※本題に入る前の余談が結構長いので、前半は飛ばしても構わないかも(笑)
あらためて、はてブ諸氏にお礼申し上げたいがこの前の
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では情報提供ありがとうございました。皆さんの力を見くびっていて正直スマン。
ところで、実はその前に、一覧を作る試みをしたかったものがあるのだが…
まず最初に、視界に入ってきたのは、たしか「異世界おじさん」だったかな。
えっ?3巻で50万部?…つまり1巻あたり16万部以上売れている???
17年間の昏睡状態から目覚めたおじさんは、異世界からの帰還者だった……。甥っ子たかふみと共同生活を始めたおじさんが語る、新感覚異世界&異文化コメディ!
何本か、ここで過去作品が読める。
comic-walker.com
この話の中で、最近異世界から戻ってきて、異世界アイテムを持っていたり魔法が使えたりする「おじさん」が、それでもこっちで定職に就けるような経歴・資格、そして意志などはないので(笑)、それでも食っていくために見つけたのが、「その異世界の能力を見せるユーチューブ動画を配信して、それで金を稼ぐ」という流れでした(すごいトリックや特殊加工だ!と視聴者には思ってもらえる)
何度か書いたが、自分はネットの老害として、ユーチューバーを肌感覚ではまったく知らない。ほんと「ヒカキン」という人は超有名なことを伝聞で知ってるぐらい。
しかし、そのユーチューバーと言う存在には、老害な分だけこういう因縁がある。そこ、飽きずに繰り返すね。
自分はほぼ10年前、 YouTube に関してある予測をして、それが半分当たって半分外れた。その外れ具合が面白かったんだ。…「ふうん、海外ではこういう人やこういう活動もあるんだ、おもしろいね」という扱いだった「動画でシロウトさんが、『俺流のトークショー』をやってしゃべりまくる」という活動…、自分はその出現は予測していたが「それで知名度を向上させて本職の芸能活動や原稿依頼、本の売り上げなどに結び付ける」ということまでしか予測が及ばず、動画サイト、プロバイダ側が広告をここに載せて、その一部を視聴者数に応じて配分し、その結果ミリオンダラーが生まれる…といった展開はまったく予想できなかった。この「はずれかた」も、逆に時代を感じて無限に興が湧く。
だから、「youtuber」が社会的地位や知名度を上昇させるたんびに驚いていて、それが貴重な歴史になっているというか(笑)
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最後のやつなんか、典型的なので引用しよう。2008年の予測。
ネットトークショーのためのコストは極限まで下がった。あとは「才能」と「覚悟」のみ。
この「ニッポンのウラ」はホストもゲストも豪華だから別格だが、実は格闘技業界はネットトークショーの試みは古い。
まだ「ネットラジオ」が限界だった頃、90年代にエディ・ゴールドマンという格闘技ジャーナリストがちゃんとスポンサーもつけてeyada.radioというものを放送していた。
格闘家のゲストを呼んで、スクープ連発だったのですよ。
あの当時と比べると、ネットで音声や動画を見せる聞かせる、見る聞くというののコストや需要層は問題にならないほどひろがっている。
わたしゃラッシュ・リンボーという名前や、また映画「トーク・レイディオ」、さらには町山智浩ブログなんかで、アメリカの時事ラジオ、毒舌パーソナリティの一人がたりについては知るのみだが、最近捕鯨に関連して「テキサスおやじ」と称される男が話題になったことは知っている人もいよう。
…彼は多分、北欧的なエコ・リベラルへの反感から日本びいきになってるだけ、という面もあるんじゃないかな?とは思うが、それはそれとしてやっぱり米国の時事ラジオ放談文化もあるんだろう。
ま、これが世界的に大ヒットするなんてのはそれこそ宝くじ並みだが、ともあれ
「自分の意見を、独り語りの形(北野ファンクラブのような対話型でもいいかも)で動画にして定期的にUPする」
という形で、シロート・時事トークショーというものがとりあえず可能性としてはあり得る、ということを学んだ。
匿名中心の日本のネット社会で、顔まで出してこういうことをやる人がどれだけいるかは予想できないが、格闘技評論でも漫画評論でも、あるいはテキサスおやじのように政治的な立場を打ち出し、相手をボロクソにやっつける時事的放談に関しても、しゃべりと議論の才能、あるいは愛嬌があれば、こういう部分から野心的な若者が世に出ることも不可能ではないようだ・・・・・と思いました。
余談をかきすぎてしまったが、そういうわけで、「ユーチューバー」が漫画に出てくると「おやっ」と思うようにはなっている。
そんな中で最近目にしたのが、少年サンデーに連載してる「ゆこさえ戦えば」。とりついた悪魔を使った「デスゲーム」+「主人公はチートといっていいほど強いけど、そもそもそのデスゲームに興味が無くほのぼのと生きてる。そのため、挑む人間は全然勝てない上にそのデスゲーム自体が無効化されてしまい、とまどう」…という、いくつかのお約束をずらして合わせ技にした結果、なかなか曲者な感じの作品になってます。
ああ、ここで第一話読めるよ。
悪魔と人間が組んで戦う『悪魔凱戦(ディアブロイル)』で、ギギラのパートナーとなった女子高生・新王寺ゆこ! だがゆこは、戦いより日常生活に一生懸命な超マイペース女子だった。戦いさえすれば天才的才能がある彼女を、ギギラはなんとかその気にさせようと頑張るが…
戦わない系JK×戦ってほしい悪魔の凸凹コメディー!!
https://websunday.net/rensai/yukosae/websunday.net
この作品のなかで、新たな敵のひとりとしてユーチューバ―が出てくる。
そして、「月刊アクション」でそのままユーチューバーを主人公にした作品の連載が始まった。小説のコミカライズかな?
親父が美少女になってた話
赤信号わたる
SNSの話題作が連載化!!
人気Vtuberキヅケヤイの正体はなんと父親!?
美少女Vtuber・キヅケヤイのファンの少年・タカシは、
尊敬する父親がキヅケヤイの”中の人”という衝撃の真実を知ってしまい…?
ネットの海で大幅にすれ違う父子の行く末は!?
月刊アクション | WEBコミックアクション
そして、来るものあれば去る者あり。
最新号で自由契約…いや最終回を迎えた「いにんぐ!」は、また例によって、少女たちがおっさんの好みそうなものを熱く語る「ファン漫画」だったのだけど、プロ野球選手のものまねが得意な女子高校生が、それを動画配信して人気を得る、というのがそれなりの、この作品の骨子となっていたんだよ。
※「ファン漫画」とは何ぞや、についてはこちら参照
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んで「ふーーーん、漫画に登場するほど、やっぱり動画配信という存在が社会の中で大きくなってきたんだね」→「せや、これ、今のうちなら完全網羅した一覧ができるんじゃね?」と思ったわけです。
そんなことで、作成を開始した。上の話に、自分の知識を加えて…
動画配信(ユーチューバー)が登場する漫画一覧
※頂いた情報を追加しています ※タイトルが太字の作品は、動画投稿が完全にメインテーマの作品です
作品 |
作 者 |
登場した年(おおよそ) |
備考 |
オヤジが美少女になってた話 |
赤信号わたる |
2019 |
本格的な「Vチューバ―もの」らしい【美少女Vtuber・キヅケヤイのファンの少年・タカシは、尊敬する父親がキヅケヤイの”中の人”という衝撃の真実を知ってしまい…?】(公式サイトより) |
キミオアライブ |
恵口公生 |
2019 |
https://kc.kodansha.co.jp/product?item=0000339389 (講談社サイトより)エモさ1000%!超絶新鋭が描く心が熱くなるユーチューバー青春譚!!やりたいことが多すぎる高校一年生・長谷川君生(はせがわ・きみお)。やりたいことで生きていきたい。この気持ちを「夢」って言いたい。そんな彼がたどり着いた夢を叶える方法とは――。 |
パンドラちゃんねる |
氷川へきる |
??? |
ブクマでご教示あり アマゾン紹介文「とある組織に捕まった少女パンドラ。彼女は密室に閉じ込められ、ある任務を命じられる。その任務とは――ムーチューバ―として不思議アイテムを紹介する動画を配信すること!?動画配信ライフで世界をつかめ! |
底辺チューバーが宇宙戦争を撮ってみた |
原作:渡辺恒造、作画:バナーイ |
2019 |
ユーチューバーマンガ - 藤子不二雄ファンはここにいるを参照 |
◇ ◇ |
◇ ◇ ◇ |
◇ ◇ ◇ |
※上の段、タイトルが太字の作品は、動画投稿が完全にメインテーマの作品です |
罪と罰 |
落合尚之 |
2007 |
有名なロシア古典文学の翻案。最終盤である不正の告発に『ネット生動画』を使うという設定が登場。 |
予告犯 |
筒井哲也 |
2011 |
動画サイトに、新聞紙で作った覆面を被り犯罪を予告、実行する謎の男が現れ…動画がかなり話の中心に登場する、画期的ともいえる作品? |
エロマンガ先生 |
伏見つかさ・rin |
2014 |
謎の人気イラストレーターは正体不明で、ネット動画にしか登場しない謎の人物(しかしなんつータイトルだ) |
いにんぐ! |
茶麻 |
2018 |
「女子野球部」は部員3人のみで、当然実際の試合はできない。プロ野球選手のモノマネが唯一の活動だが、これを動画配信したら?との発案があり… |
異世界おじさん |
殆ど死んでいる |
2018 |
最近異世界から戻ってきた「おじさん」が生計の手段として、異世界のアイテムや魔法をユーチューバーとして披露し人気となる |
ゆこさえ戦えば |
福井せい |
2019 |
悪魔をパートナーとした人間同士が戦う世界だが、最強の主人公は闘う気が全くなく…というお話の中で、敵の一人としてユーチューバー女性が登場。やはり魔力を視聴者稼ぎに使っている |
カバチ!!! |
田島隆・東風孝広 |
2019 |
バイトが悪質ないたずらを仕事中して、それを動画配信。その損害を、雇用企業は賠償請求できるか?という、現実の話題にも似た話を1章を割いて描いた。 |
アキバ署! |
瀬尾浩史 |
2005 |
1巻にライブのストリーム配信の話題がある。サイトとか自前だろうし、クローズドな印象 (ブクマより) |
「ぬらりひょんの孫」 |
椎橋寛 |
2012 |
20巻(2012年)では動画の生配信が重要なアイテムになってるけど、出てくる単語は「ユースト」(ブクマより) |
LIAR GAME |
甲斐谷忍 |
2015 |
漫画版最終回(2015年)に動画配信サイトが出てきて、これはかなりYouTubeに似てる(ブクマより) |
モンキーサークル |
志名坂高次、 粂田晃宏 |
? |
YouTuberがUMAの撮影しに森にはいって、当然のように襲われる(ブクマより) |
BIRDMEN |
田辺イエロウ |
? |
有翼同盟が空港を襲った回で使ってなかったっけ?(ブクマより) |
雷星伝ジュピターO.A |
和智正喜・なかざき冬 |
2007頃? |
特撮ドラマのネット配信の話題あり。独自サイトだが一般公開らしい(ブクマより) |
ちはやふる |
末永由紀 |
2019 |
若宮詩暢YouTubeに上げている動画は1万PVを超える人気動画となっていた(笑)。YouTuberとしての才能があったのか詩暢ちゃん(?) 。その番組への視聴者からの… |
女子高生の無駄づかい |
ビーノ |
2015 ? |
担任と生徒が、知らないままネット上でボーカロイド曲の作曲者と、それを『歌ってみた』で投稿した人として交流する話があるらしい TVアニメーション「女子高生の無駄づかい」 第11話「ゆめ」予告 - YouTube |
おたくの隣はエルフですか? |
植野メグル |
2019 |
主人公とのエルフとアマテラスが、ダンス動画勝負を行う |
なれの果ての僕ら |
内海八重 |
2020 |
第1話に登場人物の一人が「ウィーチューバ―」として登場 |
解体屋ゲン |
原作:星野茂樹、作画:石井さだよし |
2020 |
ユーチューバーで小遣い稼ぎをもくろむ周辺が、居酒屋で天下国家を語るゲンさんの話を隠し撮り配信したところ大人気となり… |
ふたり生徒会 |
原作:ゆずチリ、作画:かとそん |
2018 |
3年生を送る会で、ペアで歌った生徒会コンビ。その歌の様子を、ユーチューブにupしようという話が出てきて…(3巻) |
彼女もカノジョ |
ヒロユキ |
2020 |
第3のヒロインが『ミーチューバ―』で、5万人の登録者を誇るが、父親にしられひと悶着 |
ミタマセキュ霊ティ |
鳩胸つるん |
2020 |
背後霊を集める体質の主人公が、『明るい笑顔を撮る』をテーマに撮影被写体にチャレンジしているうちに、いつしか動画配信まで。 |
ギャラリーフェイク(令和版) |
細野不二彦 |
2020 |
刀剣を語る、美人のyoutuberが人気を集めていたが、実はその裏には黒幕の若きIT起業家や怪しげな古美術商がいて… |
テツぼん |
原作:高橋遠州、作画:永松潔 |
2020 |
ユーチューバーと主人公が「山を走らせる鉄道」をめぐって談義 |
ドラゴン桜2 |
三田紀房 |
2019? |
https://dragonzakura.mitanorifusa.com/ にもある。勉強の一環として、英語を発信することを生徒に命じた |
BARレモンハート |
古谷三敏 |
2020 |
ユーチューバー(志願者)がお客としてやってくる |
CITY |
あらゐけいいち |
2019? |
動画撮影で儲けようとする登場人物(南雲と新倉)が継続的に登場 |
結局、2020年現在、「動画配信」をメインテーマにした漫画は4作品発見できた。
追記 この中でもっとも先鋭的にユーチューバーをテーマに据えた「キミオアライブ」は、作者が急逝するというあまりに惜しまれる展開で、未完となった。安らかなれ。
withnews.jp
今後の課題と夢想 そもそも「インターネットが漫画に登場していく歴史」も追おうと思えば追えるんじゃないかな。
インターネットだって…ウィンドウズ95が出た1995年を起点にすれば、そこから新しもの好きの人や、近未来を描く設定のひとたちが少しずつ漫画にしだした。当時は「インターネットってこれこれこういうものなんだぜ」的な解説付きでな(笑)
そんで…ざっと10年、2005年ぐらいからは「インターネットが漫画に登場するのは当然になった」と足切りする。
この1995年〜2005年までの、漫画でのインターネットの使われ方を追っていくと、何かいろいろ面白そうではないか。
自分の記憶だと、
・機動警察パトレイバーで「敵のレイバーの名称はグリフォンだ」と警察内で告知された時、登場人物が検索してグリフォンとは何か調べる。それに対して「電話代がもったいない!」と別の人物が叱る。近未来じゃないよね(笑)
・「銀魂」で、みな顔見知りのレギュラー登場人物が、全員HNで恋愛相談をしたり、それに答えたりする。全員、互いを知ってるのに画面上では知らないので話が行ったり来たり。
・「ヒカルの碁」で、「世界中の人とインターネットで繋がって碁が打てるネット囲碁」が、幽霊の佐為も人間のヒカルに頼めば碁が打てるアイテムとして、序盤から終盤まで大きな意味を持つ。
・映画「パトレイバー3(といっていいのかな)」で、最後のシーンに2ちゃんねるっぽい掲示板が出てくる
・2ちゃんねる発祥で掲示板が一種の舞台となる「電車男」が人気となり、漫画版が3作も競作される……
・「スケットダンス」で、メールだけでやり取りしてた2人が盛り上がって会いましょう!となるとか、自分が作ったサイトにお客を集めたいから協力して!とかはずいぶん画期的だった。
みたいなことが印象に残っているね。もちろんその前の「パソコン通信」も漫画に登場したことは多かったろう。
みなさんは、ネットが漫画に登場してきた!といつ頃から意識しましたか?どんな作品が印象に残っていますか?
最古?候補 80年代半ばにネットを話題に?
id:miharaseihyou 2019/11/12 21:24:42 Add Star
原典の確認に時間が掛かったのでコメントになるけど、私の知る限りではメジャー発売された雑誌の本編でネットが出ている最古のコミックが「ライオンは起きている」になる。
原作の雑誌掲載は昭和59年(1984年)、ララ12月号。
作者は星崎真紀。
内容はウェストコースト物で作中にコンピュータで情報集めする場面がある。
当時のパソコンは初歩的な表計算とワープロ機能くらいしかなく、インターネットは夢のような話だった。
つまり日本ではパソコンで情報集めすることは出来なかった。
当時はその内容に違和感を憶えた。
後から事情が分かったんだが、ウェストコーストでは当時既にネットが普及し始めていた。
当時の白泉社は新しもの好きの作家が多く、当時の最新モードだったと言える。
あとからの回想、ノスタル漫画で、リアルタイムに登場したものではないが…「オンラインの羊たち」