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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

とり・みきが、いしいひさいち新作「ROCA」を絶賛。『間違いなくオールタイムのフェイバリットの1冊』~いしいの自費出版本らしい

いしいひさいち「ROCA」表紙

そんな本があるのか、検索…あれ?Amazon商品紹介で、でないな…はてなはダメだな、直接検索で…出ない…???

これ???

www.ishii-shoten.com
(笑)いしい商店

単行本通信販売コーナー
いしいひさいち自費出版本を販売中です。

2022年8月2日から『ROCA 吉川ロカ ストーリーライブ』(1冊税込1000円、詳しくは特設サイトをご参照ください)の発売を始めました。

ウェブサイトでの新作連載をまとめた『スクラップスチック それがどうした1.』は2021年11月の発行で、1冊税込500円です。

コミティアに出品するため制作してきた『ドーナツボックス』は全巻在庫がなくなり、紙の本の販売は終了しました。AmazonKindleの電子書籍は全巻発売中で…(略)

いしいひさいちですら、自分が版元になって作品を発行・販売することをやりはじめたのか。…いや、いしいぐらいの地位を確立した人だからできるんかもしれないな、逆に。とにかく。「ROCA」とは??



ROCAについては、2019年にこのブログ記事で紹介されている
要は「ののちゃん」の中で、少しずつ話が進んでいた、ストーリー内のサイドストーリーというか、外伝というか…そこから、完全新作につながったそうなのだ。
goldhead.hatenablog.com

画像を孫引くと

ROCA あらすじ いしいひさいちののちゃん内のサイドストーリー)


ここにも、創作に至る経緯の、作者本人の弁が詳しく述べられています。
www.ishii-shoten.com



いしいひさいちといえば、致死量をはるかに超えた猛毒を含む風刺か、あるいは「ただの言葉遊び」「繰り返しのマンネリ」などを極めつくしてナンセンスの極致に至るような笑いが中心だが、それでもときどき「文学的」としか言いようのない作品を読むこともある。
ここに収録された、めちゃくちゃ弱い高校野球部の話とかね。



にしても、あのとり・みきに「間違いなくオールタイムのフェイバリットの1冊」と言わせる作品は、それだけで只者ではない。

格闘家の「意味正確に理解してその日本語タトゥー入れてんのか」シリーズ(クリス・ダンカン)

「剣で生きる者は剣で死ぬ」格闘家の刺青、UFC


元は聖書だろうけど……基本、否定的なニュアンスだったと思うが、それ格闘家が背中にしょうのかね。「それを覚悟して俺はこの道をゆくぜ」みたいに反転した自負、と解釈すればいいのかもだが。

報道や批評の時に「映像」も引用できるか?…統一教会の報道で再浮上した問題、この裏には…

friday.kodansha.co.jp


《今後、当法人の許可なく、当法人の著作物である映像等を無断使用することは絶対にしないで下さい。この警告にもかかわらず、無断使用をした場合には、法的手段を講じる所存ですのでご注意下さい》

7月31日、世界平和統一家庭連合(以下、旧統一教会)が公式サイトに……(略)プレスリリースを発表した。

《報道機関(特に民放ワイドショー番組)が使用する映像コンテンツの中に、当法人(および韓国世界本部)に対して使用許可をとらない、明らかな著作権法違反とわかる報道内容が散見されるようになりました》

として、今後は無断使用には法的手段をとることを明言したのだ。
(略)
過去の合同結婚式や、政治家がイベントでスピーチする姿などが放送されている。では統一教会が主張する著作権のある映像とはどんなものか。このように詳細が書かれている。

《参考:PeaceTV、U-ONEニュース、家庭連合公式サイト、家庭連合公式 YouTube、当法人関連イベント盗撮映像 ほか》

ちなみに『PeaceTV』というのが、政治家がスピーチしているような映像が多くある媒体だ。

この注意喚起をマスコミはどのように捉えているのか。あるワイドショー関係者は、

「一部局の著作権の担当部署は弱気になってしまい、“統一教会の映像使用を控えてほしい”と各番組のプロデューサーに通達しました。追及していく深堀りの報道に関しては“報道引用”には当たらず、訴えられると負ける可能性が高い…(略)」


原文……しんのおとーさまのメッセージ(かどうかはしらん)はこちら(あそこに飛びます、注意)
ffwpu.jp


最初の記事のブクマで、こういう指摘がある。

旧統一教会の”著作権違反主張”に「テレビ業界が戦々恐々中」 | FRIDAYデジタル

著作権法第41条(時事の事件の報道のための利用)があるから基本的には問題ないだろうけど、映像そのものが非合法に入手されたものだとヤバいかもしれんね。 <a href="https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000048#Mp-At_41" target="_blank" rel="noopener nofollow">https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000048#Mp-At_41</a>

2022/08/04 08:28
b.hatena.ne.jp


ふむ、これか。

elaws.e-gov.go.jp

(時事の事件の報道のための利用)
第四十一条 写真、映画、放送その他の方法によつて時事の事件を報道する場合には、当該事件を構成し、又は当該事件の過程において見られ、若しくは聞かれる著作物は、報道の目的上正当な範囲内において、複製し、及び当該事件の報道に伴つて利用することができる。


さてこの話、自分はずっと追っていたのです。マイケル・ムーアのブッシュ批判ドキュメンタリー映画華氏911」で、ブッシュのニュース映像が批判的にバンバン使われていたのを見てからの疑問だから、相当長い期間興味を持っていた。

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アメリカでかなり独自性の強い運用がされているらしい「フェアユース」がとりあえずいま、日本では適用されない。
こちらを日本にも導入する試みを大いにやってほしくはあるのだけど、とりあえず現行的には著作権法大41条で対応する……それは大全体なんだけど、自分が最初の記事につけたブクマ。

この議論を進め「TVも統一教会の動画を使っていいし、TV局映像(ミヤネ屋でもサンモニでも報道特集でもそこまで言って委員会でも)も批評批判のために引用できる」という所にまで広げたい(現行法で出来る筈)。
https://b.hatena.ne.jp/entry/4723305000466510050/comment/gryphon

そう、これが当方の、華氏911が公開された2004年からの問題意識。
直接に映像を引用して、それを批評・批判することが可能なら、ワイドショーやニュース番組のキャスター・コメンテーターの不用意な発言などがもっともっと引用され、批評批判される(要は炎上する)だろうなあ、と。

これは2004年の予想から、youtubeやニコ動、tiktokなどの映像投稿SNSが圧倒的に成長する過程で自分の予想をこえているけど。
すでに、「テレビや動画の問題発言はそこを切り抜いた映像付きで投稿される」は普通の光景だけど、それはあくまで海賊版的な投稿扱いの筈。

統一教会の映像と同様に、テレビ番組のニュースやワイドショーの映像も引用していいですよ」と、現行法では既にそうなっているけど、テレビ局としてはそれを絶対に言いたくない、そんなジレンマがあるから、統一教会の牽制球も必要以上に効いてくる、んじゃないだろうか。

そうでないと思いたいが。

だから、確認しよう。
統一教会の所有する動画サイトから、報道や批評のために一部の映像を引用することは許される。同時にテレビ局の映像…キャスターやコメンテーターの発言・失言なども、批評批判の時に自由に引用できる」…そういうことでいいんだよね??

【資料】赤塚不二夫が「面白人間を集めた」時代、周囲はこう見ていた(我乱堂氏ツイート)/まんが道ドラマ再放送(NHK)

ひとつ前の記事からダイレクトに繋がります(一括して一本の記事にすることも考えたけど、膨大なので…)

再論【あだち勉物語】~赤塚不二夫と弟子の「愉快ないたずら」は、一種の「大人のおとぎばなし

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こちらを受けて、こういうツイートをいただいた












一読してやはり思うのは、個人的にそのへんの情報・資料収集が足りないだけで、「(トキワ荘以後、マンガの超売れっ子にして芸能活動にも入っていった)赤塚不二夫先生の想い出」に関してはおそらく周囲の人間も筆達者・口達者な人たちばかりだから、膨大な資料があるんだろうなと。

それを整理整頓してきちんと系列にまとめていけば、おぼろげながらも全体像の…これまた一端が浮かび上がるのではないか。



最近、おしくも鬼籍に入られた古谷三敏「ボクの手塚治虫せんせい」は後半がまさに赤塚不二夫の手伝い、アシをした時代の想い出になり、同じ部屋で布団を並べながら「兄弟でも夫婦でもないのに、俺たちが一番こうやって一緒に長い時間を過ごしているよな」としみじみ回想とかしてたと思う。




そんな赤塚不二夫の若き日も登場する、ドラマ「まんが道」がNHKで一挙再放送

藤子不二雄A先生追悼ということでもあるのでしょうか…

amass.jp

藤子不二雄”となる二人の青年が手塚治虫に憧れて漫画家を目指す物語『まんが道』。1986年にNHK総合で放送されたドラマ版(全15回)がNHK総合で再放送決定。8月10日(水)と11日(木・祝)の2日にわたり一挙放送。

■『まんが道

藤子不二雄の始まり、人生を変える出会いと別れ、そして漫画家として生きる覚悟が語られる…漫画好きは必見の青春物語

NHK総合
2022年8月10日(水) 午後11時45分から 第1回から第8回
2022年8月11日(木・祝) 午後11時45分から 第9回から第15回
19分30秒×全15回を2日にわたり一挙放送

再論【あだち勉物語】~赤塚不二夫と弟子の「愉快ないたずら」は、一種の「大人のおとぎばなし」

とりあえず第一報として書いた「最近の『あだち勉物語』19,20話が面白いから読んでくれ」は、やはり途中からネット連載漫画を読み逃した層などにそれなりに響いたか、反響もあった。読んでくれた人も多いだろう。

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www.sunday-webry.com

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その時は、時間が無くて論評に手が回らなかった。その捕捉をこれから

【19話】赤塚不二夫は誰とでも仲良くなって「遊びに来なさい」と声をかける。その結果…

あだち勉物語 ホームレスの取材
あだち勉物語 ホームレス取材

ぶっちゃけ、この時代「ホームレス」なんて言葉は使われてたはずがなくて、別の単語だったと思うが…それはさておき、いやそれとも繋がるけど、実際の所この取材が本当に創作活動に必要だとかではなく、やはり悪趣味な、冗談半分、興味半分のホームレスとの接触だったと判断するしかない。
そういうアティチュードが、今どのように評価されるかといえば、非常に怒られというか、糾弾されるように思われる。
しかし実際に交流すれば、赤塚不二夫は凡百の知識人や名士ではおそらく不可能なほどにホームレスと意気投合し、そして「いつでも遊びに来なさい」と手書きの名刺を渡したり、高級腕時計を友情の証としてプレゼントする。
その結果としてリアルな「レ・ミゼラブル」あるいは「ジョジョの奇妙な冒険 第一部」状態が発生する。お巡りさんの余計な手間が増える(笑)

あだち勉物語 リアルなレ・ミゼラブル
あだち勉物語ホームレスとも仲良くなる赤塚不二夫


「雑誌に載ってる『ファンレターのあて先』は、作者のリアル住所だった」という時代もあり、電話帳その他、「居住地へのアクセス方法、そこを公開する意味」は確かに昭和はいまと全然違うけど、それを差し引いても赤塚不二夫があんまりにもオープンマインド過ぎることは間違いない。
いまでは、いや当時でも、普通ならマネジャーや編集者がブロックする。
それを可能にしたのは、赤塚不二夫が「みんなと酒を飲んでバカ騒ぎする」が好きなことが第一だったろうし、そこで「面白いやつを積極的に仲間に加えたい!」という変な時代精神があったのも間違いなさそう。そこから「タモリ」が生まれたのも間違いない訳だろうが……

たとえば、ここで、単に声を掛けられたのでフジオプロに遊びに来て、伝説の赤塚作品を手伝ったあんちゃんたちって、年齢的にはご存命の筈だ。
市井にいるであろう、「この当時の、飲み歩いていた赤塚不二夫とどこかで関わり、交流を持った人」
の証言が、もっと発掘されていい筈なんです。

あだち勉物語 赤塚不二夫が誰にでも「遊びに来い」と言った結果


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一方で漫画家の仲間からも一部では「赤塚は飲み歩いて有名人とつるんで…なんか無理してるんじゃないか?」みたいな心配や、冷ややかな目もあったという。
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ここは実際によくわからないので、タモリの笑っていいとも終了の時に、巷間にあふれた「タモリ伝」からの再構成も含めて、やはりもう一度「巨匠となった赤塚不二夫周辺の『面白』人脈の歴史」に関する決定版の記録が欲しい、と再度要望しておきたいです。


過去記事で引用した記事の、さらに再引用。

11.杉江松恋の『芸人本書く派列伝』
============
【プロフィール/杉江松恋

1968年生まれ。ライター、文芸評論家、書評家。
ミステリー小説の書評を中心に雑誌やWeb上で執筆活動を行う。
また、映画や漫画などのノベライズ作品も執筆。



山本晋也『カントク記 焼とりと映画と寿司屋の二階の青春』(双葉社)から以下の情景を引いていく。

 197×年某月某日、新宿2丁目にそのころあった、ひとみ寿司の座敷で怪しい集会が開かれていた。
 怪しいといっても過激派・カルト集団というような物騒なものではなく、漫画家・赤塚不二夫を中心とする「面白グループ」の人々である。これは赤塚の交友関係から自然発生した親睦集団で、当時としても豪華な面子が顔を揃えていた。NHKの演芸ディレクターでありコント55号の育ての親としても知られる滝大作放送作家兼評論家の高平哲郎、ピンク映画監督の山本晋也、ジャズマンの山下洋輔坂田明、コメディアンの内藤陳、歌手の三上寛といった面々である。そこに九州から上京してきたタモリが迎えられ、デビュー仕立ての所ジョージTHE ALFEE坂崎幸之助といった後に名をなす人々が加わっていった。山本晋也も自身の監督作品常連であったたこ八郎柄本明らを伴っている。
 寿司屋といってもそこでは誰も寿司は食わず「ブッカキ氷の上にキャベツの千切りを載せて、塩と胡椒と味の素を混ぜた赤塚先生特製の香辛料を付けて食う」だけ、酒は焼酎「白波」の番茶割りだ。つまりグルメや贅沢とは程遠く、大のおとながどれだけ馬鹿なことだけを言い合いして時間を浪費していけるか、ということを競う場だったのである。

 面白グループが残した足跡については、まだ未評価の部分が大きい。私的集団で表立って行ったことが少ないのがその一因だろう。赤塚という庇護者をつけてタモリを世に出したことが最大の功績であるのは間違いないが、タモリだけではなく、所、坂崎らにオールナイトニッポンのパーソナリティを持たせ名前を周知させるなど、グループが人脈を駆使して行ったことは決して少なくなかった
 その一方で赤塚不二夫は、面白グループに熱中していた時代が、人気が頭打ちとなって下降する時期と重なっている。
(略)
決して順風満帆な時期ではなかった。1974年に「週刊少年サンデー」で連載していた『レッツラゴン』が終了…
(略)
 見ようによっては、少年誌では発揮できなくなった才能を面白グループという集団の中で発散することでバランスをとっていたようにも思える。…(略)赤塚の弔辞でタモリが「私もあなたの作品の一つです」と読み上げたのは、正鵠を射た言葉であった。この時期の赤塚が、タモリという創作物を世に出すために力の多くを使っていたことは事実だからである。

この話、そして次の記事、ここにつながる。
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かつて銀座などで消費された「有名人の面白悪戯」~フジオプロの遊びに「飲み屋で『お仕事は?』と聞かれたら相手に当てさせ、最初に言われた回答の職業になり切る」があった

あだち勉物語 飲み屋で職業を当てさせ、最初の回答の職業になり切る
『お仕事は?』と聞かれたら相手に当てさせ、最初に言われた回答の職業になり切る」 あだち勉物語


これもまた、飲み屋での「いたずら」である。コンプライアンスとポリティカルコレクトの概念からいえば、こういういたずらも「よくないこと」とされる可能性もありそうである。いや、さすがにこれはギリギリ、いまでも許容されるかな?


ただ、これ読んでふと思ったのは
遠藤周作を起点として…北杜夫とか阿川浩之とかそのへんかな? またSF作家周辺とかも、「飲み屋や旅先で〇〇のふりをして……」みたいな体験記やエッセイを、70-80年代だろうか、いろいろ書いていた気がするんだよね。
というか、自分は小説家ってのは、原稿用紙に創作の物語を書く人というより、みんなで集まって飲み会をして、大騒ぎの中でこういういたずらやなりきりゲームを、現実社会の中で演じて、それをエッセイのかたちで面白おかしく報告する……というひとだと思ってたな、最初は(笑)


で、俺的な個人の感想では、その最後に位置するのが「中島らも」だったと思うの。

上のあだち勉の「相手に当てさせた「自分の職業」になり切るゲーム」で思い出したのが、何かの文学賞の選考帰りに、年齢不詳の風貌を活かして同乗者と「頑固な老作家とその担当編集」になりきり「今の文学はどれもこれも…」「やはり、大陸からの引き揚げを経験した先生から見るとそう思いますか」「うむ、あの脱出行こそ儂の文学の原点じゃ」とかなんとか適当にやりとりして、タクシー運転手を感心させた……みたいなエピソードでした(かなり記憶曖昧です)

ま、その延長で、天下の朝日新聞紙上で「死を呼ぶみそじゃがいも」事件というのを起こしてしまうわけですが(笑)
www.cataloghouse.co.jp
note.com



自分の知ってる範囲でいうと
遠藤周作などを中心とする「面白エッセイも書く文学者集団」
・SF作家集団
赤塚不二夫と「面白グループ」
・ジャズメン

のようなひとたちが、上にあるような、半分ぐらい現実と関わるような罪のない?いたずらジョークを、酒宴と共に行って、それを「芸のこやし」にしていた。
その上で、何しろ銀座赤坂というふうに場所が重なるし、ホームレスやラーメン屋店員とまで「こんど遊びにおいで!」になるぐらいだから、そういう有名人同士だって当然顔を合わせ、交流を生んだ。


たとえばそういう中で「大橋巨泉藤子不二雄Aが無二の親友となる」というような、不思議な交友関係が生まれたりもするんですね。


いや、もっとそういう集団はあちこちにあったと思うんですよ、
ただ「こういうことをしました!おもしろかった!!」と語る語り部がいなかっただけで。



あだち勉物語」は、トキワ荘と同様に重要かもしれない、「赤塚不二夫が大成功して「日本の顔」となった後、彼と彼の周辺はどのように「おもしろ」を模索したか?」を、交友関係や実際の酒場での遊び方などを含めて記録してくれる。
ここが図らずも貴重なので、そういう点からも連載が長くつづいてほしい。


そしてそれは日本の漫画史のみならず芸能史、お笑い史などの空白を埋める、貴重なミッシングリンクになるかもしれない。


いまはもうできないか、実はそれでも続いているのか…「大人のおとぎばなし」。


調子がよくてイマイチ信用できない、でもなぜか懐にはそれなりのゼニがある…という人が雀荘や飲み屋で、周りの人間にちょっとうるさがられながら、何とも面白い話をしている。
それの悪友というか兄貴分は、誰でも知ってる超有名人!! 「いつでもうちに遊びに来てよ」と仕事場の名刺を渡され………なんてことは、治安もマナーもよくなった令和の御世にはちょっとありそうもない。
といいつつ、我々の把握できないどこかで、こういう関係性はまだあるのかも…どうだろう。



「いつでも遊びに来たまえ」と鳥山明尾田栄一郎が名刺をわたしてくれますかっ。
板垣恵介が…これは、「武」や「侠」を鍛えた漢なら、まぁほんのちょっとは、あり得るかもしれない(笑)
藤田和日郎島本和彦は微妙にありそうなので、周囲が止めてあげてください(勝手なイメージ)




でも、そんな出会いが、それでもどこかに生まれているかもしれない。
あるいは、20話のように、飲み屋で不思議なトークをして帰っていったあの男の自称や半生の記は、単なる与太話だったのかもしれない。


そういうことをひっくるめて、「あだち勉物語」の19話、20話は【大人のおとぎばなし】と認定したい。
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【大人のおとぎばなし】 ※準タグです。この言葉でブログ内を検索すると関連記事が読めます

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「市議が詐欺容疑」の【吉羽美華】容疑者!この名を覚えておけ!そして……

……格闘技やスポーツ選手のマネジメントを行う芸能プロダクションも経営するなど、各界に人脈を有していた吉羽容疑者。そんな自身の立ち位置が、今回のトラブルを招いた可能性も示唆していた。
総合格闘技団体の運営にも関わっていたことがあり、犯罪をする人たちには私は“ちょうどイイ(利用価値のある)存在”だったのだと思います。当時やっていたアメブロでは政治家のなかで小泉進次郎などを抜いて(アクセスランキングで)トップの常連でもありました。自分から言うことではないですが、大阪の一市議でありながら知名度はかなりあったと思います。そんな私が詐欺に加担するはずがありません」


news.yahoo.co.jp

吉羽美華寝屋川市議ら5人、詐欺容疑で逮捕…コロナ融資巡り委託料名目で十数億円被害か

2022/08/02 06:39

 新型コロナウイルスの影響で業績が悪化した福祉施設などを支援する公的融資制度を巡り、業務委託料の名目で現金をだまし取ったとして、福岡県警は1日、大阪府寝屋川市議、吉羽美華容疑者(42)(大阪府寝屋川市)ら男女5人を詐欺容疑で逮捕した。県警は大阪府や福岡県内の福祉施設、医療法人などが受けた十数件の融資30億円以上のうち、十数億円が吉羽容疑者らの手に渡っていたとみて調べる。


www.yomiuri.co.jp

市議がサギ。
韻を踏むな。

※もちろん公判で罪が確定するまでは推定無罪であるとの原則の上で

まあ、その容疑だけでも、被害金額十数億円、それも弱者を救済するために、日本国と自治体が総力を挙げて、そして善意に期待して行った緩やかな審査の融資を奪う・・・・・というだけで、すごく剣呑な大きな事件なんだけどさ。



吉羽美華

の名前を、もう一度覚えておいて。

そして検索してみて。いろいろと。


あ、吉羽美華 格闘技」では検索するなよ!!


ある意味「石坂徳州こと金徳州」レベル。(だからこの名前でも検索するなって!)


「お前さん、ちょいとこれじゃ大晦日は迎えられないよ」という、「掛取漫才」状態になるかならぬか。


その他詳細はこちら
twitter.com

「ルリドラゴン」休載。再開まで、同テイストの「月出づる街の人々」を読みながら見守ろう(月刊アクション連載中)

作者と担当編集者の残念さ、部外者からは察しようもない。
しかし、こういう作者の体調を第一に考えた措置なんてなかなかに昭和の御世ではできなかった。
バクマン。」などでの啓蒙もあるんだろうか。




まず連載冒頭としては、かなり人気と勢いがあったようで。
shonenjumpplus.com
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ん?1ページ抜き出すと、なんとなく「ジェネリックよつばと!」っぽいな(笑)。

ルリドラゴン …なんとなくよつばとっぽい

まあ、台詞のやり取り、リアクションであまり動きを見せず、短文でコマを幾つも使うとそれだけでよつばと!っぽくなるもんではあるが(笑)


どれぐらい勢いがあったというと、開始6話目で「ロボコ」がパロをするぐらいに勢いがある。それ通常営業?かもな…


こっから、すっげー浅いレベルで単純なジャンル分けします。

この作品のテイストとしては

A・日常の中の非日常な存在として「異形の者」が出てくる。
B・当然その「異形の者」は、通常一般の人間とは違う能力や外見があり、それを巡っていささかの冒険も、葛藤も、悩みもある。
C・しかし、それもひとつの「個性」として、周囲にも社会にも何となく受け入れられる。
D・BとCをめぐって、小さい、だけど通常は起きない非日常的な小ドラマがあり、しかし、それが淡々と繰り返されるなかで「日常」となっていく。
E・それがなんかふわっと、現実のダイバーシティ(多様性)…たとえば少数民族や外国人、LGBTなどの暗喩となっている

みたいな?うわ、われながらすっげー表層的な部分でまとめたな。

ルリドラゴンが描く「多様性」

しかし、実際のところ・・・・・巨人・藤子不二雄氏らが半世紀かけて啓蒙し続けた結果、「非日常の存在がポンと日常に登場し、生活に溶け込むこともある。そういうものなのです、以上」という展開にすることを力技で認めさせた(笑)
その藤子先生も時々、興に乗ると、その非日常的存在が日常に受け入れられるか?で、たしかに冒頭1,2話ぐらいは使う(「チンプイ」とかがそうだったかな。)けど、ぶっちゃけ「拾ってきた猫をペットにするのをお母さんが許してくれるか」ぐらいのレベルだしね(笑)



だから、「非日常の存在を日常のなかに受け入れてもらう」という話の構造自体は珍しくない。ただ前述のように、マンガの古典文法として、藤子先生らによって「そこは説明不要、省略して『いつのまにか非日常は日常の中に溶け込んでます、以上』で終わらせていい」というのが成立した結果、「逆にこの部分を丁寧に描写していったら面白いんじゃないかな?」と考えるものがいた。


藤子Fの系譜を正統に継ぐ「ウィッチウォッチ」でも、魔女や鬼といった異形の存在が普通の高校生活を送れるか?という部分で、さらっと受け入れる周囲、が描かれている一方、学校で魔法や異能を危険視する教師もいたり、生徒会がその間に入ったり…なんて展開もある。
最新刊が今月出る


そして、それはやはりLGBTという言葉が生まれたり、どの地方都市でも1学年に外国籍の親がいる児童生徒がいる学校が普通に存在する(と思う、肌感覚にて統計は調べず)時代となって、そういう非日常的な異形の存在を、マイノリティの比喩にすることがひとつの読まれるテーマになった、ということでありましょう。

もともそSFは、アシモフブラッドベリの時代から、そうやってロボットやエスパーや異星人をマイノリティの比喩とし、そこに寄り添っていた。

「ポリコレ」論でもあるが、ポリコレ的な題材を利用して面白い作品ができるなら、それはそれですばらしいことなのである。白猫でも黒猫でもネズミを取ればよい猫なのである。
実際に、「ミステリと言う勿れ」は1巻100万部ペースの大ヒットではないか。



そんな中で、今回は華々しくデビューを飾りつつも、まことに残念な体調理由の休載となった「ルリドラゴン」だが、上にかいたような浅いカテゴリー分けで(笑)、あ、「似たような感じだな、両作品は同時代の戦友、そしてライバルになっていくんだろうな」と思った作品がある。

それが、月刊アクション連載中の「月出づる街の人々」であります。作者は…酢豚ゆうき先生。

おお、ニコニコ静画に、連載1-3話が公開されているじゃん!!

seiga.nicovideo.jp

ピクシブ…にもUPされているのだけど、ピクシブはよくわからん。

個別の作品をあれこれ紹介する必要は無いし、深くは語り切れないので、さっきの項目を再掲載します。

A・日常の中の非日常な存在として「異形の者」が出てくる。
B・当然その「異形の者」は、通常一般の人間とは違う能力や外見があり、それを巡っていささかの冒険も、葛藤も、悩みもある。
C・しかし、それもひとつの「個性」として、周囲にも社会にも何となく受け入れられる。
D・BとCをめぐって、小さい、だけど通常は起きない非日常的な小ドラマがあり、しかし、それが淡々と繰り返されるなかで「日常」となっていく。
E・それがなんかふわっと、現実のダイバーシティ(多様性)…たとえば少数民族や外国人、LGBTなどの暗喩となっている

そういう作品群なんです。

月出づる街の人々
月出づる街の人々
月出づる街の人々
月出づる街の人々

こんな感じ、ということは引用画像でわかりますでしょうか。
やっぱり長ながしい言葉にする必要はなく、上にリンクを張った実際の作品があるのだから、それを読んでもらえればいいと思うし「ルリドラゴン」からこの作品を連想した経緯もわかってもらえると思う。


ただ、作者さんのペンネームって何かおいしそうなアレですね(笑)。サルまんの忠告を聞くべきだった…(例のPNの話)

この単行本は9月に発売が決定しているそうです。