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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「弔意の強制」という新たな?論点を抱えつつ8月6日を迎え、この日の式典を我々は見る訳だが。

令和4年(2022年)平和記念式典(広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式)について(5月20日時点)
放鳩

  平和記念式典は、原爆死没者の霊を慰めるとともに、世界恒久平和の実現を祈念することを目的に、慰霊碑が平和記念公園に建立された昭和27年以来、途切れることなく続けてきています。令和4年については、感染症に係る様々な制限が緩和され、社会経済活動が通常に戻りつつあることを踏まえ、引き続き感染防止対策等を徹底しながら、以下のとおり令和3年よりも規模を拡大して開催します。



www.city.hiroshima.lg.jp


人類の悲劇の日を、また迎えた。
自分も、可能なら黙祷しよう。念のため、これは自発的な行動である。

しかし。

7月24日の記事を、以下まるまる再録する。

m-dojo.hatenadiary.com



<社説>安倍元首相「国葬」 内心の自由に抵触する

2022年7月16日 05:00
社説
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 岸田文雄首相が、街頭演説中に銃撃を受けて死去した安倍晋三元首相の「国葬」を9月に実施すると発表した。史上最長の在任期間、国際社会からの高い評価、国内外から追悼の意が寄せられていることを理由として挙げたが、全く納得できない。憲法が保障する内心の自由に抵触する国葬には反対する。

 国葬とは、国費を投じて国民に追悼を求めるものにほかならない。戦前の「国葬令」は皇族、軍人、政治家など対象者も定めていた。戦後、言論・表現の自由内心の自由(19条)、政教分離(20条)を定めた現行憲法の制定によって失効した。
 戦後、首相経験者の国葬とされるのは1967年の吉田茂元首相だけで、そもそも異例だった。岸田首相はこの例に倣い閣議決定で可能だとする。しかし、根拠法がなく定義もない。国会で説明もせずに公費が使われていいのだろうか。
 吉田元首相の国葬では、当時の佐藤栄作首相が「追悼の辞」で吉田元首相の功績として、敗戦後の苦難の時代に長く首相を務めたこと、サンフランシスコ講和条約を締結して日本の独立を回復したことを挙げ「戦後史上最大の不滅の功績」とたたえた。
 その「功績」の裏側で、沖縄は日本と切り離され、米統治下で人権を制限され核基地化が進められた。吉田氏が調印した日米安保条約、日米行政(地位)協定は現在も沖縄を苦しめている。
 その後の首相経験者の葬儀は、内閣と自民党の合同葬が大半だ。佐藤元首相の場合は自民党と国民有志による「国民葬」だった。内閣として公費を使ってきたことにも批判があった。それなのに今、なぜ国葬なのか。
 安倍元首相の功績の評価も疑問だ。在任期間の長さは功績といえるのか。米国と軍事的一体化を進めたことを米政府関係者が高く評価するのは当然だが、国内には根強い批判がある。誰もが認めるような外交成果はあるだろうか。
 沖縄の立場からはさらに厳しい評価をせざるを得ない。安倍元首相は、沖縄の民意を踏みにじりながら辺野古新基地建設を力ずくで進めてきた。地位協定見直し要求も無視し続けた。「台湾有事は日本有事」などの発言は、沖縄を再び戦場にしようとするものとして批判された。
 岸田首相は「暴力に屈せず、民主主義を断固として守り抜く決意を示す」とも述べた。しかし安倍元首相は民主主義を空洞化させた。安全保障関連法などで強行採決を重ね、森友・加計問題、桜を見る会問題では、長期政権のおごり、権力の私物化と批判された。国会でうその答弁を積み重ね、公文書改ざんなどを引き起こした。数々の疑惑に口を閉ざしたままだった。
 銃撃は民主主義への挑戦であり、今求められることは民主主義の精神を守ることだ。「国葬令」が失効した歴史をかみしめるべきである。

ryukyushimpo.jp


どこの、という情報は割愛する。ある、広島県内・長崎県内ではない行政機関の告知である。

防災行政無線による黙とうのお願い
 (略)…・市では、戦争の悲劇と平和の大切さを子どもたちに伝え、世界の人々と手をたずさえて、核兵器の廃絶と恒久平和を希求するため、平成23年非核平和都市宣言を行いました。
 その趣旨に基づいて、防災行政無線を使っての「黙とうの呼びかけ」を一斉放送しています。戦争で犠牲になられた方々を追悼し、平和な社会を求めるという趣旨をご理解いただき、市民の皆さまのご理解と黙とうへのご協力をお願いいたします。

原爆・終戦の日に黙とうを
8月6日は広島市に、9日は長崎市に原爆が投下された日です。また、15日は終戦の日です。これらの日には、原爆や戦争による犠牲者のご冥福と世界恒久平和を祈るため、サイレン吹鳴を行いますので、1分間の黙とうをお願いします。

日時
広島原爆の日 令和4年8月6日(土曜日)午前8時15分
長崎原爆の日 令和4年8月9日(火曜日)午前11時02分
終戦の日 令和4年8月15日(月曜日)正午

8月6日と8月9日は、広島と長崎に原子爆弾が投下された日です。
広島市長崎市では、それぞれ原子爆弾投下・炸裂の時刻に、それぞれの平和祈念式典において1分間の黙とうをささげます。
原爆で亡くなった方々のご冥福をお祈りすると共に、恒久平和への誓いを心に刻むために、市民の皆さまにおかれましても、ぜひ黙とうしていただけますようお願いします。

原子爆弾投下・炸裂日時
広島市 8月6日 午前8時15分(投下日時)
長崎市 8月9日 午前11時2分(炸裂日時)


これが、単純に安倍晋三の業績や実績、あるいは人格……まあそれを言うよりは「『国民的合意』が国葬に達しない」とかへちまとか、そういう基準だったら、両原爆の日終戦の日は比べるまでもない。こちらのほうに弔意を示すのは圧倒的な「国民的合意」がありましょう。
それに弔意を示さないのは反日だっ。ちがうか。


だが…【弔意を 行政が 示す のは、「内心の自由」に反する】、という論の組み立てしちゃったら、それは成り立たないのよ。
超へそ曲がり、奇矯な思想の持ち主か、あるいは「追悼ではなくヤンキーどもへの復讐を誓うべきだ!」とか言う過激派…どんなのでもいいんだけど、何かの理由で原爆犠牲者や大戦の死者を追悼したくない、と考えるひと。
……、そういう「一匹の羊」がいるか、あるいはいるかもしれないという想定をしてしまい、そういうひとがいるのに弔意を行政として示すこと自体が「内心の自由」に反する…ということだったら、行政機関がサイレンを鳴らしたり、そもそも式典をすることが内心の自由に抵触するのではないでしょうか。

「貴官、なぜ、黙祷せぬ!?」
「この国は自由の国です。黙祷したくないときに黙祷しないでよい自由があるはずだ。私はその自由を行使しているだけです」
「ではなぜ、黙祷したくないのだ」
「答えない自由を行使します」

いや、逆に「8月6日に式典を行い、行政機関が黙とうを命じる、あるいは呼び掛けるのは、内心の自由を侵害することにはならない」というのはどう組み立てればなりたつのでしょうか?
これこそ弁護士ドットコムあたりに記事書いてほしいところですが。



みなさんも、8月が来る前にこのへんの論理を構築せねば、危険があぶない。



儀礼を強制できる権利」というのは、使節管理権の一環なのだろうか。
権利に敏感な司法、弁護士たちも、裁判所が強制する儀礼にはだいたい抵抗せずに従っている。(完全に自主的にその儀礼をやっているだけ、とか帽子を取るのは治安上の要請、とかのエクスキューズはあろう)


「帽子を脱げ、ここは法廷だぞ」―儀礼の強制は内心の自由を妨げるか(裁判長、僕の弟懲役4年でどうすか?)


いや、国民の大多数が納得し同意していればいいのだ、安倍の国葬は賛否が半々だから駄目なのだ……そんな理屈ならわかる。
原爆の犠牲者を悼み、その追悼を公式行事として行い、参列者や中継の視聴者に呼びかけることは、7、8割…いや9割以上の国民が、同意し容認するだろう。


しかし、「弔意の強制」という視点では、1人でも反対者、賛同しないものがいれば……そして公共的な機関、団体が、公の行事として行うこと自体が「弔意の強制」になる……という論の組み立てなら広島・長崎の式典も、終戦記念日の黙祷や戦没者慰霊祭も然りなのですよ…ね?違いますか??


そんな論点も
考えつつ、8月6日が来た。


とり・みきが、いしいひさいち新作「ROCA」を絶賛。『間違いなくオールタイムのフェイバリットの1冊』~いしいの自費出版本らしい

いしいひさいち「ROCA」表紙

そんな本があるのか、検索…あれ?Amazon商品紹介で、でないな…はてなはダメだな、直接検索で…出ない…???

これ???

www.ishii-shoten.com
(笑)いしい商店

単行本通信販売コーナー
いしいひさいち自費出版本を販売中です。

2022年8月2日から『ROCA 吉川ロカ ストーリーライブ』(1冊税込1000円、詳しくは特設サイトをご参照ください)の発売を始めました。

ウェブサイトでの新作連載をまとめた『スクラップスチック それがどうした1.』は2021年11月の発行で、1冊税込500円です。

コミティアに出品するため制作してきた『ドーナツボックス』は全巻在庫がなくなり、紙の本の販売は終了しました。AmazonKindleの電子書籍は全巻発売中で…(略)

いしいひさいちですら、自分が版元になって作品を発行・販売することをやりはじめたのか。…いや、いしいぐらいの地位を確立した人だからできるんかもしれないな、逆に。とにかく。「ROCA」とは??



ROCAについては、2019年にこのブログ記事で紹介されている
要は「ののちゃん」の中で、少しずつ話が進んでいた、ストーリー内のサイドストーリーというか、外伝というか…そこから、完全新作につながったそうなのだ。
goldhead.hatenablog.com

画像を孫引くと

ROCA あらすじ いしいひさいちののちゃん内のサイドストーリー)


ここにも、創作に至る経緯の、作者本人の弁が詳しく述べられています。
www.ishii-shoten.com



いしいひさいちといえば、致死量をはるかに超えた猛毒を含む風刺か、あるいは「ただの言葉遊び」「繰り返しのマンネリ」などを極めつくしてナンセンスの極致に至るような笑いが中心だが、それでもときどき「文学的」としか言いようのない作品を読むこともある。
ここに収録された、めちゃくちゃ弱い高校野球部の話とかね。



にしても、あのとり・みきに「間違いなくオールタイムのフェイバリットの1冊」と言わせる作品は、それだけで只者ではない。

格闘家の「意味正確に理解してその日本語タトゥー入れてんのか」シリーズ(クリス・ダンカン)

「剣で生きる者は剣で死ぬ」格闘家の刺青、UFC


元は聖書だろうけど……基本、否定的なニュアンスだったと思うが、それ格闘家が背中にしょうのかね。「それを覚悟して俺はこの道をゆくぜ」みたいに反転した自負、と解釈すればいいのかもだが。

報道や批評の時に「映像」も引用できるか?…統一教会の報道で再浮上した問題、この裏には…

friday.kodansha.co.jp


《今後、当法人の許可なく、当法人の著作物である映像等を無断使用することは絶対にしないで下さい。この警告にもかかわらず、無断使用をした場合には、法的手段を講じる所存ですのでご注意下さい》

7月31日、世界平和統一家庭連合(以下、旧統一教会)が公式サイトに……(略)プレスリリースを発表した。

《報道機関(特に民放ワイドショー番組)が使用する映像コンテンツの中に、当法人(および韓国世界本部)に対して使用許可をとらない、明らかな著作権法違反とわかる報道内容が散見されるようになりました》

として、今後は無断使用には法的手段をとることを明言したのだ。
(略)
過去の合同結婚式や、政治家がイベントでスピーチする姿などが放送されている。では統一教会が主張する著作権のある映像とはどんなものか。このように詳細が書かれている。

《参考:PeaceTV、U-ONEニュース、家庭連合公式サイト、家庭連合公式 YouTube、当法人関連イベント盗撮映像 ほか》

ちなみに『PeaceTV』というのが、政治家がスピーチしているような映像が多くある媒体だ。

この注意喚起をマスコミはどのように捉えているのか。あるワイドショー関係者は、

「一部局の著作権の担当部署は弱気になってしまい、“統一教会の映像使用を控えてほしい”と各番組のプロデューサーに通達しました。追及していく深堀りの報道に関しては“報道引用”には当たらず、訴えられると負ける可能性が高い…(略)」


原文……しんのおとーさまのメッセージ(かどうかはしらん)はこちら(あそこに飛びます、注意)
ffwpu.jp


最初の記事のブクマで、こういう指摘がある。

旧統一教会の”著作権違反主張”に「テレビ業界が戦々恐々中」 | FRIDAYデジタル

著作権法第41条(時事の事件の報道のための利用)があるから基本的には問題ないだろうけど、映像そのものが非合法に入手されたものだとヤバいかもしれんね。 <a href="https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000048#Mp-At_41" target="_blank" rel="noopener nofollow">https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000048#Mp-At_41</a>

2022/08/04 08:28
b.hatena.ne.jp


ふむ、これか。

elaws.e-gov.go.jp

(時事の事件の報道のための利用)
第四十一条 写真、映画、放送その他の方法によつて時事の事件を報道する場合には、当該事件を構成し、又は当該事件の過程において見られ、若しくは聞かれる著作物は、報道の目的上正当な範囲内において、複製し、及び当該事件の報道に伴つて利用することができる。


さてこの話、自分はずっと追っていたのです。マイケル・ムーアのブッシュ批判ドキュメンタリー映画華氏911」で、ブッシュのニュース映像が批判的にバンバン使われていたのを見てからの疑問だから、相当長い期間興味を持っていた。

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アメリカでかなり独自性の強い運用がされているらしい「フェアユース」がとりあえずいま、日本では適用されない。
こちらを日本にも導入する試みを大いにやってほしくはあるのだけど、とりあえず現行的には著作権法大41条で対応する……それは大全体なんだけど、自分が最初の記事につけたブクマ。

この議論を進め「TVも統一教会の動画を使っていいし、TV局映像(ミヤネ屋でもサンモニでも報道特集でもそこまで言って委員会でも)も批評批判のために引用できる」という所にまで広げたい(現行法で出来る筈)。
https://b.hatena.ne.jp/entry/4723305000466510050/comment/gryphon

そう、これが当方の、華氏911が公開された2004年からの問題意識。
直接に映像を引用して、それを批評・批判することが可能なら、ワイドショーやニュース番組のキャスター・コメンテーターの不用意な発言などがもっともっと引用され、批評批判される(要は炎上する)だろうなあ、と。

これは2004年の予想から、youtubeやニコ動、tiktokなどの映像投稿SNSが圧倒的に成長する過程で自分の予想をこえているけど。
すでに、「テレビや動画の問題発言はそこを切り抜いた映像付きで投稿される」は普通の光景だけど、それはあくまで海賊版的な投稿扱いの筈。

統一教会の映像と同様に、テレビ番組のニュースやワイドショーの映像も引用していいですよ」と、現行法では既にそうなっているけど、テレビ局としてはそれを絶対に言いたくない、そんなジレンマがあるから、統一教会の牽制球も必要以上に効いてくる、んじゃないだろうか。

そうでないと思いたいが。

だから、確認しよう。
統一教会の所有する動画サイトから、報道や批評のために一部の映像を引用することは許される。同時にテレビ局の映像…キャスターやコメンテーターの発言・失言なども、批評批判の時に自由に引用できる」…そういうことでいいんだよね??

【資料】赤塚不二夫が「面白人間を集めた」時代、周囲はこう見ていた(我乱堂氏ツイート)/まんが道ドラマ再放送(NHK)

ひとつ前の記事からダイレクトに繋がります(一括して一本の記事にすることも考えたけど、膨大なので…)

再論【あだち勉物語】~赤塚不二夫と弟子の「愉快ないたずら」は、一種の「大人のおとぎばなし

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こちらを受けて、こういうツイートをいただいた












一読してやはり思うのは、個人的にそのへんの情報・資料収集が足りないだけで、「(トキワ荘以後、マンガの超売れっ子にして芸能活動にも入っていった)赤塚不二夫先生の想い出」に関してはおそらく周囲の人間も筆達者・口達者な人たちばかりだから、膨大な資料があるんだろうなと。

それを整理整頓してきちんと系列にまとめていけば、おぼろげながらも全体像の…これまた一端が浮かび上がるのではないか。



最近、おしくも鬼籍に入られた古谷三敏「ボクの手塚治虫せんせい」は後半がまさに赤塚不二夫の手伝い、アシをした時代の想い出になり、同じ部屋で布団を並べながら「兄弟でも夫婦でもないのに、俺たちが一番こうやって一緒に長い時間を過ごしているよな」としみじみ回想とかしてたと思う。




そんな赤塚不二夫の若き日も登場する、ドラマ「まんが道」がNHKで一挙再放送

藤子不二雄A先生追悼ということでもあるのでしょうか…

amass.jp

藤子不二雄”となる二人の青年が手塚治虫に憧れて漫画家を目指す物語『まんが道』。1986年にNHK総合で放送されたドラマ版(全15回)がNHK総合で再放送決定。8月10日(水)と11日(木・祝)の2日にわたり一挙放送。

■『まんが道

藤子不二雄の始まり、人生を変える出会いと別れ、そして漫画家として生きる覚悟が語られる…漫画好きは必見の青春物語

NHK総合
2022年8月10日(水) 午後11時45分から 第1回から第8回
2022年8月11日(木・祝) 午後11時45分から 第9回から第15回
19分30秒×全15回を2日にわたり一挙放送

再論【あだち勉物語】~赤塚不二夫と弟子の「愉快ないたずら」は、一種の「大人のおとぎばなし」

とりあえず第一報として書いた「最近の『あだち勉物語』19,20話が面白いから読んでくれ」は、やはり途中からネット連載漫画を読み逃した層などにそれなりに響いたか、反響もあった。読んでくれた人も多いだろう。

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www.sunday-webry.com

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その時は、時間が無くて論評に手が回らなかった。その捕捉をこれから

【19話】赤塚不二夫は誰とでも仲良くなって「遊びに来なさい」と声をかける。その結果…

あだち勉物語 ホームレスの取材
あだち勉物語 ホームレス取材

ぶっちゃけ、この時代「ホームレス」なんて言葉は使われてたはずがなくて、別の単語だったと思うが…それはさておき、いやそれとも繋がるけど、実際の所この取材が本当に創作活動に必要だとかではなく、やはり悪趣味な、冗談半分、興味半分のホームレスとの接触だったと判断するしかない。
そういうアティチュードが、今どのように評価されるかといえば、非常に怒られというか、糾弾されるように思われる。
しかし実際に交流すれば、赤塚不二夫は凡百の知識人や名士ではおそらく不可能なほどにホームレスと意気投合し、そして「いつでも遊びに来なさい」と手書きの名刺を渡したり、高級腕時計を友情の証としてプレゼントする。
その結果としてリアルな「レ・ミゼラブル」あるいは「ジョジョの奇妙な冒険 第一部」状態が発生する。お巡りさんの余計な手間が増える(笑)

あだち勉物語 リアルなレ・ミゼラブル
あだち勉物語ホームレスとも仲良くなる赤塚不二夫


「雑誌に載ってる『ファンレターのあて先』は、作者のリアル住所だった」という時代もあり、電話帳その他、「居住地へのアクセス方法、そこを公開する意味」は確かに昭和はいまと全然違うけど、それを差し引いても赤塚不二夫があんまりにもオープンマインド過ぎることは間違いない。
いまでは、いや当時でも、普通ならマネジャーや編集者がブロックする。
それを可能にしたのは、赤塚不二夫が「みんなと酒を飲んでバカ騒ぎする」が好きなことが第一だったろうし、そこで「面白いやつを積極的に仲間に加えたい!」という変な時代精神があったのも間違いなさそう。そこから「タモリ」が生まれたのも間違いない訳だろうが……

たとえば、ここで、単に声を掛けられたのでフジオプロに遊びに来て、伝説の赤塚作品を手伝ったあんちゃんたちって、年齢的にはご存命の筈だ。
市井にいるであろう、「この当時の、飲み歩いていた赤塚不二夫とどこかで関わり、交流を持った人」
の証言が、もっと発掘されていい筈なんです。

あだち勉物語 赤塚不二夫が誰にでも「遊びに来い」と言った結果


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一方で漫画家の仲間からも一部では「赤塚は飲み歩いて有名人とつるんで…なんか無理してるんじゃないか?」みたいな心配や、冷ややかな目もあったという。
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ここは実際によくわからないので、タモリの笑っていいとも終了の時に、巷間にあふれた「タモリ伝」からの再構成も含めて、やはりもう一度「巨匠となった赤塚不二夫周辺の『面白』人脈の歴史」に関する決定版の記録が欲しい、と再度要望しておきたいです。


過去記事で引用した記事の、さらに再引用。

11.杉江松恋の『芸人本書く派列伝』
============
【プロフィール/杉江松恋

1968年生まれ。ライター、文芸評論家、書評家。
ミステリー小説の書評を中心に雑誌やWeb上で執筆活動を行う。
また、映画や漫画などのノベライズ作品も執筆。



山本晋也『カントク記 焼とりと映画と寿司屋の二階の青春』(双葉社)から以下の情景を引いていく。

 197×年某月某日、新宿2丁目にそのころあった、ひとみ寿司の座敷で怪しい集会が開かれていた。
 怪しいといっても過激派・カルト集団というような物騒なものではなく、漫画家・赤塚不二夫を中心とする「面白グループ」の人々である。これは赤塚の交友関係から自然発生した親睦集団で、当時としても豪華な面子が顔を揃えていた。NHKの演芸ディレクターでありコント55号の育ての親としても知られる滝大作放送作家兼評論家の高平哲郎、ピンク映画監督の山本晋也、ジャズマンの山下洋輔坂田明、コメディアンの内藤陳、歌手の三上寛といった面々である。そこに九州から上京してきたタモリが迎えられ、デビュー仕立ての所ジョージTHE ALFEE坂崎幸之助といった後に名をなす人々が加わっていった。山本晋也も自身の監督作品常連であったたこ八郎柄本明らを伴っている。
 寿司屋といってもそこでは誰も寿司は食わず「ブッカキ氷の上にキャベツの千切りを載せて、塩と胡椒と味の素を混ぜた赤塚先生特製の香辛料を付けて食う」だけ、酒は焼酎「白波」の番茶割りだ。つまりグルメや贅沢とは程遠く、大のおとながどれだけ馬鹿なことだけを言い合いして時間を浪費していけるか、ということを競う場だったのである。

 面白グループが残した足跡については、まだ未評価の部分が大きい。私的集団で表立って行ったことが少ないのがその一因だろう。赤塚という庇護者をつけてタモリを世に出したことが最大の功績であるのは間違いないが、タモリだけではなく、所、坂崎らにオールナイトニッポンのパーソナリティを持たせ名前を周知させるなど、グループが人脈を駆使して行ったことは決して少なくなかった
 その一方で赤塚不二夫は、面白グループに熱中していた時代が、人気が頭打ちとなって下降する時期と重なっている。
(略)
決して順風満帆な時期ではなかった。1974年に「週刊少年サンデー」で連載していた『レッツラゴン』が終了…
(略)
 見ようによっては、少年誌では発揮できなくなった才能を面白グループという集団の中で発散することでバランスをとっていたようにも思える。…(略)赤塚の弔辞でタモリが「私もあなたの作品の一つです」と読み上げたのは、正鵠を射た言葉であった。この時期の赤塚が、タモリという創作物を世に出すために力の多くを使っていたことは事実だからである。

この話、そして次の記事、ここにつながる。
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かつて銀座などで消費された「有名人の面白悪戯」~フジオプロの遊びに「飲み屋で『お仕事は?』と聞かれたら相手に当てさせ、最初に言われた回答の職業になり切る」があった

あだち勉物語 飲み屋で職業を当てさせ、最初の回答の職業になり切る
『お仕事は?』と聞かれたら相手に当てさせ、最初に言われた回答の職業になり切る」 あだち勉物語


これもまた、飲み屋での「いたずら」である。コンプライアンスとポリティカルコレクトの概念からいえば、こういういたずらも「よくないこと」とされる可能性もありそうである。いや、さすがにこれはギリギリ、いまでも許容されるかな?


ただ、これ読んでふと思ったのは
遠藤周作を起点として…北杜夫とか阿川浩之とかそのへんかな? またSF作家周辺とかも、「飲み屋や旅先で〇〇のふりをして……」みたいな体験記やエッセイを、70-80年代だろうか、いろいろ書いていた気がするんだよね。
というか、自分は小説家ってのは、原稿用紙に創作の物語を書く人というより、みんなで集まって飲み会をして、大騒ぎの中でこういういたずらやなりきりゲームを、現実社会の中で演じて、それをエッセイのかたちで面白おかしく報告する……というひとだと思ってたな、最初は(笑)


で、俺的な個人の感想では、その最後に位置するのが「中島らも」だったと思うの。

上のあだち勉の「相手に当てさせた「自分の職業」になり切るゲーム」で思い出したのが、何かの文学賞の選考帰りに、年齢不詳の風貌を活かして同乗者と「頑固な老作家とその担当編集」になりきり「今の文学はどれもこれも…」「やはり、大陸からの引き揚げを経験した先生から見るとそう思いますか」「うむ、あの脱出行こそ儂の文学の原点じゃ」とかなんとか適当にやりとりして、タクシー運転手を感心させた……みたいなエピソードでした(かなり記憶曖昧です)

ま、その延長で、天下の朝日新聞紙上で「死を呼ぶみそじゃがいも」事件というのを起こしてしまうわけですが(笑)
www.cataloghouse.co.jp
note.com



自分の知ってる範囲でいうと
遠藤周作などを中心とする「面白エッセイも書く文学者集団」
・SF作家集団
赤塚不二夫と「面白グループ」
・ジャズメン

のようなひとたちが、上にあるような、半分ぐらい現実と関わるような罪のない?いたずらジョークを、酒宴と共に行って、それを「芸のこやし」にしていた。
その上で、何しろ銀座赤坂というふうに場所が重なるし、ホームレスやラーメン屋店員とまで「こんど遊びにおいで!」になるぐらいだから、そういう有名人同士だって当然顔を合わせ、交流を生んだ。


たとえばそういう中で「大橋巨泉藤子不二雄Aが無二の親友となる」というような、不思議な交友関係が生まれたりもするんですね。


いや、もっとそういう集団はあちこちにあったと思うんですよ、
ただ「こういうことをしました!おもしろかった!!」と語る語り部がいなかっただけで。



あだち勉物語」は、トキワ荘と同様に重要かもしれない、「赤塚不二夫が大成功して「日本の顔」となった後、彼と彼の周辺はどのように「おもしろ」を模索したか?」を、交友関係や実際の酒場での遊び方などを含めて記録してくれる。
ここが図らずも貴重なので、そういう点からも連載が長くつづいてほしい。


そしてそれは日本の漫画史のみならず芸能史、お笑い史などの空白を埋める、貴重なミッシングリンクになるかもしれない。


いまはもうできないか、実はそれでも続いているのか…「大人のおとぎばなし」。


調子がよくてイマイチ信用できない、でもなぜか懐にはそれなりのゼニがある…という人が雀荘や飲み屋で、周りの人間にちょっとうるさがられながら、何とも面白い話をしている。
それの悪友というか兄貴分は、誰でも知ってる超有名人!! 「いつでもうちに遊びに来てよ」と仕事場の名刺を渡され………なんてことは、治安もマナーもよくなった令和の御世にはちょっとありそうもない。
といいつつ、我々の把握できないどこかで、こういう関係性はまだあるのかも…どうだろう。



「いつでも遊びに来たまえ」と鳥山明尾田栄一郎が名刺をわたしてくれますかっ。
板垣恵介が…これは、「武」や「侠」を鍛えた漢なら、まぁほんのちょっとは、あり得るかもしれない(笑)
藤田和日郎島本和彦は微妙にありそうなので、周囲が止めてあげてください(勝手なイメージ)




でも、そんな出会いが、それでもどこかに生まれているかもしれない。
あるいは、20話のように、飲み屋で不思議なトークをして帰っていったあの男の自称や半生の記は、単なる与太話だったのかもしれない。


そういうことをひっくるめて、「あだち勉物語」の19話、20話は【大人のおとぎばなし】と認定したい。
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【大人のおとぎばなし】 ※準タグです。この言葉でブログ内を検索すると関連記事が読めます

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「市議が詐欺容疑」の【吉羽美華】容疑者!この名を覚えておけ!そして……

……格闘技やスポーツ選手のマネジメントを行う芸能プロダクションも経営するなど、各界に人脈を有していた吉羽容疑者。そんな自身の立ち位置が、今回のトラブルを招いた可能性も示唆していた。
総合格闘技団体の運営にも関わっていたことがあり、犯罪をする人たちには私は“ちょうどイイ(利用価値のある)存在”だったのだと思います。当時やっていたアメブロでは政治家のなかで小泉進次郎などを抜いて(アクセスランキングで)トップの常連でもありました。自分から言うことではないですが、大阪の一市議でありながら知名度はかなりあったと思います。そんな私が詐欺に加担するはずがありません」


news.yahoo.co.jp

吉羽美華寝屋川市議ら5人、詐欺容疑で逮捕…コロナ融資巡り委託料名目で十数億円被害か

2022/08/02 06:39

 新型コロナウイルスの影響で業績が悪化した福祉施設などを支援する公的融資制度を巡り、業務委託料の名目で現金をだまし取ったとして、福岡県警は1日、大阪府寝屋川市議、吉羽美華容疑者(42)(大阪府寝屋川市)ら男女5人を詐欺容疑で逮捕した。県警は大阪府や福岡県内の福祉施設、医療法人などが受けた十数件の融資30億円以上のうち、十数億円が吉羽容疑者らの手に渡っていたとみて調べる。


www.yomiuri.co.jp

市議がサギ。
韻を踏むな。

※もちろん公判で罪が確定するまでは推定無罪であるとの原則の上で

まあ、その容疑だけでも、被害金額十数億円、それも弱者を救済するために、日本国と自治体が総力を挙げて、そして善意に期待して行った緩やかな審査の融資を奪う・・・・・というだけで、すごく剣呑な大きな事件なんだけどさ。



吉羽美華

の名前を、もう一度覚えておいて。

そして検索してみて。いろいろと。


あ、吉羽美華 格闘技」では検索するなよ!!


ある意味「石坂徳州こと金徳州」レベル。(だからこの名前でも検索するなって!)


「お前さん、ちょいとこれじゃ大晦日は迎えられないよ」という、「掛取漫才」状態になるかならぬか。


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