また、ひいき作品「ウィッチウォッチ」(篠原健太)の話。先々週、ジャンプ27号の回です。
最初、寅さんの真似から入るのは「カンシが寅さんファン」→「寅さんが口八丁手八丁で怪しげなものを売りつける『啖呵売』も大好き」「それを実際にやってみようか…あ、ケイゴが帰って来たわ、あいつに…」という流れですね。
そして、たまたまあったビー玉を、さも特殊な価値を持つ貴重品であるような口から出まかせを語るのだが、すっかり信じたケイゴは自分でやってるyoutubeでそのウソ情報を披露。それを聞いていたクラスのTiktokで人気者な女子が、さらに拡散して…となっていく(両者が、そういう動画作成の趣味を持ってることは以前に語られているからすごい)。
あとは、いかにも在りそうなデマ?の拡散と変形。
いつの間にか、カンシらが語っててもいない「あらたなビー玉の価値」や「ランク付け」などもなされていて、けっこうクールなミハルやモリヒトまでハマっていく。こういうこだわりレアものに弱いモリヒトはみんな以上に熱中するありさまで、それがでたらめだと知ってる大元の発信源、ニコとカンシは大汗状態……という。
で、そのウソもバレるわけだが
この見立ては見事というか的確で、異論のない社会風刺・警告なのだが……、がっつり騙されてた当人がキメ顔で、キメのセリフを叫んでも、それ自体がギャグになっていておかしい、という、少し社会派になり過ぎないような仕掛けもしているところが周到。
「あんまりシリアスだといろいろ下がる」ってやつだ(笑)
…で、ここからウィッチウォッチを離れて、このブログの古い記事……を知ってる人も少ないだろうから再論すると、自分は「こういうテーマ」が大好きなんですよ。
そのジャンルを呼ぶ名称が無いので、自分は暫定的に「情報の独り歩きもの」、とか「心理・情報操作もの」「ごっこ世界拡大もの」とか、そんな呼び方している。むかしはちょっとピントがずれるが「疑似イベントもの」なんて言い方がありましたね。
筒井康隆の実験小説「デマ」、いとうせいこう「ノーライフキング」、映画「遊びの時間は終わらない」とかのフィクションをはじめ、実話でもオーソン・ウェルズがラジオ「火星人襲来」でパニック起こしたという一件や、某信金取り付け騒ぎ、口裂け女、震災デマ、オルレアンのうわさ……など、時には深刻な被害も発生するこの種の事象。
そんな名称で過去記事を探すと
命名についてあれこれ悩んで仮命名したのがこの記事
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この記事のほか、関連的なものは
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そして、そんな話の中で…そもそも「ウィッチウォッチ」が、コンセプトの共通性を持つ先行作品として大いに意識しているだろうとこちらで勝手に思っている「エスパー魔美」に、テーマとしては類似の作品があるのですよ。
※「ウィッチウォッチ」と「エスパー魔美」の共通性はこちらを。
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それは「ウソ×ウソ=パニック?」という回です。
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ニコ動配信に内容紹介がある。
自分はこの劇中の会話から「キージェ中尉」という音楽のストーリーを知り、それでこのジャンル自体を意識した面もある。
そしてまた、騙した側がいろいろごまかそうとすると「取りつくろいもの」という、また別のジャンルで区分けもできる…と勝手に思ってます。
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そんな部分で、また「ウィッチウォッチ」と「エスパー魔美」を比べて考える、そんな回になりました。