INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

サッカーの日本代表が凄いのであって、お前や俺が凄いのではない。一体化して日本スゴイと自慢するな

いち早く書いておく。
だいたい、こういうことを書いておくと、ふわっといい感じになるんだよ!!
良 識 と 良 心 ! 


※今回も、そういうツイートが朝からわらわらと出てきたが…キサマらのいる場所は、我がブログが試合終了後30分(ぐらいかな?)で通過したところだッッ!





これらは逆に過去の事例。

togetter.com

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玉鷲が幻の技、「合掌ひねり」を宇良に放つ。「あまりしてはいけない技…」が勝者の感想。/ゴッチの裏技?(いやいや)


玉鷲、57年ぶり「合掌ひねり」で宇良下す…聞き覚えない決まり手アナウンスに館内あぜん
2022/11/21 23:10
この記事をスクラップする
宇良(左)を合掌ひねりで破った玉鷲(21日)=清水敏明撮影
 大相撲九州場所は20日、福岡国際センターで8日目が行われた。玉鷲が宇良を下した決まり手は、幕内では57年ぶりの「合掌ひねり」。土俵際で粘る相手の頭を両手で挟み込んで豪快にひねり倒した。相手の体の後ろで両手を組むのが本来の形だが、聞き覚えのない決まり手のアナウンスに館内もあぜんとした様子。
(略)…押し相撲が身上の玉鷲「あまりしてはいけない技だと思った」。
www.yomiuri.co.jp


いや、押し相撲が信条とかじゃなくて、危険すぎるからだよ!!封印技だよ!

あ、もう少し詳しく報知は報じているな

 とっくり投げのようにも見えたが、館内にアナウンスされた決まり手は「合掌ひねり」。(略)
 大技を決めたが、取組後のリモート取材に現れた玉鷲に笑顔はなかった。首をつかむ技となっただけに、「あまりしちゃいけない技だなと思いましたね。間違ったら、違う方にいっちゃうじゃないですか」と相手の宇良を気遣っていた。
hochi.news


そして、この技はカール・ゴッチ力道山に極めたフェイス・ロック(顔面ひねり)ではないか!!というのが「プロレススーパースター列伝」史観。

カール・ゴッチ力道山に合掌ひねり? プロレススーパースター列伝 
カール・ゴッチ力道山に合掌ひねり? プロレススーパースター列伝 

栃ノ心は首極めつり出しで照強破る


今場所は宇良も不調だが、照強も不調…というか負け越し。


照剛は「大相撲どすこい研」などでのトーク力(他の力士にも積極的に絡んで仕切る)が半端ないので、幕内に何としても残ってほしい所だったが…たぶん十両じゃ不文律的に出演できないだろう。

クレベル・コイケの朝倉未来煽りネタがどんどん過激になってく…



クレベルの後輩 また…そういうの、名前出すのやめてよ(笑)


クレベル・コイケ 彼が怒ったら何する? もう一回かかかってくる(笑)?試合やる??かかってこいヨ!

クレベル 私この前(未来と)試合戦ったね。次は自分の後輩と! ブレイキングダウンで!!(爆笑)




また、こういう・・・・・・と思うけど、朝倉未来も、そもそも「お祭り男」へのトラッシュトークがキレキレだったことで世に出た面があるからなぁ。
平本蓮も、クレベル・コイケも、じゃあ俺も、そして「本人がやってるんだから、こっちからやってもいいだろう」ということでやるのは仕方ない。それで盛り上がれば、それはそれでしょうがない…





そんな中で、朝倉未来MMAはあと、2、3試合、というアナウンスが本人から。これもまた、自分の意思次第の話だからどうなるか分からないけど、こうなる可能性も当然に十分ある。

以前から30歳での引退を公言し、あと2、3試合で区切りをということだと伺いましたが、改めてその理由を聞かせてもらえますか。

「元々決めてたことっていうと、やっぱり好きだからやめられなくなるっていうことが理由で、もう強制的にやめないと、 40、50歳ぐらいまで続けてしまいそうなんで。続けた時に体のダメージはすごいだろうし。 僕には他にも才能があったし、もう10年戦って結構満足してるんで、他のやりたいことにも挑戦したいなっていうのがあってって感じですね」

――リベンジしたい相手がいますね。

「やっぱりクレベルですね」

――そこは時期が来ればというところですか。

「そうですね、時期と、周りから求められた時ですよね」

――大みそかは現状では出ないということでしょうか。

「現状ではというか、もう何があっても絶対に出ないです。たとえ10億円積まれても出ないです。はい」
news.yahoo.co.jp


ではその2,3試合はどうなる?というのは当然ファンの意識に上ってくる




金原正徳戦、これはむつかしくなってきたか・・・・・・・

23日、本日朝倉未来がabemaTV出演

朝倉未来はABEMAで毎週水曜日(午後11時30分)に放送中の「デマ投稿を許さない」に出演(23日放送)する。坂上忍がMCとなり、毎回ゲストにまつわるネット上の噂やデマについて視聴者代表として1対1で真実に迫り、解き明かしていくトークバラエティ番組。ENCOUNTでは、さまざまなゲストに直撃し独占インタビュー。番組には収まらなかった本音を引き出す。

ゴング格闘技
GONG KAKUTOGI
JAN 2023(NO.323)

【COVER】
Roberto Satoshi de Souza
Kleber Koike Erbst

photo by Oda Shunichi
design by Tokura Iwao

12・31を読む。
RIZIN x BELLATOR
全面対抗戦

ホベルト・サトシ・ソウザ
×
クレベル・コイケ
「日本代表の誇り」

RIZINx BELLATOR現王者対決
クレベル・コイケ
「パトリシオとの試合で、次のレベルへ進む」

AJ・マッキーと対戦
ホベルト・サトシ・ソウザ
MMAのなかで柔術の強さを証明する」

マウリシオ・ダイが語る
ボンサイ柔術の2人の王者

扇久保博正
「間に合ってくれてよかった」

キム・スーチョル
RIZINとBellatorのベルトをコレクションに加えることができればと」

武田光司
「今年の僕は強くなってる」

パトリシオ・ピットブル
「グラウンドで対戦相手の頭を蹴る。
俺にとっては、極自然な戦い方だ」、

AJ・マッキー
スクランブルを多用して動きのある試合のなかでソウザの仕掛けを利用して戦う」

堀口恭司
「『日本人、どこ行った?』。これ真面目に考えると良くないことですよ」

フアン・アーチュレッタ
「大晦日、良質で本物のファイトを見たいなら僕の試合をチェックして欲しい」

ガジ・ラバダノフ
「アブドゥルマナップのレガシーをカビブが継いでいる」

どうなる!? 全面対抗戦を大予想!
水垣偉弥×金原正徳

伊澤星花×吉成名高
「3手先まで読む」ってどういう世界?

ジョン・ドッドソン
「自分のキャリアがスタートしたところで、最後を迎えたい」

ジュニオール・タファ
「2カ月半でMMAを2試合、ボクシングを2試合、計4試合戦った」

平本 蓮 かく戦い、かく語りき
「“やり過ごす時間”を得た」

独占告白 武尊
「僕が見据える新しいステージ」

軍司泰斗
僕は武尊選手を超えます

マハムード・サッタリ、
ピーター・アーツとただいま特訓中

レオナ・ペタス×壬生狼一輝

石井一成×朝陽・PKセンチャイムエタイジム

[K-1 WORLD GP初代バンタム級王座決定トーナメント戦力分析]
石川直生Krush Evangelistが
アップセット予言

[12・25 RISE WORLD SERIES/ SHOOTBOXING-KINGS2022]
原口健飛×吉鷹 弘

伊藤隆×緒形健一
「目指すは立ち技格闘技版WBSS

【追悼アントニオ猪木

“孫弟子”田村潔司が見た
猪木のサブミッションレスリング

“巌流島”谷川貞治が語る
プロデューサー猪木の興行論

引退。
寺戸伸近 生涯連敗しなかった漢。

増田俊也
木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』著者は
なぜ『猿と人間』を上梓したのか

PROSPECT!
大久保琉唯(Krush

柔道×柔術 in 国士舘大
鈴木桂治×小見川道大
「こういった学びはどんどん取り入れていかなきゃと思います」(鈴木)

連載●細田昌志『沢村忠に真空を飛ばせた男』外伝:宮川拳吾

Muay Thai Insaide:二大スタジアムで何が起きているのか

吉田 豪「新・書評の星座」

次号告知/読者プレゼント

【IF】もしW杯で、日韓両代表が共に「北朝鮮の拉致問題解決」「独裁者・金正恩批判」をパフォーマンス、人権アピールしたら?

サッカーのワールドカップで、日本代表とドイツ代表の試合ですね。頑張ってほしいです(熱量)。

さて、記録しておこう。

ワールドカップ人権問題に抗議 “今は好ましくない” 田嶋会長

2022年11月22日 2時46分

20日に開幕したサッカーのワールドカップの開催地、カタールでの人権問題に対しさまざまな抗議の動きが出ていることについて日本サッカー協会田嶋幸三会長は「今サッカー以外のことでいろいろ話題にすることは好ましくない」などと話しました。
20日カタールで開幕したサッカーのワールドカップを巡っては大会に出場するヨーロッパのチームからカタールでの性的マイノリティの人たちへの扱いについて批判の声が上がっていました。
これについて22日、日本代表の練習場を訪れた日本サッカー協会の田嶋会長は「今この段階でサッカー以外のことでいろいろ話題にするのは好ましくないと思う」と述べました。
その上で、「あくまでサッカーに集中すること、差別や人権の問題は当然のごとく協会としていい方向に持っていきたいと思っているが、協会としては今はサッカーに集中するときだと思っている。ほかのチームもそうであってほしい」と話しました。

www3.nhk.or.jp


もちろん、批判は多い。
[B! 人権] ワールドカップ 人権問題に抗議 “好ましくない” 田嶋会長 | NHK

ただ、当方のコメント。

ユーゴ空爆に反対します』とユーゴ人選手がJリーグでアピールする、とかをどう評価する?的な難題もある。/北朝鮮政権批判アピールとかを日本代表がしたら、とかもね
https://b.hatena.ne.jp/entry/4728428601838278468/comment/gryphon


前半はあとで論じるとして、後半を語ろう。

日本代表だけでなく、ここは同じく金王朝による拉致被害者が多数いる国家で、W杯の地を踏めたチームとしてわが隣邦・大韓民国も志を同じくしてもらえた、と仮定する。

日本代表が、韓国代表が…どんなパフォーマンス、ゼスチャーで拉致被害者の問題や、核とミサイルに憑りつかれた狂気の独裁者・金正恩への批判を表現するかまでは思いつかん。豚鼻のパフォーマンスでもするかねえ?
拉致に関しては「One LOVE」の腕章をつける付けないって話があったが「MEGUMI」の腕章とか、ブルーリボンをあしらった腕章とかでもいいかもしれない。


上の話は、おそらく2022年11月のW杯では実現しない「IF」の話でありましょう。
でもまあ、拉致問題の解決や、半島の北にまします独裁者の退場を望む声をあげるのは、当然ながら人権問題の一環であります。
たとえば、こういうことが実現した場合、はてなブックマークでは賛同・賞賛・支持のコメントが多数つく、と考えていいだろうか?
https://b.hatena.ne.jp/entry/s/www3.nhk.or.jp/news/html/20221122/k10013899461000.html


NATOは(ユーゴへの)空爆をやめろ!」は『何のアピール』と位置付けられる?「悪者見参」新版が出てるようだ

クロアチアの準優勝が世界を驚かせた2018年サッカーW杯ロシア大会。スイス対セルビア戦でコソボ移民の二人が見せた「鷲のポーズ」。さかのぼること20年、1999年のNATOによるユーゴ空爆にその端緒を探ることができる。当時、著者が身の危険を顧みず「世界の悪者」とされた旧ユーゴ紛争地を歩き、直に触れたすべてを綴った貴重な記録。執筆当時から現在までの空白を繋ぐ追章を加えた新版。 --このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
木村/元彦
1962年生まれ。2006年『オシムの言葉』でミズノスポーツライター賞最優秀賞。同書は第52回青少年読書感想文コンクールの課題図書にもなった。著書に『争うは本意ならねど』(2012年サッカー本大賞)『徳は孤ならず』(2017年広島本大賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。


この本は、旧版が探せばどこかにあるんだけど、今見つかるかな。読んだのか積読状態だったのかも正直思い出せない、つまりあまり記憶にない。
著者の木村元彦氏は、韓国研究者の木村幹氏とその後こんなトラブルを起こしてたり、であった。
m-dojo.hatenadiary.com




それはともかく、つまりこの時に「NATOはユーゴに対する空爆をやめろ!」というのは、人権のアピールなのか、反人権のアピールなのか。 そもそも「どのアピール」ならしていいのか、みたいな話もあるね。




では間もなく試合、日本代表がんがれ。


おまけ 開会式とBTSモーガンフリードマンと人権





しかしそもそもカタールは「中東のCNN」アルジャジーラの本拠地で、元BBCスタッフが多数在籍し、多くの国と契約して放送してるよね?


経営
1996年11月1日、カタール首長であるハマド・ビン・ハリーファ・アール=サーニーより5億カタール・リヤル(1億3700万USドルに相当)の支援を受けて設立。独立を保った報道姿勢を保ちつつも、会長には首長の親戚であるハマド・ビン・サーメル・アール=サーニーが就任し、カタール政府を通じた経営[2]という形がとられた(カタール政府以外にも、個人投資家達が加わっている)。

上記金額の支援は開設後5年間の経営を維持するものとして行われ、2001年までに広告収入などによる独立採算を達成することが期待されていた。

イギリス人ジャーナリスト ヒュー・マイルズ著「アルジャジーラ 報道の戦争」によると収益の多くを日本の日本放送協会NHK)を中心とした海外メディアからの「映像使用料」が占め、特にNHKが払う金額が一番大きく、同局の大きな助けとなっている。また同著によると同じニュース専門局CNNと比較してCMの放送時間が少ないという。

長らくカタール政府の出資により経営が続けられて
ja.wikipedia.org

(略)

川端「ドイツのメディアからは『欧米のサッカーファンは大会をボイコットする考えだが、日本のサッカーファンは大会をボイコットしないのか?』みたいなことを聞かれた」

浅野「欧州や北米では『カタールに応援へ行くのをやめよう!』と呼び掛ける動きはいろいろあるみたいですね」


2021-22シーズンのブンデスリーガ第28節、フライブルクバイエルンでスタンドに掲げられたカタールW杯観戦ボイコットを呼びかける横断幕
川端「俺たちの感じている根本的な部分での温度感の差って、でも西欧で生活している人たちにはイメージできないんだろうなあというのも改めて思った。だって、アジアにおいて『人権侵害のある国や独裁国家での大会には参加しない!』ってやり出したら、俺たちは半分以上の大会に出られないわけで、僕らにとっては『人権侵害のある国でスポーツの国際大会が行われる』というのは特殊な事象ではなく、日常的な出来事なんだよね」

浅野「あと日本ではスポーツと政治を結びつけることをタブー視されている風潮があるから、W杯に絡めてカタールの人権問題を語るのは避けられている気もする」

川端「その点も『ガーディアン』でもドイツのメディアでも言ってきましたが、伝わったかな……。スポーツと政治は、過去の歴史的経緯もありますからね。あと、向こうの人のアクションとか見ていると、イスラム教それ自体への嫌悪、彼らの日常から繋がるヘイトと結び付いているような部分も見え隠れするから、余計に難しいなと思った」

浅野「国際世論として人権侵害に厳しい目が向けられるのはポジティブでもあるけどね」

川端「それはもちろん。人権侵害は悪ですよ。アジアの現状が良いとも1ミリも思わない。ただ、4年前にやりたい放題していたロシアのプーチンに対しては何も言わなかった人たちが血気盛んにやっているのを見ると、大国相手には言えないけど、カタールみたいな小国には言いたい放題なようにも見えちゃうから、やっぱり違和感がぬぐえない。W杯や五輪の開催資格について『人権を尊重する民主主義国である』ということを持ち込むことはありかもしれない。開催地を決める時に立候補資格としてそういった条項を作って運用するならわかる。でも前回の開催地がロシアだったことからもわかるように、大きな国相手にはそれをできないわけじゃないですか。次の五輪は中国が開催地です。彼らはビッグスポンサーとセットですし、それを忌避することはできない。でもカタールは小国だから言いやすいし、やりやすい、だからやっちゃいます。そこには違和感がある」

(略)

浅野「カタールW杯参加が個人の思想の踏み絵みたいになっているのは行き過ぎだよね」




www.footballista.jp

「男同士の愛は女性にとって『安全』だから支持された」「愛や性のおいしい所取り」…BL分野の「真祖」が語るが、そうなん?

評伝「栗本薫中島梓」を読みました。表題のこの二名は、同日人物の別ペンネーム…って今さら説明しないでもいいよね?

栗本薫中島梓、二つの名前を持ち、作家・評論家・演出家・音楽家など、才能を自在に操り多くの人たちに感動を与える稀有な存在でありながら、ついに自身の心理的葛藤による苦悩から逃れることはできなかった人。その生涯を関係者への取材と著作から検証する。

自分は栗本薫中島梓もいい読者ではない。
山藤章二と組んだ短文エッセイ「にんげん動物園」、特撮を論じた本ということで読んだ「わが心のフラッシュマン」、浅羽通明が推奨していたので読んだ「コミュニケーション不全症候群」、小説ではグインサーガを数巻読んだのだっけか。

ただ、それらはなかなかに印象深いものだったし、「わが心のフラッシュマン」の一節は鮮烈な印象ゆえに記事にして、当時も相当ブクマがついたな
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今後、これに関する、中島梓関連の記事をもう一本書く予定。

・・・・・・・・ただ、今記事を読み直すと、この本も要はBL、当時の言葉でいえば「やおい」を論じてる部分も多いにあったのに、それに気づいたか気づいてないのかスルーしてるな!
無理もない、自分がまったく無縁の世界であるBLについて「調べようか、考えようか!」と思い立ったのが、ブログのおかげではっきりわかる、2011年の話だ(記事内では、気になり始めたのが2007年ごろから、と書いている)。そこからまだ4年目、経験値もあまり溜まってなかった。
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だから今回の中島梓栗本薫評伝は、彼女と、「BL黎明期」…ほんと藤子不二雄的な「BL道」を調べる、という意味での調査意欲も込めて読んでみたのだった。
そしたら、ちゃんといろいろ書いてあったよ。


だが、そこで、1978年に創刊されたBL雑誌…もちろん当時、BLという言葉なぞないが……「JUNE」の編集長が、一種の「総括」を語っている。このひとはそもそもワセダミステリクラブで中島の1年後輩。
雑誌創刊の際は、こういうのが好きだと知っていた中島梓にいろいろ相談に乗ってもらったとか。現在は京都精華大准教授だとか。


「JUNE」はそりゃ伝説の雑誌だよ。ファンロード経由で俺も誌名だけは見知ってたような気がする(笑)

その”総括”を、引用紹介しよう。207-208P,6章のラストだ。

<JUNE>の編集長を務めた佐川俊彦は、男性同士の性愛が、女性たちの支持を集めたことについて、筆者にこう語った。

サン出版の社長が<JUNE>に『いま、危険な愛にめざめて』というコピーをつけたのですが、私はこれはちょっと違うと思っていた。男同士の愛というのは、むしろ女性にとっては安全な愛だから支持を集めたんだと思うんです。それは、女の子にとっては自由になれる場所、心のすきまを埋めてくれる場所であったし、ファンタジーだからこそ、愛や性のおいしいとこ取りをすることができた」

 女性に愛される、この分野について、男性である筆者がどのように理屈をつけても、女性読者からは「分かってない」と言われてしまいそうだ。だがあえて言うならば、女性というのは、いくら性について自由になったといっても、どうしてもセックスにおいては男性に対して従属的な位置にされがちであるし、望まない妊娠をしてしまう危険性をはらんでいる。性において自由になれないと感じる女性たちが、自分たちの望む性を生きられる場所こそが、このやおいの小説の世界であったのかもしれない。

BLは女性にとって「安全な愛」「愛と性のいいとこどり」佐川俊彦

そうなんでしょうか。
ぶっちゃけ、そこに書いてある通りに、こちらもよくわからんよ。
ただ、……「JUNE」といえばレジェンドどころか、一種の「真祖」。仏教でいえば比叡山延暦寺、日ノ本根本道場みたいなもんでしょ?そこの編集長なんだから、渋川剛気みたいなもんだ。
「あのJUNEの編集長がそう言っちまったんだ、な〜〜ンも言えネェ、言える訳がネェ」ってこと……なんだろうか? いやいや、ホイス・グレイシーが10年後にUFCに復帰したらケチョンケチョンだったように、もはやそんな初期のBLなど、時代遅れの骨とう品、テキサスの化石になっている…のかもしれんのか??



ただ、自分も、最初に仮説を立てた時は似たような論を立てたんだよね。こんな感じで。

仮説2…『少年同士の恋愛は自分が第三者、傍観できる立場になるから』

恋愛の生々しい葛藤や感情の動きは、フィクションの中でも体験するときにヘビーで重い感情を持たされてしんどい。だから対象は自分と縁遠いほうがよく、そういう縁遠いところの恋愛模様を眺める、というほうがエンターテイメントとして楽しめる。自分と根本的に性別が違う男同士の恋愛は、安心することができ、自分も傷つかない
(※この論考の特に後半部分、もともとは田中芳樹氏の発言。だが、そのとき彼は自分の「銀英伝」キャラのやおい本に相当怒っており、割り引くことも必要か(笑))
 
 

仮説3…『普通に少年と少女が漫画内で恋愛をすると、女性読者は作中の少女に嫉妬するから』(山岸涼子説)

2の変形といえば言えるかもしれないけど…個人的には「えーっ?そんなことあるかなぁ」と思わないでもないけど、仰ってる人が人だからなるほどとせざるを得ないでしょ。
文庫版「日出処の天子」で、山岸氏と梅原猛氏の対談があり、そこで本人が言明してるんすよ。

(クリックするとオリジナルサイズも見られます)

私は何度も男性の編集者さんを説き伏せるのに苦心した覚えがあるんですけれども、男性の目から見ると少女マンガに男しか出てこないというのは納得がいかないようなんですね。ところが私は逆だと思っておりまして、というのも読者は作品に自己投影して見るわけなんですね。ですから素敵な男性と結ばれたいのは本当の自分自身なんです。ところがそこに自分より理想的な女性が出てきて、自分の好きなその作中の男性と結ばれるというと、ある種の嫉妬みたいなものが出ちゃうんです。で、それよりも男同士のほうがいっそ楽なんですね。

 


あと、佐川氏は別の箇所で、こう表現している(149P)

中島梓さんたちの生み出したやおい文化は、女の子にとっては心の隙間を埋めてくれるもので、その物語を通じて、初めて彼女たちは性的に自由になることができたんです。

そういえばもうひとつ…彼女が書いた、このジャンルの作品のキャラクターやあらすじが、たくさん同書では紹介されているが、ぶっちゃけ彼女のBL小説は、かなり「性暴力」度が高い。

ある男がもうひとりの男を愛するあまり、自分の手で殺すというモチーフが、中島梓が最も描きたかったシチュエーションであろうことは、その後の数々の作品を見てもよくわかる。(147)P

いま、表現規制の論点の中で「性描写が問題なのではない。違法で人権を侵害するような”性暴力”の描写が問題なのだ」という言い方がされることがあるが、その視点で見ると………。




とりあえず、この部分は実際に「よくわからない」なので、まず情報として投げて置き、識者の分析を待つことにでもしようか。



ちなみに、それ以降の同書の文章はこう続く。

中島梓は、その後〈JUNE〉で、『終わりのないラブソング』という、少年同士の性愛を描いた長い物語を連載するほか、『小説道場』という、読者が創作したやおい小説を批評・指導していく連載をすることになる。また、今西良と森田透(※註 彼女の書くBL小説のキャラクター)の物語を《東京サーガ》と呼ばれる一連の作品群へと発展させていったり、同人誌の形態でもやおい小説を書き続けるなど、この分野は彼女の作家としての支柱のような存在でありつづけた。
なぜ女性がやおいを書き、読むのかというテーマについても、後に中島梓名義の評論『コミュニケーション不全症候群』(筑摩書房)などで論じている。
そうして、自らの表現をさまざまなジャンルに広げていった中島梓=栗本薫は、ついに終生書き続ける長大な物語を生み出し始める。
グイン・サーガ》の誕生である。


このほか印象に残ったのは
・ミステリ「ぼくらの時代」は「トリックがフェアか論争」があった、ということ、


沢田研二のファン(正確にはドラマ「悪魔のようなあいつ」で沢田研二が演じた可門良というキャラ)で、それをモチーフにして創作し、それを東京サーガと言われる一連の作品の主人公たる今西良というキャラに変換した…という、二次創作のはしりのようなことをしてた話
グイン・サーガの創作秘話


・有名な、ハンセン氏病の描写をめぐる筆禍事件


・演劇にのめり込んで相当な負債を抱えたこと


・自分の死後のグインサーガの書き手に江森備という人を考えていたこと、
……などが面白い話でした。

とくに、初期?の「パソコン通信」に興味を持ち、そこで濃いファンたちの濃厚なサークルを作っていったことは興味深い。


あと、ここも相当に印象に残っているが、中島氏は「JUNEというジャンルを定着させ、後に続く人材を育てよう」という強烈な意志があり、実際にそれによってジャンルが生まれた面もある、ということ。
榊原史保美氏が、それについて、自分が個人的に作家としてやっていく中で応援してくれた、という話を語り感謝しているくだりは感動的だ。

「とにかく中島さんからはこのJUNEというジャンルで、後に続く人を育てようとされている気持ちを感じました。この分野を世の中に定着させたいという意志で、私たちのことも応援してくれた。デビュー当時から売れっ子作家だった中島さんにとって、こういうジャンルの小説を書くのはリスクでしかなかったはずです。それを敢えてやり続けたというのは、彼女のなかにやらなければならない必然性があったのでしょう。私はJUNEというひとつのジャンルが立ち上がる時にそこにいられたことは幸せでしたし、中島さんがその場所を作ってくれたことは本当にありがたかったです」(288P)

 
 

『日本人は、なぜこんなにも漫画が好きなのか…
(略)なぜ、外国の人はこれまで漫画を読まずにいたのだろうか。
答えの一つは、彼らの国に手塚治虫がいなかったからだ』
 平成元年2月10日朝日新聞社

有名な言葉だが、漫画をBL、手塚治虫中島梓に変換することができるかもしれない。



「♪ナンバーワンに なれない人は、オンリーワンには 尚なれない」〜嘉門達夫の替え歌だとか

本日の朝の番組に嘉門達夫が出演したらしい(TBS「ラヴィット」?)
 ↓
twitterトレンドに「嘉門達夫」が浮上
 ↓
見てみたら、本日披露されたかどうかは知らんが、こういうツイートがあった



www.youtube.com



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「日本の武士は馬に乗ったまま戦闘した?しない?」本郷和人教授が「逃げ上手の若君」解説最新回で炎上必至の問いに回答

なんでこれが炎上必至なのか


「した」も「しない」も、どっちにも熱心な論者がいるからだよ!!!!

そして、問いの性質上、戦国時代の話に続くだろ?

戦国時代に関する議題は、基本すべて炎上必至なんだよ(笑)!!まぁ、本郷教授が、炎上など恐れる訳がない、か……


で、本郷教授のお答えはシンプル。「乗ったまま戦闘」……した。


なぜか。
戦闘の負傷記録を見ると、弓矢での傷が最多で(だったかな?)その次に多いのが「馬に踏まれた」だった。

馬は大きくて、重い。これに乗って突撃するだけで、大変なアドバンテージ(馬体突撃とか言うたね)。それを、戦闘するプロたる武士が手放すわけないじゃないか……といった内容でした。


いま手元になくて記憶だけで述べるんだけど、そんなふうなこと書いてあったよね??ジャンプの最新号に。

何しろあの部数だから、多くの人が見たはずだろう。
気になる人は本文を確認してください。
※この本文とは、マンガ扉絵の1P前に掲載されている「解説上手の若君」というコラムです



ちなみに作品自体は、自分にとっては「リアリティライン」を踏み越えているというか「サスペンション・オブ・ディスビリーフ」が成立しなくなってきちゃった……という感じで、ひところよりは楽しめない状態。



それはそれとして、日本の武士は、「馬に乗って闘ってはいない」というのはですね……同時代に記録があったりなんなりで、そういう説があるらしいんすよ。

ルイス・フロイスが書き残している、それも西洋では馬上のまま闘うが日本は下馬してたたかう・・・・と、珍しいものを見た!的な記述として特筆してる、とかで。