が貿易をめぐって争い、わが港町「寧波」まで被害を受けて困るわ!」がリアルな戦国時代なのだ。なんかすいません…同じような感情をイギリスvsオランダの争いに長崎が巻き込まれた、江戸日本は持っただろうね。


・しかしその時に「まず日本で何が起きているか、その文化や制度や勢力図はどうなっているのか、お前調べてこい!」と、能力と意欲のある無位無官の人間に朝廷が命じて派遣されたなんて、明政府存外機能してるじゃん。こんな調査を秀吉が朝鮮、明、あるいはマカオにおいてやってたら、対外侵略の野望も達成できたかもだ。


・そして、識者の注目点は今やはり「日本からの銀の輸出と海外からの硝石・鉛の輸入を主軸とする「海の物語」」になってるのだなぁ、と。科学研究が進んで、戦極の古戦場から出てきた鉛の弾丸を成分分析して「これは輸入されたカンボジアの鉛」とかわかる時代なんだから(笑)
この前「戦国日本の軍事革命」を読んだので、この話にも興味を持てました。

m-dojo.hatenadiary.com




・そして、この執筆者の数奇な運命は…歴史にこんな形で名前を残せたのは、彼の本望だったのだろうか。
ja.wikipedia.org








宮田登弥勒



こちらも目次を。

www.hanmoto.com
【目次】
はじめに
第一章 民間伝承としての弥勒
第二章 宗教運動と弥勒
第三章 比較宗教論における弥勒
第四章 日本仏教における弥勒
第五章 鹿島信仰と弥勒
第六章 朝鮮半島と沖縄の弥勒
第七章 世直しと弥勒
第八章 大本教の中の弥勒
まとめ

ミロク=ボサツ=スーパースター。
著者の宮田登氏はカタカナの「ミロク信仰の研究」が有名だ。呉智英浅羽通明も書評で紹介し得たりしたっけ。


ちょっと個人的に思い出すのは、世界史すべてを無理やり一冊の漫画本にした、ごく無名の高校世界史参考書があって…だから章ごとに作者もバランバランなんだけど、中国の元末期~明建国を描いた人が、思いっきり少女漫画(というか当時の「アニメ風」)の、まあ絵柄で、元末期の重税に苦しむ民衆が「なぜ弥勒は降臨されぬ…なぜ末法の世は終わらぬ…衆生は救われぬのか…」「ならば我らがまず弥勒を迎える準備をするのだ!」と、白蓮教徒の乱が起きた…というね。そこだけセリフやコマ割りが、学習漫画(以前の用語を列挙した参考書)なのに詩的だったことで覚えている。

とにかく、世界の終わりと、それによる一発逆転の救済という物語が、一神教の影響か何か知らないがアジアに巻き起こり、そしてそれを日本・中国・朝鮮で共通点や差異を比較する。面白いとおもいませんか。


ああ、そうそう、グインサーガにも「ミロク」という宗教が出てくるんでしょ?こちとらそこに到達しなかったけどさ(笑)。ガイドブックで読んだ記憶あり


【速報】「ビッコミ」なるアカウントが『ついに今日、始まります!!!』…なんだろうね?リツイート者はあの…



リツイート者のプロフィル

ヤマウチナオコ|漫画編集者

@Na0oCo
漫画の新サイト準備中@小学館
📚新連載:人生最大の嘘ついた📕植物病理学は明日の君を願う/クロサギ再起動/重版出来!/私の息子が異世界転生したっぽいフルver./王様達のヴァイキング/おやすみカラスまた来てね。/辺獄のシュヴェスタ/バトルグラウンドワーカーズ/SP/こころのナース夜野さん
アイコンはゆうきまさみ氏🖌
twitter.com

「ビッコミ」が2023年5月30日スタート?

自分の予想というか願望は、この始まるであろう新サイトに、講談社の「コミックDAYS」的な、小学館の雑誌横断的サブスクとしての機能もあること。

それがないから、今はぽっかり穴が開いている状態なんだ。(講談社はコミックDAYS、それ以外はKADOKAWAなどが集結した「コミックウォーカー」があり…)



そういえば、ヤマウチ氏の担当した「重版出来!」の中盤においても、漫画出版社が新サイトをスタートするっていう展開だったんだけど、それがめちゃくちゃリアルでさ(笑)。
特に、ネットに理解も知識もない上層部をだまくらかして、自分の思い通りに進めようとしたりする展開が(笑)…それでまた上司が、技術部門でも自分と付き合いのある業者をそのまま使わせようとしたり…


安井がWEB漫画誌の編集長に…!

過去のトラウマから、誰よりも利益に対してシビアな安井。
その安井が新たなフィールドをWebに求めた。
「売れるモノしか生まれない場を作る」
「自由でなければ、Web漫画誌の意味がありません」



「今」に合わせた新しい売り方を構築する!

安井が立ち上げたWeb漫画誌で連載を始めた作家、東江。
かつて安井に商売道具にされて潰された作家だが、
社会人になった彼女は漫画の世界にあたらめて飛び込み
心と二人三脚で連載を立ち上げる。
その漫画のテイストが青年誌読者層とは違うため、
単行本を未知の読者に届けるべく
「新しい売り方」を心や販売・宣伝チームで考案することに…!

週刊朝日休刊。東海林さだお「あれも食いたいこれも食いたい」は…~高島俊男が同コラムを激賞した文章とは

週刊朝日、101年の歴史に終止符。

前の号の表紙は山藤章二「ブラックアングル」を模したものだった。


すでに、週刊朝日単体というか、それ自体の特集記事とかに、魅力があるということはなかった(個人の感想)が、どの雑誌でも例外なく、読むべきコラムはある。
それがなくなってしまうかどうかが気がかりだった。

一応メモ
下山進「2050年のメディア(このコラム自体もサンデー毎日からの移籍)」→AERAで隔週連載
武田砂鉄コラム→AERAに移籍連載
司馬遼太郎街道をゆく」をゆく→朝日の隔月歴史雑誌「歴史道」に移籍


・・・・はわかったが、東海林さだお「あれも食いたいこれも食いたい」はどうなのか。ぶっちゃけ、ほかにも残ってほしいものはそりゃあるが、仮にそれらが滅んでも、これだけが続けば問題ないのだ(個人の感想)
実をいうと、自分が上のことを知った「楽天マガジン」掲載の電子版週刊朝日は、これが抜かれているので、今後の予定がわからんのだ。
(dマガジンなら読めたはずなので、楽天に移籍してこのことを知ったときはそりゃあ怒ったよ。しかし雑誌本体が休刊しちゃなぁ…)
知ってる人は教えてください。


さて、どんなふうに東海林さだおはすごいか。
それを書いた文章がある。高島俊男「寝言も本のはなし」だ



ここに「文章の技」と題した、ショージ君の丸かじりシリーズの書評がある。正確には同シリーズの「キャベツの丸かじり」評。


しかし、名文家の名文を、名文家が名文で書評する、って入れ子式でややこしい……(笑)

文章の技 東海林さだお『キャベツの丸かじり』(朝日新聞社)

現在の日本で、わたしが一番好きな文章家は東海林さだおさんである。もちろん東海林氏の本業は漫画であるが、文章家としても一流、いや一流の上だとわたしは信ずる。
その東海林氏の文章のなかでも最もすぐれるのが食べものについての文章、特にわたしの好きなのが、『タコの丸かじり』にはじまって『キャベツの丸かじり』『トンカツの丸かじり』『ワニの丸かじり』『ナマズの丸かじり』『タクアンの丸かじり』…とつづく「丸かじりシリーズ」である。


かつて芥川龍之介は、「おふろに入るのはやさしいが、それを文章に書くのはむずかしい」 と言った。同様に、ものを食べるのはやさしいがそれを書くのはむずかしい。いや、食べものは、おふろよりもっとむずかしい。
ところが東海林氏はそれを楽々とやってのける。ちっとも苦労したあとが見えない。実際苦労なんかしてないんでしょうね。スルスルと書けちゃうんだ、きっと。
たとえば「タンメンの衰退」。
題を見ただけでギクッとする。思えば昭和三十年、初めて東京へ出て、渋谷の恋文横丁で食 べたタンメンのうまかったこと。忘れられない。ところがもうここ十年ほど、ラーメンは三日にあげず食っているのに、タンメンはとんとごぶさたしている。
東海林さんはどう書いているんだろう。


〈タンメンは、なぜ衰退したのだろうか。
何か悪いことをしたのだろうか。
人々のヒンシュクを買うようなことをしでかしたのだろうか。
そう思って、ぼくは久しぶりにタンメンを食べに行った。
タンメンは何ひとつ悪いことをしていなかった。
昔の姿そのままに、キャベツと白菜とモヤシと人参と木クラゲと、豚肉の小さなこま切 れを麺の上にたっぷりのせ、静かに湯気をあげていた。〉


うまいねえ。


〈 ちょっと傾けるとこぼれそうな丼をカウンター越しにうやうやしく受けとり、『アチチ』 なんて言ってカウンターの上に置く。
"もうもうと大量に立ちのぼる湯気”が頼もしい。
野菜の下の麺をほじくり出すと、湯気はいっそう立ちのぼり、ここのところでたいてい 人はむせて咳きこむ。 咳きこむところもタンメンの魅力である。
掘り出した麺は、タンメン特有のぬめりと、蒸れた感じがあり、口に入れるとラーメン とは違ったモチモチしたモチモチ感がある。〉



この調子で東海林さんは、鍋焼きうどん、ハヤシライス、幕の内、釜飯、アジの開き、カツ 丼、焼き肉、おでん、 ......と向うところ敵なし、どんな食べものでもやすやすと文章にしてしまう。文章の技のここに至り得るものか、とわたしは溜息をつくばかりである。

高島俊男東海林さだおの「丸かじり」シリーズを激賞した文章


【注意】この、高島氏が抜粋したショージ君のタンメン論を読むと、その日のうちにタンメンが食べたくなります。ご注意を…もう遅いか。

その数年前、唐突に当方が氏の「トースト描写」に感動して紹介した記事もあった。
m-dojo.hatenadiary.com



とはいえ、東海林さだお氏は1937年生まれのことし86歳になるお歳。テーマがテーマ…「食」であり、これは文章の冴えだけではなく肉体的な、食への貪欲さ、健啖さがなければいけない。
休刊を機会にグローブを、いや違った箸を、でもない筆をおくことがあってもやむをえまい。


同連載がどうなるかは、間もなく情報が入ってくると思うのだけど、その前に、既に成したかの人の功績を、よき評者(彼もすでに故人)の文章によって振り返る。
そしてさらば「週刊朝日」…。

「きのう何食べた?」で友人の結婚式(同性間)に出席した主人公のスピーチが印象的だった

コミックDAYSで、あとで読もうと取り置いてたら、間もなく終了が迫りあわてて読了した、モーニング 2023年22・23号。

この号の「きのう何食べた?」171回は、友人の小日向大策・井上航(「ジルベール」というあだ名のほうが通りがよかろう)両氏の同性婚式に主人公シロさんとパートナーのケンジが招かれ、主人公がスピーチする話。
ある意味それだけの話。

えーっと、講談社の主要漫画は単話ネット売り(期間限定で無料)もあるのだけど、171 話のUPはもう少し後らしいな。待っていればそのうち来ます。
comic-days.com

※マガポケは少し公開が早かった
pocket.shonenmagazine.com


しかしこの作品が始まったのは…2007年12号からだそうだから、もう昨年が連載15年の節目である。
「友人の同性婚式」が描写されるのは時代の流れのようでもあり、既定路線のようでもある。

きのう何食べた? シロさんが友人の同性婚カップルに語ったスピーチ

もちろん制度上の結婚としては公の届け出ができないわけだけど、逆にいうと「結婚」にそもそも国家の認定が必要なのか?という根本の問題にも絡む話。これは異性婚だって、届け出を出さずに式だけ挙げる人、届け出だけして式をしない人いろいろある…というところから考えを展開したいところだけど、過去に何度もやった(興味ある人は検索を)し、話が進まないので続ける。


シロさんケンジさんが出席という話で「シロさんはカミングアウトしてないが大丈夫?」とも思ったのだけど、結婚式はどんなに豪華でもクローズドサークル。出席者が後から暴露しなければ大丈夫なのだろう。
小日向氏が敏腕な芸能マネジャーなので出席者やメッセージ送付者は有名芸能人。
彼らが同性婚の場でもまったく戸惑いなかったり、出席にエクスキューズなしでいられるのは、これは15年の効果かもしれない。

きのう何食べた? シロさんが友人の同性婚カップルに語ったスピーチ

あるいは芸能界はよかれあしかれ特別な場所で、過去にもそういう性指向の人の居場所としては大きな場所だった。これは自然なる描写なのかもしれない。そこはちょっとわからぬ。

で、シロさんのスピーチは、そういう「自分では公にカミングアウトしていないが、」という地点からの、こういう感想であった。

きのう何食べた? シロさんが友人の同性婚カップルに語ったスピーチ

「晴れの席に、彼と私が一組のカップルとして招待されるのは初めてで…(略)知りませんでした こんなにうれしいものだとは」


これまた、過去の「結婚とは『仲良しの公認(その公表)』なのか、それ以外のものでもあるのか」という議論にもつなげたいのだけど(同上)。

ほんわかとしたいい話であり、劇中スピーチもそうでした、という紹介。

【追記】後から知ったが今年秋、ドラマ新シリーズはじまるんだね。

【特報】 ドラマ「何食べ」が帰ってくる! 西島秀俊内野聖陽主演『きのう何食べた? season2』、2023年10月放送決定!
23/05/16
「きのう何食べた? season2」製作委員会 よしながふみ/講談社
シリーズ累計945万部(電子版を含む)突破のよしながふみ氏による大人気連載を、西島秀俊さん&内野聖陽さんダブル主演で実写化したドラマ『きのう何食べた?』。
(略)

ついに待望のseason2放送が決定しました!
テレビ東京ドラマ24『きのう何食べた? season2』、2023年10月クールにて放送決定です!
アラフィフに突入したシロさんとケンジの、今までと変わらないゆっくりとした日常の中に訪れる、ちょっとした変化——。生きていれば誰もが経験する、環境の変化や身体的・精神的な変化を、シロさんとケンジも経験していきます。
そして、本作のもう一つの主役とも言えるのが、2人の食卓を飾る「美味しく安上がりな手料理」です。毎話披露される料理は今回も、味はもちろん、実用的なレシピばかり。こちらもぜひご期待ください!
テレビ東京 ド
morning.kodansha.co.jp


猪木の異種格闘技戦が6月4日CS放送(未契約者も視聴可能!)~ルスカ、モンスターマン、「あの」ミスターXも!


実は公式サイトだとまだ「放送未定」なんだけど、もうTV画面に表示される「番組表」に載ってる。三つぐらい「クラシック」が連続する。

www.tv-asahi.co.jp


まったく私的な話だが、時間帯的には藤子・F・不二雄短編ドラマ(「箱舟はいっぱい」)と被るんだよな…



CSは毎月第一日曜日が無料放送の番組局がある。
www.skyperfectv.co.jp

これで偶然にすごいコンテンツが見られて大当たり!ということは正直少ないんだけど…

ミスターX戦!!!

あと、わらっちゃったのは、みんな大好き「ミスターX」。

…背中に大きく「X」と書かれた空手着は、 黒帯を胸元近くやたら高い位置で結んでおり、帯の結び方すら知らない様子。これではまるで天才バカボンの着物だ。


梶原一騎さんは当日、会場に来てリングサイドでこの試合を観戦していたんですけど、穴があったら入りたいような気分だったでしょうね。なんとか代役が奇跡的に良い試合をしてくれることを期待したけれど、 X がミスター X があの格好で出てきた瞬間「これはダメだ」と思ったらしいです」

…センセイ・カジワラ、奇跡に期待しすぎ。


ただ自分は、ただ自分は……そこで投げ出さずに「あのミスター X は替え玉。本物は極真空手を散々挑発したXに激怒した、あの男が…これ以上は言えない、ウフフッ」みたいな形でとりあえず辻褄合わせをした、梶原一騎の手腕を高く評価するものである。

親にも言えぬことがあります、押忍ッ(梶原一騎「四角いジャングル」より)

(略)


この後日談。小佐野景浩はいう。

「ミスター X の正体については、いろんな人に聞いたんですけど、結局わからなかったんですよ。それは正体を隠し通したというより、名前を言ったところで誰も知らないくらい無名だったということでしょう」


いや本気で調べればこの時代、多少なりともヒントは見つかるような気がするが、そこまでして見つける必要は確かにない(笑)。


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そして、これを買え(お安い)
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さらに、ウィリアム・ルスカ。

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昭和プロレスラーの中で、強さの面で「最強」なのはこの男だった、とする人も非常に多い。だが、なぜ彼はプロレスの試合に足を踏み入れたのか、そしてなぜ猪木とこの試合をしたのか。
そして伝説ともされる「試合をする前に藤原喜明とスパーをした」との話など…

未来vsケラモフは超驚愕。にわかちですら「保身してない!」と褒めるレベル(アミューザ的比喩)。

ケラモフvs朝倉未来

まったくもって驚きだが、
早いものでもう当日に「答え合わせ」が来ている。

――RIZINパートでは朝倉未来vsケラモフ、朝倉海vsアーチュレッタの朝倉兄弟揃い踏み。朝倉未来vsケラモフはすごいですね。このカードがいちばん高く売れるタイミングはたしかにいま!

笹原 このカード、未来選手からの提案だったんですよね。

――そうだったんですか!


笹原 GW明けにお昼ご飯を食べながらミーティングしたときに「次、誰とやりたい?」って聞いたら、「ケラモフでしょ。ケラモフしかないと思いますよ。ケラモフとやったら盛り上がりますよね?」って返ってきたんで、社長もボクも絶句したんですよ……。
(略)
笹原 だって未来選手のいまの立ち位置からすると、クレベルvs鈴木の勝者とタイトルマッチやれるじゃないですか。それなのに…(略)ケラモフを指名して「そこ、試合決定で」みたいなこと言ってくるなんて思っていなかった(笑)。
ch.nicovideo.jp


ここでタイトルの話だが、かつて格闘技あミューザには「にわかち」(モナ( ´∀`))という老害がおってな。
地味に強い相手との戦いを避けて、相手が派手だったり技術が偏って穴があったり、本来の階級とは違って通常体重差があったり、タイトルに直結するような戦いだったり…そんな試合ばかりやりたがる選手を(自分の基準で認定して)「保身モナ!」と言っては切り捨てるのが芸風だった。


その「にわかち」が仮に降臨しても、「朝倉未来は保身じゃないモナ!( ´∀`)」と、認定するレベルであろう、ということだよ、表題は。
通じないだろ、そうだろう。


そもそも未来はササヤンも言ってるように「次はタイトルに挑戦する(鈴木vsクレベル勝者と戦う)」という方向性も十分決まってるし「平本蓮は斎藤裕に負けたくせにまだガタガタ言ってる、黙らせてやる」でもシナリオは十分成立している。ましてや金原正徳が、


ケラモフが勝つだろうけどさ

これは未来がどうこう言う話ではない。だいたい20年代MMAは「~フ」という名前のやつに自動的に20ドルずつ賭けていけば、そのまま億万長者になってるレベルだったのだ。
だから基本、ケラモフとみてる。…というか、未来の「腰の重さ」も、あのダゲスタンレスリング戦法を防ぎきるのはあまりにもむつかしいのではないか。

ぶっちゃけ、ここで華々しく散って、グローブを置く覚悟が定まったのか?…と思ったぐらいだ。



金原正徳の処遇が宙に浮く?んなことないよ。

前も書いたが、そもそも真剣勝負のMMAなら「裏番長」はあるべきではない。否応なく勝ったら「表」に、無理やりでも押し出される、それが正義だからだ。
これも以前書いたが、中国古典の「野に遺賢なし(在野に優れた人はいない)」は、悪口ではなく最高の賞賛。優れた人はもれなく政府に採用され働いてくれている、不遇な扱いをされてる人はいない…の意味だから。

だからぶっちゃけ、朝倉未来に予想されていたルートをそのまま金原に提供すればいい。
つまり、クレベル・コイケとのタイトルマッチ(※実は本音では、鈴木千裕に苦も無く勝利するだろうと思ってる)。
あるいは「vs平本蓮」。

このへん、金ちゃんも了承してくれよお。

「性自認」か「性同一性」かの与野党対立の中、維新・国民民主が出した案に笑った→「そのまんま英語にしておく」

LGBT法案、維新・国民民主も対案 異例の3案、審議入り見通せず

2023年5月25日 21時50分


 性的少数者に対する理解を広めるための「LGBT理解増進法案」をめぐり、日本維新の会と国民民主党は25日、共同で法案をまとめた。性自認」か「性同一性」かで与野党の意見が対立する文言を、いずれにも訳せる「ジェンダーアイデンティティに置き換えることが柱で、存在感を示す狙いがある。

 (略)
2年前に自民を含む超党派議員連盟がまとめた法案をそのまま提出した立憲・共産・社民の案、自民が伝統的家族観を重視する党内「保守派」に配慮して修正した自民・公明案と合わせ、3案が出そろうことになる。

 維新・国民民主案は、自公案で「性自認」を「性同一性」に改めた部分を、日本語に訳す前の「ジェンダーアイデンティティ」に修正する。維新の遠藤敬国会対策委員長「この言葉が世界の共通用語だ」とし、「折衷案」と位置づける。自公案が「差別は許されない」を「不当な差別はあってはならない」と改めた部分はそのままとした。
www.asahi.com

とんち番長か。


いや、だけれども、「実際にこのへんが落としどころか…」感もたしかにあり、いろいろ知恵が回る、と感心した部分もある。ただ、維新や国民民主に得点を与える理由もないから、そういう政局的なところで採用されないかもしれない。


ただそれより、なんだろうね、自分は例の憲法24条の「両性」とか「夫婦」、あるいはリモート国会にかんする「出席」とかで興味を増しているのだけど、「法律そのものの内容や趣旨の改正を迂回して、法律に書かれている『用語』や、『用語の意味』を実質的に変更することで目的を達成する」というやり方に最近興味を惹かれているのだ。

そこに、今回の
「性同一性か、性自認か? 対立してるところに『ジェンダーアイデンティティをそのまま使う』が登場!」という、ゴジラvsコングにメカゴジラ乱入みたいな構図が面白くて、ひとくさり笑ってしまった次第です。



ついでだから私案。

その用語を『あらばかべっそん』としたらどうだろうか。
あらばかべっそんによる不当な差別はあってはならない。


・・・・・・いや、それは冗談だけど、法律は、「その中の用語は何を指しているか」というところを、あれこれいじくることで”簒奪”ができるという意味では、ちょっと本質をうがった冗談だとは思っています。

この証文はお前に一滴の血も
与えてはいない。
ここに明記されているのは
「肉一ポンド」。
従って、証文どおり、肉一ポンドを取れ、
だが、切り取るとき、もしキリスト教徒の
血をたとえ一滴でも流せば、お前の
土地も財産もヴェニスの法律にしたがい
ヴェニスの国庫に没収される。

英語で言いかえれば許されるか

そもそもさ、アブドーラ・むにゃむにゃやがまだ現役で、代替わりで今さらネクロ・むにゃむにゃが登場すするんだから。ぼくの子どもの頃の「プロレス大百科」には「ブッチャーとは・・・の意味で・・・という彼の戦いぶりから名づけられた」とか書いてあったんですが、今後それには触れるな。



ちなみに呉智英はこの「なぜか英語にすると見逃してくれる」風潮にも以前突っ込んでまして、アメリカの銃社会を批判する進歩的ニュースキャスターがアメリカをなんども「ガン・クレイジー社会」と表現したのに対し「なるほど、もっともである。ただし分かりにくいから、ぜひ日本語で言ってほしいものだ」と書いていたな(笑)

m-dojo.hatenadiary.com

しまいには呉智英は、こういう風潮を嘆いて「これが気にならない人は、目がブラインドな人である」とかまで言ってたぞ!